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  • ご先祖様の成仏、本当に大丈夫ですか?

    ご先祖様の成仏、本当に大丈夫ですか?

    こんにちは! あの世とこの世合同会社の代表社員、中山彰仁です!

    突然ですが、あなたのご先祖様は、無事に成仏されていますか?
    「たぶん大丈夫」「お寺で供養してもらっているから安心」と思っている方も多いでしょう。

    しかし、ご先祖様の多くが まだこの世に留まっている可能性 があるとしたら、どうでしょうか?
    供養をしていても、「なぜか家族にトラブルが続く」「仕事や人間関係がうまくいかない」「原因不明の体調不良がある」… そんな経験はありませんか?

    それ、ご先祖様が 成仏できずに、あなたに助けを求めているサイン かもしれません。

    なぜ、ご先祖様は成仏できないのか?

    人は亡くなると、魂が肉体を離れ、あの世へと旅立ちます。
    しかし、 未練や執着を抱えたまま時間内に旅立てなかった魂 は、成仏できずに 地縛霊 となってしまいます。

    そして 頼れる子孫のもとへ導かれる のです。

    つまり… 今、この文章を読んでいるあなたのもとへ です。

    もし地縛霊化したご先祖様がいると、その影響として 以下のような霊障 があなたの人生に現れます。

    地縛霊による17の霊障
    1. 財運の低迷
    2. 仕事運の不調
    3. 精神的な不安定
    4. 原因不明の病気や体調不良
    5. 事故やトラブルの頻発
    6. 家庭内の不和
    7. 親子関係のトラブル
    8. 恋愛運・結婚運の低迷(悪縁・縁遠さ)
    9. 子宝に恵まれない、もしくは子供に関する悩み
    10. 配偶者との関係悪化
    11. 親族(特に配偶者側)との軋轢
    12. 霊的影響による精神混乱
    13. 誤った選択を繰り返し、人生が迷走する
    14. 人間関係のトラブルが絶えない
    15. 謎の痛みや発作
    16. 憑依現象・不可解な夢や幻聴
    17. その他の霊的問題

    いかがでしょうか?
    「なんとなく心当たりがある…」という方も多いのではないでしょうか。

    お寺の供養だけでは成仏しない理由

    「うちはお寺でちゃんと供養してるから大丈夫」と思っている方もいるでしょう。
    ですが、現代の僧侶のほとんどは 霊的な力を持っていません
    形式的なお葬式や法要では、ご先祖様を あの世に送り届ける力はない のです。

    もし お寺での供養が完璧なら、墓地で幽霊が出るはずがない と思いませんか?
    実際には、お墓やお寺の近くで怪奇現象が多発しているのが現状です。

    お寺の供養は 儀式としての意味 はありますが、
    本当にご先祖様を成仏させるためのものではない ということを知っておいてください。

    では、ご先祖様を成仏させるには?

    ご先祖様を 確実にあの世へお送りする には、 真の霊的な力を持つ者 の力が必要です。

    しかし、世の中には「霊能力者」と名乗る人が多すぎて、 本物を見極めるのは非常に難しい のが現実です。

    そこで、当方では 本当に霊的な力を持つ者を見極める鑑定 を行い、
    さらに 先祖霊を確実に成仏させるための神事 を執り行っています。

    • 宗教的な儀式や物の準備は不要
    • 遠方からでも依頼可能
    • 先祖供養と同時に、17の霊障が軽減

    「除霊」とは異なり、 地縛霊をご先祖様が本来いるべき場所へと導く“救霊” です。
    一時的に霊を別の場所へ追いやるだけの除霊 とは違い、 根本的な解決が可能 です。

    もし、少しでも気になることがあれば、まずは 無料相談 をご利用ください。
    あなたの ご先祖様の状態を確認 し、必要な対処をお伝えいたします。

    また、あなたの 大切な人やペットの魂 についても対応可能です。

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    今、ご先祖様が あなたに助けを求めているかもしれません
    「自分には関係ない」と思わずに、一度 チェックしてみませんか?

  • 死してなお迷惑をかけてしまう地縛霊は、バグみたいな存在

    死してなお迷惑をかけてしまう地縛霊は、バグみたいな存在

    死後、肉体を離れてこの世を去り、あの世に戻る

    そして、あの世で28年間をかけて今世を振り返り、次の人生の計画を立て、再び転生する。

    これが本来のあの世とこの世の流れです。

    ところが、死後に執着や未練があると、地縛霊化してこの世に留まってしまいます。

    ゲームでいうと、バグみたいな状態になってしまうわけです。

    例えば、マップの特定の場所から移動できなくなってしまったり。

    MMORPGでたとえるなら、今操作しているキャラの育成やスキルの振り分けを失敗したので、キャラを削除して新しいキャラを作りたい。

    なのに削除できていない。

    そんな感じでしょうか。

    つまるところ、ゲームのプレイに支障が出て困っている状態だと考えられます。

    では、解決するためにどうするか?

    地縛霊化した後にあの世に戻るには、霊能力者の力を借りるしかありません。

    死後、一瞬だけあの世に行く扉が開きますが、一度閉じてしまうと自力で開けられなくなります

    霊能力者はゲーム内の出来事を解決できる、ゲームマスターみたいな存在だと思ってください

    そこで、ゲームマスターを自分のキャラがいる場所まで誰かに呼んできてもらい、助けてもらおうとします。

    ただ、他のプレイヤーにバグをバグと認識してもらわないといけないので、地縛霊化した魂は、色んな現象を起こして氣づいてもらおうとします。

    ちなみに、助けを求める相手は、子孫や生前に縁が深かった相手になります

    例えるなら、一度パーティーを組んで解散したはずなのに、なぜか存在しないプレイヤーとパーティーを組んでいる状態が続いていて、他に組みたいプレイヤーがいるのに、パーティーを組める人数が制限されていて組めないとか。

    あるいは、経験値が謎に吸われているとか。

    いずれにせよ、助けを求めている相手に迷惑をかけているわけですね

    これが、いわゆる霊障として顕在化しています。

    地縛霊化している魂たちは、ゲームのバグで困っていてゲーム内の他のプレイヤーたちに助けを求めているだけです

    別に、他のプレイヤーたちを恨んでいて困らせてやろうとは思っていないわけです

    ですから、地縛霊化している大切な故人がいるなら、すぐに救霊してあげましょう

    この記事を読んでいて、特定の故人のことが浮かんだとしたら、その方があなたに助けを求めているのかもしれませんね。

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  • 安心して終活を終えるために:亡くなった後のことも

    安心して終活を終えるために:亡くなった後のことも

    こんにちは! あの世とこの世合同会社の代表社員、中山彰仁です!

    終活という言葉を見かける機会が増えました。

    人生は突然終わりますので、生きている間に準備をしておくことはとても重要です。

    何らかの目標でも、期限を決めることでその期限に間に合わせようと動くため、達成する確率が少なからず上がると思います。

    同様に、死という期限を設定し、それまでにあなたの人生の目的を果たすことが、他の何においても最重要です。

    あなたは後何年生きられるでしょうか?

    残りの人生で、何を果たすことができ、何が不可能なのでしょうか?

    限られた時間の中で取捨選択する必要があるかもしれません。

    しかも、歳を重ねるごとに体力が落ちてきますので、目標によっては後回しにすると達成できなくなるものも出てきます。

    そうしたことも踏まえ、よく検討していただきたいです。

    死んだ後、お金も社会的地位も何もあの世に持っていくことはできません。

    それらを得ることやこの世の基準で目標を設定していても、最期の最後であなたは後悔するかもしれません。

    なぜなら、あなたが死ぬまでにやりたかったことと、あなたの人生の目的が一致するとは限らないからです。

    「逆に、例えば聖路加国際病院の元院長、日野原重明氏のように、未来日記を何年も先まで書いてやりたいことをたくさん持っていたりすると、それが執着になって地縛霊化してしまうこともある」
    『105歳まで生きたあの医師が! 未来日記を書くとは、生前はずいぶんと前向きな人物だったと思うのですが、そうした人物であっても、死ぬ瞬間にこの世に思いを残していると地縛霊化するのですね・・・』
    「さよう。やりたいことや目標をもつことは大事じゃが、それが執着にならないようにそなたも気をつけるのじゃぞ」

    『新千夜一夜物語第19話:2018年東海道新幹線殺傷事件と魂の属性』より

    ですから、お金だとか社会的地位といった現世利益はひとまず置いておいて、あなたの魂が喜ぶ体験をしていきましょう

    あの世に持っていけるのは、魂が記憶した体験だけです。

    そうは言っても、その時にならないと地縛霊化しているかはわかならいと思います。

    ですから、あなたが亡くなった後に、私にその旨が届くようにしてください。

    あなたの魂が地縛霊化していた場合、あの世に無事に戻れるように神事を依頼します。

    もしも私へ依頼せずに地縛霊化した場合、あなたもこの世の人々も不幸になります。

    あなたは苦しんだままこの世に留まり、霊的に頼りになりそうな子孫に助けをもとめて憑きます

    子孫がいない場合、生前に縁が深かった土地に憑くことになるでしょう。

    いずれにせよ、地縛霊化したあなたの魂が霊障となり、憑いた子孫や土地の関係者をトラブルに巻き込むことになります。

    後世に迷惑をかけないよう、安心して終活を終えられることを願うばかりです。

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  • お墓で幽霊が見かけられるのはなぜか?

    お墓で幽霊が見かけられるのはなぜか?

    こんにちは! あの世とこの世合同会社の代表社員、中山彰仁です!

    肝試しの定番スポットといえば、墓地です。

    なぜ、墓地や霊園が肝試しや心霊スポットとして挙げられやすいのでしょうか?

    地中に死体が埋まっているからでしょうか?

    もしそうだとしたら、おかしいですね。

    墓地や霊園は寺が管理していることがほとんどです。

    寺が管理していない山や森といった自然の中にある墓地でも、たまに坊主が派遣されているでしょう。

    坊主が死者をしっかり成仏してくれるなら、むしろ、坊主が管理している土地ほど、心霊現象とは縁遠いはずです。

    なんなら、たとえば、あなたのご両親か祖父母がお亡くなりになった時は、お葬式をしたと思います。

    そのお葬式であなたのご両親や祖父母は、坊主が成仏させているはずですので、あなたのご先祖が眠る墓石は霊と無関係なはずです。

    同様に、あなたの先祖の墓がある墓地や霊園にある、他の家族の墓石の下で眠っているご先祖も成仏しているはずです。

    ここまで読んで、墓地や霊園で幽霊を目撃することがおかしいとわかるでしょう。

    では、なぜ幽霊がみかけられるのでしょうか?

    その三つの理由を挙げていきます。

    一つ目は、寺や墓石や坊主とは関係なく、その土地に地縛霊がいるからです。

    基本的に、人間は亡くなった直後に分け御霊が肉体から離れ、あの世にいる魂の本体の元に帰還します。

    ところが、この世に何らかの未練があるとあの世に戻れなくなり、この世に留まることになってしまいます。

    子孫がいれば、子孫にあの世に戻してもらえるように助けを求めます。

    一方、子孫がいない場合、助けを求める人がいないため、生前に縁が深かった土地に留まることになります

    この、土地にかかっている霊を、優秀な霊媒体質を持つ人物が見かけてしまった。

    これが一つ目の理由です。

    二つ目は、墓石に宿った念や霊障です

    お墓参りをした人間が墓石に対して祈ったり、何らかの感情をむけたために、墓石に念が宿ります。

    墓石に故人の魂を入れるといったことをたまに耳にしますが、よくわからない言動をして坊主の念が込められているだけです。

    あの世に戻っている故人とは何ら関係ありません。

    故人の魂は墓石にはいません

    他にも、墓石を作ったり運搬する途中で関わった人間が、知ってか知らずか墓石に念を込めたケースも考えられます。

    困ったことに、念や霊障は磁石のように引き合うので、念が集まるほど、どんどん増幅していきます。

    土地にかかった地縛霊のような、故人が原因となっているのではなく、生きている人間の念が原因になっている可能性があります。

    最後は、坊主が霊能力を持っていないからです。

    霊能力には9段階あり、最上位の3段階を持つ人物でないと、基本的に地縛霊をあの世に戻すことはできません。

    しかも、霊能力は生まれつきですので、修行をしたからといって体得できるものではありません

    ですから、霊能力を持たない坊主が葬式をしようが、念仏を唱えようが、地縛霊は成仏できません。

    こうした三つの理由から、墓地や霊園で幽霊がよく見かけられます。

    もちろん、この話は、神主がいる神社や、神父が管理している教会や墓地でも同様です。

    もしもあなたの大切な故人にちゃんとあの世に戻ってもらいたいなら、霊能力を持つ人物に依頼しましょう。

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  • 墓参りをやめたら人生うまくいくwith返報性の原理

    墓参りをやめたら人生うまくいくwith返報性の原理

    こんにちは! あの世とこの世合同会社の代表社員、中山彰仁です!

    以前、困った時の(邪)神頼みという記事を書きました。

    邪神がダメなら、ご先祖様はどうか?

    ご先祖様は子孫を助けてくれるに違いない!

    そんな声が聞こえてきそうでした。

    墓参りをすると運気が上がるとか、墓参りをしないと先祖が怒って運気が下がるとか。

    そんな説があるそうです。

    まあ、そんなことをするのは邪神なのですが。

    要するに、墓参りをしてご先祖様のご機嫌を取るというのは、邪神にこびを売って邪神に人生を左右される状況を作ってしまうことに繋がります。

    なぜか。

    ”ゴセンゾサマ”という名前の、神様もどきである邪神を私たちが作ってしまっているからです。

    私たち一人一人に名前があるように、先祖にも一人一人名前があったはずです。

    そのお名前を知ろうともせず、とにかく助けてくれと言うのは、誰でもいいから助けてくれと言っているようなものです。

    そんな親戚がいても、助けないと思います。

    例えば宝くじが当たった後、お金をもらえると期待してあなたの所へ集まってくる親戚のことをあまり相手にしないでしょう。

    極端な言い方をすれば、SNSで「困っています。誰か助けてください」と素性を明かさない誰かが発信していても、あなたは無視するはずです。

    いやいや、中には心配して連絡してくる人もいます。

    そう思うかもしれません。

    ですが、見知らぬ困っている人に連絡をするのは、9割以上が見返りを求める詐欺師か、困った仲間を増やして安心したがる、無力な人間です。

    同様に、”ゴセンゾサマ”という邪神が困ったあなたの運気を上げるのは、霊的な代償を求めるためです。

    墓参りをして”ゴセンゾサマ”に願い事をすれば、人生がうまくいくと言っている人間は、まんまと引っかかっていると考えられます。

    そうしているほとんどの人間が、自分の先祖の名前を挙げることができないと思います。

    ご先祖一人一人のことなんてどうでもいいからです。

    それよりも、願いを叶え、運気を上げてくれる”ゴセンゾサマ”という邪神のことを信仰しているのでしょう。

    今は運気が上がっているのかもしれませんが、いずれ墓参りをする頻度が下がって運気が落ちる可能性があります。

    いや、そんなことはない。

    困った時に、亡くなったおじいちゃん/おばあちゃんが私のことを助けてくれた。

    そう言う人がいると思います。

    もちろん、その場合は邪神とは少し違います。

    ですが、返報性の法則で考えると、助けてくれたおじいちゃん/おばあちゃんに対し、あなたは助けなければならなくなります。

    助けてくれたおじいちゃん/おばあちゃんに対し、あなたは何をすべきでしょうか?

    おそらく、亡くなったおじいちゃん/おばあちゃんは地縛霊化していて、あなたに救霊して欲しいと願っています

    少しでも気になるあなたは、助けてくれたご先祖やおじいちゃん/おばあちゃんが地縛霊化していないか、確認してください。

    地縛霊化していなければ、無事にあの世に戻っています。

    墓石にはいません

    見えない存在に助けを求めず、自分の人生を自分で切り開いていきましょう

    確認は無料で承っておりますので、お氣軽にご連絡ください。

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  • 今は亡きあの人のためにできること

    今は亡きあの人のためにできること

    こんにちは! あの世とこの世合同会社の代表社員、中山彰仁です!

    先日、長くお世話になっているお客様の親族がお亡くなりになりました。

    そのお客様から訃報と同時に頂く連絡として、感慨深いものがありました。

    「無事にあの世に行けたか鑑定してもらえますか?」

    という一文です。

    生きている私たちが、家族だけでなく、大切な友人、ペットがこの世を去った時に願うことは、基本的にただ一つ。

    あの世で幸せに過ごしてほしい。

    こんな感じだと思います。

    ですから、私たちの願いが叶っているかどうかは、故人の魂が無事にあの世に戻れているか否かにかかっています。

    もし戻れていなければ、この世に留まって地縛霊化し、今もなお苦しんでいる可能性があります。

    よく、先祖の祟りだとか、先祖が怒っているという話を耳にします。

    実際はそうではありません。

    私たちの願いが、故人があの世で幸せに過ごすことであると同時に、故人もあの世に戻りたいと願っています

    生きている私たちと同様に、シンプルな願いです。

    そして、生きている子孫にその願いを叶えてほしい、助けてほしいとすがっています

    その結果として霊障が生じてしまい、私たちの運氣が塞がれ、本来なら体験する必要がない苦行を体験しています。

    地縛霊化していてあなたの運氣を下げる逆守護霊化しているなら、すぐに救ってあげて、本当の意味でのあなたの守護霊になっていただきましょう

    ちなみに、あの世は魂の本体がいる場所で、今回の人生を振り返って来世はどんな人生にするかを計画しています。

    そして、この世は魂磨きをする修行の場ですが、肉体がないあの世では基本的に幸せに過ごしていることでしょう

    ですが、故人の魂が地縛霊化していると、次の魂磨きの修行に進めません。

    さらに、いつまで経ってもこの世で苦しい思いをし続けます

    もしも今は亡きあの人が地縛霊化して苦しんでいるなら、すぐにでもあの世に戻ってもらいましょう。

    地縛霊化しているか否かを調べるのは、無料で承っています。

    地縛霊化していたら、ご神事を一度済ませるだけでじゅうぶんです。

    一度あの世に戻っていただけたら、今後は法事などの宗教的な儀式をする必要はありません。

    この記事を読んでいて今は亡きあの人のことが浮かんだなら、ひょっとしたら、あなた救いを求めているかもしれません。

    大切な人がこれ以上苦しまなくて済むよう、ぜひ、一度ご相談ください。

    お問合せは《こちら》から

  • 生臭坊主と葬式仏教①

    新千夜一夜物語第8話:生臭坊主と葬式仏教

    『くそ! やられた!』
    青年は激怒していた。

    祖父母はことあるごとにお経を口にし、信心深かった。当然、母方の曽祖父の葬儀は丁重に行われていたはずである。だが、母方の曽祖父は地縛霊化していた。
    葬儀にお金をかけたところで地縛霊化した先祖は救われなかったならば、自分でそれっぽい儀式をしてお経を読んでも同じことではないか。

    先日のお礼を兼ね、青年は陰陽師に会って質問することにした。

    『先日は血脈の先祖供養をしてくださり、ありがとうございました』

    深く頭を下げる青年。声がかすかに震えている。

    「それはいいが、今日はやけに荒れているようじゃな。何かあったかな?」

    声のトーンや表情から、青年の怒りを察した陰陽師が訊ねた。

    『話は他でもありません。葬式のことです』

    「で、葬式がどうかしたかな」

    『葬式代はどうしてあんなに高いのでしょうか? しかも、高い葬式代を支払ったのに、結局僕の母方の曽祖父は地縛霊化していましたし、あれじゃ何のために葬式をやったのかわけがわかりません』

    陰陽師はしばらく青年の瞳を見つめた後で、おもむろに口を開いた。

    「先日話したと思うが、霊能力がない坊主が仰々しく儀式を行なっても地縛霊は救われん。それでも、昨今の葬儀が主流となっているのにはそれなりの理由があるのじゃ」

    『どのような理由でしょうか?』

    「そなたは“檀家(だんか)制度”という言葉を知っておるか?」

    『言葉は知っていますが、どのような内容かはよくわかりません』

    ばつが悪そうに答える青年。陰陽師はかすかに笑って口を開いた。

    「“檀家制度”が始まったのは江戸時代のことになる。“寺請制度”とも呼ばれ、庶民が縁組、旅行、移転、就職する際には僧侶が発行する証明書(寺請け状)の発行を義務づけたのじゃ。今でいうところの戸籍係の任務を、幕府が寺に引き受けさせたわけじゃな」

    『どうしてまた、そんな面倒そうなことを? 日常生活における大事なことをする時には、その都度お寺の許可が必要ということですよね?』

    「江戸幕府も歴代の幕府同様、封建性を建前としていた。つまり各大名に、土地の所有権を認めていたわけじゃな。しかも江戸幕府の場合、直前に関ヶ原の戦いという、文字通り、天下分け目の戦争をおこない、負けた西軍の大名たちを日本の僻地に追いやったため、税金を徴収するための人口調査を幕府の役人に直接行わせるのを躊躇せざるを得なかったという事情があった。それにキリシタン問題も絡んでおった。豊臣秀吉によって発令されたキリシタン(バテレン)追放令を支持した徳川幕府は引き続きキリシタン弾圧を徹底するために、この“寺請制度”を利用したわけじゃな」

    『キリスト教を厄介払いにするためにお寺に区役所や市役所の役割を代行させたのはわかりますが、それと葬式代が高くなることに、どのような関係があるのでしょうか?』

    「おぬしは、村八分という言葉を知っておるかの」

    「はい」

    「では、その意味はどうじゃ」

    「いいえ、そこまでは」

    「当時、特に地方では、何か悪いことをするとその村に住めなくなり、村の外れの竹やぶなどに住まなければならなかったのじゃが、そんな一家でも二分、つまり子供が生まれた時と人が死んだときだけは、そのことを宗旨人別帳に記載してもらえたわけじゃ」

    「なるほど、それで村八分なわけなのですね」

    納得顔で頷く青年に、陰陽師は続けた。

    「しかもじゃ、 “檀家制度”によって庶民は僧侶の許可がなければ縁組や就職といった日々の重要な活動ができなくなってしまうだけではなく、現代では想像もつかないくらいの上下関係ができてしまった。その結果、庶民は僧侶からの要求を受け入れざるを得なくなってしまったわけじゃ」

    『なるほど、だから、僧侶が決めた葬儀代が高くてもその金額で依頼するほかなかったと。人は必ず死にますし・・・』

    陰陽師は首肯すると、言葉を続けた。

    「大乗仏教といえども今まで托鉢で生計を立てていた僧侶が突然固定客を獲得し、しかも独占事業となったわけじゃ。よほど修行を積んだ僧侶でない限り、欲望が大きくなっていってもそれはそれでしかたないことじゃったのであろう。好き放題できるようになったことで、儀式そのものの種類を増やしていき、檀家から様々な名目でお布施を受け取れるようにしていったわけじゃ。現代でもよく広告・宣伝している先祖供養もふくめ、次々と儀式が拡大していったのはそういった経緯があるのじゃよ」

    『僧侶ということは、先生の鑑定結果でいうところの“1:先導者”階級なのかと思いましたが、僧侶であっても欲望に負けてしまうのでしょうか?』

    「以前にも話したように、宗教の開祖となる人物の魂の階級はほとんどが1なのじゃが、その弟子である2世以降は基本的に“3:ビジネスマン”階級となる(キリスト教等含め、開祖以外の歴代のほぼすべての坊主は2(8)-3)。それに、中国語で書かれたお経を丸暗記するという能力も、“3:ビジネスマン”階級の専売特許のようなものじゃしな」

    『以前に魂の階級と仕事について話してくださったのは、このことだったのですね・・・』

    「そういうことじゃ。信者にはいろんな階級の人が集まってくる。そして、宗教を存続させるためにはお金がどうしても必要じゃ。そうなると、難しい教義を次々と生み出し、お金や人望を集めるのが得意な魂3の人間が実権を握るのは止むを得ない」

    『霊能力がない人が儀式の形だけマネをしているわけですね。魂1で霊能力持ちの人物は稀少でしょうし・・・』

    「既存・新興宗教の信者に限らず、宗教で救われない人が多数存在することには、そういった事情があるとも言えよう」

    『ひょっとして、お彼岸やお盆なども僧侶たちによって作られたのでしょうか?』

    「そういった年忌・命日法要や参拝も、檀家の義務だと僧侶に言われて慣習化されてしまったわけじゃ。ちなみに一つ例を挙げるとすれば、“三十三回忌”なども神道における他界観がベースであって、仏教本来の思想ではない」

    『え! そうなんですか?!』

    「柳田國男という民俗学者の“祖霊の山上昇神説”があってな。神道では死んだ直後の霊を“死霊”=ホトケと呼んでいる。ホトケには個性があり、死穢を持っているとされる。子孫がこのホトケを祀ることによってホトケは段々と個性を失い、死穢が取れて浄化されていく。そして、一定の年月が過ぎ、ホトケが完全に浄化されると“祖霊”となり、この“祖霊”のことを“和御霊”あるいは“カミ”と呼ぶ」

    未知の話に対し、青年はただ頷くばかりである。質問がなさそうなことを確認し、陰陽師は続ける。

    「死者の霊がホトケの段階では山の低いところにおり、そのホトケが昇華・浄化されるにつれて山の高いところに昇っていく。こうして死者の霊が少しずつ穢れや悲しみから離れ、清い和やかな神となっていき、その神がさらに昇華されることによって、“祖先神(祖神)”となると言われておる。そして、祖神になるまでの期間が三十三年と考えられておるのじゃ」

    『今までお盆やお墓参りなどをとても大事にしていたのですが、お話を聞いているうちに、なんだか墓参りをするのが馬鹿らしくなってきました』

    青年は顔を上げ、大きくため息を吐いた。

    『ふと思ったのですが、それは人民救済を説く大乗仏教だからであって、小乗仏教のお寺は違うのではありませんか? 小乗仏教は自らが悟りを開くことを主な目的にしていたと認識していましたので、死者のことを考える暇があるなら目の前の出来事に集中せよと説いていそうですが』

    「そもそも臨終に際して、ブッダは弟子たちに葬式自体を行うことを禁じたわけじゃから」

    『え、そうなんですか』

    「それだけじゃない。ブッダは自らを模した偶像などを作ることも、厳しく禁じたんじゃ」

    『しかし、中国や日本の大乗仏教のお寺に仏像(ブッダの像ではない)があるのはまだしも、タイやカンボジアやインドネシアにも仏像がありますが』

    「うむ、そのあたりが教祖のそもそもの教えが年を経るごとに変質してしまう証拠みたいなものじゃな」

    『なるほど』

    「ところで、大乗仏教の中でもっとも小乗仏教に近いといわれているのは禅宗なんじゃが、そなたは“生臭坊主”という言葉を知っておるかの?」

    『よく聞きますね。僧侶に対する蔑称だと思っています』

    「実は、“生臭坊主”は“ノウマクサンマンダー・バサラダン・・・“という真言の”ノウマクサ“をその語源としているのじゃよ」

    『そうだったのですね! 知らなかったです! 生臭いことを何かのたとえに使っているのかと思っていました』

    「語源を知らない人は、そなたのようになんとなく蔑称だと思っているじゃろうな。それはそれとして、京都では禅宗の二大流派の片割れである臨済宗の坊主が“白足袋様”と今でも呼ばれておるが、その由来を知っておるか?」

    青年は首を左右に振って応える。

    (続く)

     

  • 霊脈と血脈

    新千夜一夜物語第6話:霊脈と血脈

    青年は困っていた。神事は全て済んだはずであるのになんだかんだ障害があり、絶好調とは言いがたかったからである。いずれにしても一人で考えていても答えが出ないと思い、陰陽師を訪問することにした。

     

    『すみません。先祖霊とチャクラと天命運の神事を全て終えたのに、まだ何か残っている感じがするんです」

    陰陽師に会うなり、そう青年は切り出した。

    「持病の腎臓かわかりませんが、原因不明の腰痛が続いているのですが・・・』

    「それは辛そうじゃな。どれ、鑑定してみよう」

     目を閉じて指を小刻みに動かし、鑑定を始める陰陽師。そんな陰陽師を青年は固唾を飲んで見守った。やがて陰陽師が口を開いた。

    「どうやらそなたの母方の曽祖父が地縛霊化しておるようじゃな。そしてそれがそなたの腰に影響を与えている」

    『でも先祖霊の神事で、僕に憑いていたご先祖様は全員救霊されたのではなかったんですか?』

    「霊脈の先祖という意味ではたしかにそうじゃ」

    「霊脈の先祖でしょうか」

    「そうじゃ。一口に先祖と言っても、子孫に受け継がれる先祖には、血脈と霊脈の二つがある」   

    『血脈は両親から受け継いだ体だと思いますが、もうひとつの霊脈は別なのですか?』

    「そうじゃ」

    陰陽師が小さく頷く。

    「ところで、そなたは何人兄弟かの?」

    『4人兄弟です。姉が二人と兄が一人います』

    「説明するのにちょうどいい人数じゃな。家族の名前を教えてくれんか?」

     青年は簡単な家系図を書き、両親と兄弟の名前を伝えた。

    「そなたの家族の魂の階級は“3:ビジネスマン”と“4:ブルーカラー”の二つに別れておる」

    『えっ、両親なのに、魂の階級が異なるなどということがあるんですか?』

    「そうじゃ。例えば、父親の魂の階級が“3:ビジネスマン”で、母親の魂の階級が“4:ブルーカラー”である場合、血液型のように3と4の魂の子供が生まれてくる可能性が極めて高い」

    『そうなのですね…。我が家の場合、両親が3と4なのでしょうか?』

    「そなたの家族は少し特殊じゃな。そなたの姉一人を除いて5人が“3:ビジネスマン”階級となる」

    『両親が二人とも階級が3なのに、姉は4なのですね。不思議です』

    「隔世遺伝という言葉があるように、霊脈にも隔世遺伝が存在する。つまり、そなたの祖父母か曽祖父母に階級が4の人がいたわけじゃな」

    『そういうことでしたか。つまり、僕に地縛霊化して憑いている母方の曽祖父は、霊脈ではなく、血脈の方なのですね』

    「そういうことじゃ」

    『母方の曽祖父が血統つまり僕の霊脈でないということは、唯一階級が4である姉の霊脈になり、本来は姉に憑くはずでは?』

    「それはじゃな、“霊媒体質”の強さが関係してくるので一概には断定できん。霊媒体質は先日話した“霊感”とほぼ同義と思っていい。確かにそなたの母方の曽祖父はそなたの姉の霊脈なのじゃが、姉よりもそなたの方が“霊媒体質”が強い場合にはそなたにかかることになる」

    『“霊媒体質”が強いと地縛霊が寄ってくるし、いつの間にか他者の念を拾って心身が不調になったりするのであれば、それは長所というよりも短所なんじゃないかと思えてきてしまいますが』

    「そう捉えることもできるが、ものは考えようということもできる」

    「そうでしょうか。たとえばどのような?」

    「そうじゃな、たとえば虫の知らせのように、よくないことを事前に感じ取って回避しやすいというメリットもある」

    『おっしゃる通り。一長一短とは正にこのことですね』

    青年は納得顔で頷いた。

    「それにじゃ。そなたに“霊媒体質”があるおかげで地縛霊化した先祖はそなたを通じてワシと縁が持て、その結果あの世に帰還できるわけじゃが仮にそなたの母方の曽祖父が地縛霊化したとして、子孫の全員が魂の属性が7すなわち“霊媒体質”でなかったらどうなると思う?」

    「さあ、どうなってしまうのでしょうか?」

    「直近の家族に魂の属性3の人間がいない場合どうなってしまうか以前説明したのじゃが、覚えておるかな?」

    『たしか、かかる子孫がいない場合、縁がある土地に憑いてしまうんでしたよね。ということは、この広い地球上で“カミゴト”ができる霊能力者がその土地を訪れる機会なんてほとんどないわけですから、よほど運がよくなければその先祖はほぼ永久に地縛霊のままなのですね…』

    「また、そういうことになるな。魂の属性が7の人物が魂の属性が3の人物と結婚し、魂の属性が3の子孫が産まれてようやくかかることができるわけじゃが、その場合、一斉に地縛霊化した先祖たちがその子孫に集まってくることになるので、その子孫が受ける霊障は必然的にきついものとなってしまう」

    『魂の属性が3の子孫が現れるのが後の世代になる分、各世代分のご先祖様が押し寄せてくるわけなのですね』

    「そのとおりじゃ。そなたのような“霊媒体質”持ちの人にとっては迷惑かもしれんが、地縛霊の立場から考えれば、こうしてワシの所にきて救霊する機会を与えてくれるそなたは、正に千載一遇の恩人というとこになるわけじゃ」

    『そうなのですね。自覚はありませんが、いずれにしてもご先祖様のためになっているのであれば、それはそれで嬉しいです』

    「同じ両親から産まれた子なのに性格などが兄弟で全然違う、というのは血統が同じでも霊脈がそれぞれ異なるからなのじゃよ」

    『我が家では姉だけが浮いているのがこれで納得できた気がします。では、地縛霊化している母方の曽祖父の救霊をお願いできますか?』

    「あいわかった。神事が終わったらすぐに連絡しよう」

     青年は深々と頭を下げ、退室した。胸が熱くなり、涙が溢れそうになったのは母方の曽祖父への想いからだろうか。

     

     

  • 除霊と救霊

    新千夜一夜物語第3話:除霊と救霊

    その日、青年は陰陽師を前にうつむいたまま黙っていた。

    というのも、青年は過去に霊能力を持っている人物の世話になったことがあり、その時にお祓いは済んでいたはずだからである。それなのに、陰陽師は霊障があると断言するのだ。
     陰陽師は青年の想いを察してか、彼が切り出すのを黙って待っていた。

    『じつはですね。先生にはとても申し上げにくいことなんですが…』

    青年が切り出した。

    「どうしたんじゃ? 何でも言ってくれて構わんぞ」

    『実は僕、過去に霊能力者に弟子入りしていたことがありまして、その時にお祓いを受けているんですよ。だから、昨日先生が僕に霊障があるというのは違うのではないかって』

    「なるほどのお。そなたは世話になった霊能力者とやらの言葉を今でも信じておるわけじゃな」

    『先生を疑っているつもりはないんです。ただ、僕にまだ霊障があるとするなら、過去に受けたお祓いは何だったのだろうと思って。よくわからなくなってしまったんです』

    いつもと変わらず、穏やかな表情のまま紙を差し出す陰陽師。何を言われても動じない不動の心を持っているかのようだ。

    『この紙は何ですか? 数字がいくつも書いてあって難しそうですが』

    「そなたの鑑定結果じゃ。昨日、名前(ふりがな)と職業を書いてくれたじゃろう」

    『ああ、そうでしたね』

    「それでな、“現世属性”の個所を見てみるがいい」

    “現世属性:7(5)―7(5)(−2)”

    『この、7(5)―7(5)(―2)の部分ですか? これはどういう意味ですか?』

    「7(5)―7(5)はまた別の機会に説明するとして、今日は最後の(―2)のところについて説明しよう」

    青年は眉をひそめながら紙をじっと見つめている。どうやら数字を見ると頭が痛くなるようだ。

    「その数字は当人が霊感持ちか霊能力持ちかを表しておると同時に、それらの強さを表しておるんじゃ。簡単に説明すると、(―*)は霊感持ちで、(±*)は霊能力持ちということになる。また、数字は1から9まであり、1が最も強い」

    『ということは、僕は(−2)なので霊感持ちで、上から2番目に強いということでしょうか? そんなに霊感が強いとは思わないのですが…』

    「しかし、数字を見る限りはそういうことになる。また、霊感は視覚的に見えるか見えないかで考えられがちじゃが、通常の視覚では見えない存在を何らかの形で感じる度合いを指していると理解するとわかりやすい」

    『言われてみれば、霊能者のお世話になった時に霊体は見えなかったけれど、あの辺に何かいそうというのは何となくわかった気がします』

    「そう言うことじゃ。それに対して、霊能力者とは霊の存在を感知できると同時に、霊に対して何らかの解決策を取れる存在を指す」

    *この文章では、あの世に帰り損ねた人物・生き物を輪廻転生のメカニズムに戻すこと、あるいは有害な霊障を無効化することを主に指します。

    『でも、両者の違いはどうしたらわかるのでしょうか?』

    「例えば、霊能力者を名乗る人物にお祓いを依頼したとして、根本的な問題を解決できないとすれば、その人物は霊能力持ちではなく、単なる霊感持ちということになる」

    視点が固定したまま黙る青年。イマイチ言われたことがわかっていないようだ。

    「簡単に言うと、霊感持ちは感じることはできても祓うことはできない。わかりやすく言うなら除霊しているだけじゃ。霊を移動しているだけで霊自体はこの世に留まったままなんじゃ」

    『そういえば、霊能力者の元で修行の際、除霊をしまくっていました。当時は浄霊と呼んでいて、先生がいう救霊と同じことをしていると思っていました』

    「なるほど。しかし、それはまずかったのお…」

    『え?! 何かまずかったのですか?』

    「霊能力がないそなたの役目ではないことを修行するとは…。基本的に本物の救霊、ここでは“カミゴト”と呼ぼう。それに携われる人間は鑑定結果にもはっきりとその能力が表れているんじゃ。霊能力を持っている人間は()の数値が(±*)となっている。ただし、“17.天啓/憑依”の霊障があるといった、まず自分のことを自分で祓えていない人間は基本的にアウトじゃ。他人のみならず自分のことを祓える人間は(±1~3)であるため、神事を受けずにカミゴトに携われる人間は非常に少ない。また、例外的に魂3の人間もいるにはいるが、基本的にカミゴトに携わる人間は基本属性の魂の階級が“1:先導者”ということになる」

    『何だか新たな言葉と数字が出てきて頭がこんがらがりそうです』

    「すまん、すまん。魂の属性と階級はまた別の日に解説するとしよう」

    『わかりました。で、続きをお願いします』

    「そして何より、除霊という行為は霊的にみると根本的な解決にはなっていない。そこにいた霊をそなたの都合でどかしただけで、霊たちは救われているわけではないのじゃよ。それどころか、そなたが余計な影響を及ぼしたことで、霊たちはそなたに救ってもらえるかもと期待を持ってしまうわけじゃが、実際に霊能力を持たないそなたは、残念ながら霊たちの要求に応えることはできなかったわけじゃな」

    『それにしても、僕がどかした霊たちはどうなったのでしょう?』

    「おそらく、一時的のどこかへ行っていたとしても、時間が経てば元の場所に戻るじゃろうな。あるいは…」

    『あるいは…?』

    「そなたが何とかしてくれるかもしれないと、すがる思いでそなたに未だに憑いているかもしれん」

    『げ…』

    青年は慌てて周りを見渡し始めた。そんな青年を面白そうに眺めながら、陰陽師が口を開いた。

    「ところで、そういった地縛霊を連れていると、どうなると思う?」

    『昨日の話を聞く限り、少なくともいいことではないと思います…』

    またあたりを見回しながら、青年は答えた。

    「そういうことじゃ。じゃから、霊感持ちの人間はむやみに心霊スポットと呼ばれる場所などには近寄らず、ホラー系の映像や怪談にも接触しない方がいいというわけじゃな」

    『しかし、ご先祖様以外の地縛霊を連れて来てしまうと、具体的にどうなるのですか?』

    「それらに取り憑かれると、そなたの心身の弱っている部分、あるいは体の“弱い部分”の痛みが増幅してみたりする。そして一番やっかいなのが、そなたが気づかないようにそなたの運気そのものが下がってしまうということじゃな」

    『げ! 良かれと思ってやったことが、むしろ僕自身にダメージを与えていたということですか?』

    「そなただけじゃなくてそなたが連れて来た魂にもじゃし、そなたの周りの人々にもじゃ」

    『成仏できない魂たちはわかりますが、どうして周りの人々にも悪影響が及んでしまうのでしょう?』

    「それはじゃな、簡単に言うと雑霊には人を介して移動していく性質もあるからじゃ。そなたが誰かとすれ違ったりするだけで、相手に移ることもあるし、お前が拾うこともある。そして、成仏できない時間が長くなるにつれ、雑霊の影響力は増えていく」

    『じゃあ、どうしたらいいんですか?』

    「結局のところはお祓いをする人間に”霊能力”があるかどうか、が重要となる。お祓いの作法うんぬんよりも、お祓いをする神主や坊主に”霊能力”があれば効果はあるし、なければいうまでもなく効果はまったくない」

    『ということは霊能力持ちの神主や坊主にやってもらえるかどうかはわからないので、一種のギャンブルみたいなものなのですね…』

    「まあ、そういうことじゃな。それにじゃ、”霊能力”があればいいというわけでもない。さきほど言った通り、魂3という少数の例外を除けば、救霊できる人間は基本的に“1.先導者”階級で(±1~3)に限られておる」

    『なるほどです。ちなみに、僕の当時の師匠は違うのでしょうか?』

    陰陽師は目をつぶって黙った。何かに集中しているようである。

    「今鑑定してみたところ、そなたの元師匠は“4.ブルーカラー”階級で(―1)の霊感持ちじゃな」

    『もうわかったんですか?! 名前も伝えていないのに』

    「そうじゃな。厳密に言うと、たとえば友人の友人の奥さん御母親といった具合に、名前がわからなくとも依頼者から連なる一連の人間関係がわかればそれでも問題はないといえばないのじゃがな」

    『霊感持ちだったということは、当時の師匠が僕にしてくれたお祓いは根本的な解決ではなかったと…。そして、先生がおっしゃる通り、僕には地縛霊化しているご先祖様の霊障があるということなのですね…。疑ってすみませんでした…』

    「いいんじゃよ。さて、霊障があることをわかってもらえたところで、そなたにどんな霊障があるか解説するかの」

    『よろしくお願いします』

    「そなたの場合、特に2、12、13、14、17じゃな」

    『その数字だと、仕事の問題、読心・暴力衝動、予知・口撃衝動、偶発的人的トラブル、天啓ですか』

    「どうじゃな、思い当たる節はあるかの?」

    『まさに、いろいろと仕事をしましたがどれもうまくいかず、人間関係もよくありませんでしたし…。都合のいいように思い込んだり勘違いをして、望んでいない方向に人生が進んでいたと思います』

    「そうか。それは大変じゃったな…」

    『先生のお祓いを受ければ、地縛霊化して苦しんでいるご先祖様が無事にあの世に帰還できて、僕の問題も解消されるのですよね?』

    「まあ、そういうことになる。また、霊障がなくなった暁には、そなたの身に起きる出来事はそなたの責任となる。いっそう励んで生きるのじゃぞ」

    『はい! ご先祖様のこと、よろしくお願いいたします!』

    まるで憑き物が取れたかのように、帰路につく青年の足取りは軽かった。

     

     

  • 先祖霊と守護霊

    新千夜一夜物語第2話:先祖霊と守護霊

    青年は再び陰陽師の自宅を訪ねていた。

    怪しいと思いながらも、陰陽師の言葉には重みがあり、嘘や狂言だとはどうしても思えなかった。きっと、今の自分に必要な話だと心のどこかで理解していたのかもしれない。

    「よく来たのお。今日は地縛霊が親族の子孫に取り憑いた場合にどうなるか? について話そう」

    『よろしくお願いします』

    小さく頭を下げる青年に、陰陽師は話し始めた。

    「取り憑かれた親族は、先祖霊の霊障として次の17個の障害がもたらされると考えるといい」

    『え、霊障って17個もあるんですか? それって、どんな障害なんですか?』

    「1.金銭の問題
    2.仕事運の問題
    3.精神の問題
    4.病気の問題
    5.事故・事件
    6.家庭の問題
    7.親子の問題
    8.異性の問題
    9.子宝の問題
    10.伴侶との軋轢
    11.親族との軋轢
    12.読心・暴力衝動。諸事に支障(物)
    13.予知・口撃衝動。諸事に支障(人)
    14.偶発的人的トラブル
    15.慢性的な痛みもしくは原因不明の危険な発作
    16. 輪廻転生のメカニズムへの帰還失敗(対象は故人のみ)
    17.天啓/憑依じゃ」

    『一口に霊障と言いますが、こんなにもたくさんの種類があるんですね…。ちなみに、取り憑かれた子孫は全部の霊障を受けているんですか?』

    「平たくいうとそういうことになる。ただし、人によって強い影響を受けている霊障が異なるのじゃ。もちろん、16は故人を対象としているから除外されるがな」

    『16は亡くなった人が地縛霊化しているかどうかを判断する要素ということなのですね』

    「その通りじゃ」

    『ひょっとして、僕の人生がうまくいっていない原因に、ご先祖様の誰かが子孫である僕に取り憑いているというのが理由だったりしますか?』

    「それは鑑定すれば、すぐにわかるぞ」

    『・・・それでは、鑑定をお願いしてもいいですか?』

    青年は紙に名前と生年月日と出生地を書き、陰陽師に渡した。

    『わざわざ生年月日と出生地まで書いてくれてありがとう。じゃがな、ワシは名前、特にふりがながわかればその人物の素性を鑑定できるのじゃよ』

    「え、名前の音だけでいいんですか?」

    「そうじゃ。”音”には音霊という大きなエネルギーが込められておると同時に、名前というのはその人物を最も表していることから、鑑定には名前の音だけで十分なのじゃよ」

    『なるほど、それはすごいです! 名前そのものに意味があるのではなく、ふりがなを頼りにその人物の情報にアクセスするような感じでしょうか?』

    「まあ、そういうことじゃ」

    『ちなみに、同姓同名の人の場合はどうするんですか?』

    「同姓同名の人物から鑑定の依頼があった時は、職業であったり、依頼者との関係を聞いておる。もっともそれは当人をより正確に特定するためのサポートみたいな役割としてじゃがな」

    『名前が読めない外国人の場合はどうするんですか? 音を読み間違えて伝えてしまいそうです』

    「厳密に言うと、たとえば友人の友人の奥さん御母親といった具合に、名前がわからなくとも依頼者から連なる一連の人間関係がわかればそれでも問題はないということになる」

    目を見開き、黙ったまま固まる青年。どうやら彼の理解の範疇を超えた話だったようである。

    「難しい話はさておき、結論としては名前がわからなくても問題ないということじゃな」

    『・・・理由はよくわかりませんが、ともかくすごいですね・・・』

    「今は話を先に進めるために詳しくは後日伝えるが、残念ながらそなたにも先祖霊の霊障が憑いておるな」

    『やっぱり、そうですか。・・・といいますか、どうせ取り憑くなら守護霊のように僕のことを守ってくれたり幸運をもたらしてくれたらいいのですが。迷惑な先祖ですね!』

    先祖のことよりも、自分の不利益に敏感な青年。死人に鞭打つとはこのことであろう。

    「そうはいっても、原因が家系の因縁じゃからのお。言い方を変えれば、そなたの
    人生がうまくいってなかったのは、そなただけのせいではないということじゃ」

    『どうして僕だけの原因ではないのでしょう?』

    「それはね、この霊障というのは、家系の因縁とも言われておるからじゃ」

    『家系ですか…』

    「その通り。人間がこの世に生を受ける際、当然父方母方の先祖の肉体的なバトンタッチが必要なわけじゃが、彼ら・彼女らの中には無事にあの世に帰還した者もいれば、この世への強い執着や未練を残して成仏できず、地縛霊化している者もおる」

    『それって大丈夫なんですか?』

    「もちろん、地縛霊化している先祖霊は苦しい思いをしている。それで子孫に救ってもらいたくてメッセージを送ってくることもあるんじゃ」

    『危ない場面で助けてくれたりとか?』

    「いや、残念ながらその逆で、それによって危ない場面が引き起こされることがあると思ってもいい」

    『ええ?! 先祖霊って我々を守護している存在なんじゃないんですか?』

    「いや、違う。そもそも守護しているのなら、そんな状況には陥らないはずじゃろう。危険な目にあうどころか、万事が順調に進むじゃろうて」

    『言われてみれば確かに…』

    「霊障を受けている人間は、見えない世界に興味を持つ者がほとんどじゃ」

    『でもそれって、世間ではそういうブームだからなのでは?』

    「もちろんそれもあるが、それでもスピリチュアルや見えない世界にまったくといっていいほど興味を持たない人間も世間には大勢おる。人数としてはそちらの人間の方がはるかに多い。逆に、それらの事象に興味を持つということは、ご先祖が子孫に霊障に気づき、解消してもらいたくて影響を与えているということもできるじゃろう」

    『ということは、唯物論者というか、現実主義というか、この手の話に全く興味がない人には霊障がないのですね?』

    「簡単に言うと、そういうことになる。霊障がある人間とない人間の比率は、おおよそ三七で、霊障のある人間の方が絶対的に少数派ということになるわけじゃ」

    『ということは、霊障がない人は人生で成功しやすかったりしますか?』

    「少なくとも、17種類の霊障による被害はないからの。そうと言えばそうとも言える」

    『なるほど、そうなんですか…。だとすれば、霊障がない人が羨ましいです』

    「まあまあ、そう言うでない。見えない世界を理解できないということは、見えない世界を楽しめないということでもあるんじゃよ」

    『なるほど。ちなみに、霊障はどうして起きるんですか?』

    「例えば、稲荷神社を熱心に拝んでいると、死後に”17憑依”(特に狐)の影響を受ける可能性が極めて高い。本物の神は人間一人一人の私利私欲に満ちた願い事などいちいち聞きはせん。そのような願い事を聞くのは、神ではなくその使い走りの眷属たちと決まっておる。奴らのやっかいなところは願いを叶える代わりに必ず代償を要求することじゃ。奴らがその代償として何を要求してくるとしても結果的に良いことと悪いことが同じくらいの程度で起こると考えておいた方がよい」

    『御利益の代わりにそのしっぺ返しで苦しみたくないので、もうお参りもお願い事もしないようにします』

    「それはそなたの自由じゃが、いずれにしてもそれは賢明な判断だと思うぞ」

    『ちなみにですが、どうしたら地縛霊化しているご先祖様を救うことができるんですか? 僕にも霊障があるということは、亡くなってから今もずっと苦しんでいる人? 魂? がいるんですよね?』

    「今もなお苦しんでいる先祖霊は、神事の一つである“先祖霊の奉納救霊祀り“によって救霊することができる」

    『あ、そうですか! やっぱりそういうことになりますよね! ちょっと用事を思い出したので今日はこれで失礼します!』

    慌てて逃げるように退室する青年。本当に用事があるのかはあやしい様子であった。