投稿者: あの世とこの世合同会社

  • お坊さんのいない法事

    5万円の神事によって、一度で確実にご先祖さまに成仏していただけます。

    ・毎年のお盆や年忌法要に意味を感じない。
    ・お坊さんの仏事に対して疑問を感じている。
    ・ご先祖さまがちゃんと成仏できているか心配。

    そう思っているあなたにお伝えしたいことがあります。
    実は、当ウェブサイト経由でご依頼いただく先祖供養を一度行うだけで、ご先祖さまは確実にあの世に戻れます。
    無事にあの世に戻ることで、その後の五十回忌までに渡る法事や法要、毎年のお盆の先祖供養をする必要はなくなります。

    ただし、上記のことは、あくまで霊的な観点から述べたことであって、法事や法要そのものが不要だと主張しているわけではないこと、ご理解いただけたら幸いです。

    例えば、お盆には家族が顔を合わせ、ご先祖さまのことを思い出すという意味合いがありますし、盆踊りや精霊流しといった、お祭りのようなイベントもありますので、そうした楽しみを体験することは重要だと私は考えます。
    ですが、

    ・ご先祖さまに祟られたくないから…
    ・やらないとバチが当たりそうだから…
    ・毎年やることが義務だと思っているから…

    といった消極的な理由で法事を依頼しているあなたにとって、必ずしも、法事や法要をしなくてもいい、ということが伝わったら幸いです。
    リモートで行うため、何かを用意していただく必要はありません。

    先祖供養を検討している方はコチラからお問合せください。

    一度の先祖供養で十分な理由 

    私たちが先祖供養を依頼する主な動機は、

    ・良いことをして徳を積みたい
    ・ご先祖さまに成仏してもらいたい
    ・ご先祖さまにあの世で幸せになってほしい

    といったところでしょうか。

    あの世、極楽浄土、天国などなど、言葉は異なりますが、要は、ご先祖さまが死後に幸せならいいわけです。
    逆に、ご先祖さまが死後、不幸になっているのはどんな状況でしょうか。

    成仏できていない、あの世に行けていない、地獄に落ちているといった状況でしょう。

    つまり、死後に行くべき場所に行けているかどうかが重要となります。

    一説によると、人が死後、魂が肉体から離れた直後、あの世に通じる扉が開かれます。
    この扉はすぐに閉じてしまうので、亡くなったらそのまま、その扉を通ればあの世に戻れます。

    あの世に戻った魂は、この世で換算すると28年間をあの世で過ごします。
    生前を振り返り、来世にどのような課題を果たすかを決めると言われています。

    しかしながら、死後、この世になんらかの未練があり、扉を通らなかった場合、この扉は閉じてしまいます。
    しかも、一度閉じてしまった扉を自力で開けることはできないそうです。
    そうなってしまうと、そのご先祖さまはこの世をさまよう地縛霊となってしまいます。

    そうして地縛霊化してしまったご先祖さまにあの世に戻っていただくには、
    強い霊能力を持つ“霊能力者/陰陽師”に依頼するしかありません

    ですから、真にご先祖さまが成仏し、無事にあの世に戻ってもらいたい方は、一度ご相談いただけたら幸いです。
    リモートで行うため、何かを用意していただく必要はありません。

    先祖供養を検討している方はコチラからお問合せください。

    儀式そのものに霊的な意味はない

    あえてハッキリと書いてしまいますが、
    法事・法要そのものに、霊的な意味はありません。

    その理由は、先ほど述べたように、
    大事なのは、霊能力を持っている人物に依頼するかどうか。
    だからです。
    ※仏陀、キリスト、安倍晴明、モーゼといった偉人レベルの霊能力が必要です。

    しかも、霊能力の強さは生涯変わりません。
    仏教のとある宗派では厳しい修行に取り組んでいますが、修行の内容や期間と霊能力の強さは関係がありません。

    そして、修行を経て霊能力を得られるなら、修行したであろう坊主が管理している墓地で幽霊を見かけることはないはずです。

    つまり、成仏させられない坊主が何年修行をして、何度先祖供養をしても、あなたのご先祖さまは成仏しません。

    確かに、強い霊能力を持つ坊主がごく稀にいるかもしれません。
    ただ、そんな坊主がどこにいるか、ほとんどの人は知ることができません。
    探すにしても、一度に何万円もかかる先祖供養を何度も依頼することは、あまりお勧めできません。
    余談ですが、

    法事・法要の相場は一回1万円〜5万円
    一周忌〜五十回忌までに10回としますと、10〜50万円

    かかります。
    ところが、ご先祖さまは、一度でもあの世に戻れればそれで十分なのです。

    ですから、5万円の神事を一度だけご依頼いただき、ご先祖さまに無事にあの世にお戻りいただくことが、
    子孫である私たちがご先祖さまにできる、必要最低限の孝行となります。
    ※続柄とお名前がわかる方のみ、対象となります。

    お盆も法事も、家族が久しぶりに顔を合わせる機会であり、ご先祖さまを思い出すきっかけとしても大事な用事だと考えております。
    ただ、ここまで読んでくださったあなたにとって、
    もっとも望ましい先祖供養の仕方を模索していただけたら幸いです

    ご先祖さまが無事にあの世にお戻りになった後、私たちはどうすればいいのでしょうか。
    答えはそんなに難しくありません。
    あなたがこの世に産まれてきた意味を果たすべく、目の前のことに全力で向き合い、悔いのない日々を過ごしてください。
    そうすれば、あなたがこの世を去る時に地縛霊化することはなく、無事にあの世に戻れるはずです。

    ”出逢いは必然”。
    つまり、この”出逢い”には、人同士に限らず、このランディングページと、今こうして訪れているあなたとの”出逢い”も必然のようです。

    ひょっとしたら、地縛霊化しているあなたのご先祖さまや、あなたの大切なご友人やペットがあなたに救いを求めて、このランディングページに導いてくださったかもしれません。
    少しでもご先祖さまや故人やペットのことが気になりましたら、ぜひ、ご相談ください。
    ご相談は無料にて承ります。
    リモートで行うため、何かを用意していただく必要はありません。

    先祖供養を検討している方はコチラからお問合せください。

    お客様の声

    ◎旦那親族のご先祖さまの先祖供養を依頼したのですが、今朝背中側からとてつもない清涼感とあたたかい感謝の気持ちが一気に溢れてきました。ほぼ同じタイミングで、御社から”神事がつつがなく完了しました”との連絡がありました。(30代女性)
    ◎これまで、自分ができることに全力で取り組んだものの、仕事も人間関係もうまくいきませんでした。きっと、自分は呪われていたり、何かが憑いていると思いました。そこで、神社やお寺での神頼みやお祓いやお墓参りなどを受け、さらに陰陽師や霊媒師や気功師と名乗る人物に教えを請うていろんなものを受けましたが、改善しませんでした。今となっては仕事もうまくいき、お互いに結婚を考えている女性とも出会え、今までの頑張りの報われなさは何だったのか、不思議でしょうがないです。先祖供養を受けて本当によかったです。心から感謝しています。(30代男性)
    ◎私に否定的な祖母が、祖父が好きだったあの子に優しくしなくては、と言い出したそうです。起き上がるのが辛いくらいの私の頭痛が減りました。そして、頭の中にあった祖父の生家の近くにいくことができ、その時に体がピリピリしました。相性の良い場所はピリピリし、悪い場所は冷や汗や熱が出たりします。(30代女性。亡くなった祖父に対する神事のご依頼)
    ◎(宮澤賢治)先生がついにあの世に戻られてうれしいです。没後もう長いので、あの世で休まれてほしいです。そして、虹が出ました!気づいてすぐ消えてしまいましたが、嬉しいです。(30代女性。宮澤賢治の子孫ではなく、ファンの方)
    あの人は成仏しているだろうか?と頭によぎったあなたは、ぜひ

    コチラからお問い合わせください。

    ◎あとがき

    ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

    私の人生の目的は、一人でも多くの地縛霊を救うことです。

    生きている私たちは、反省し、行動を改めることで過去を償い、過去の捉え方を変え、やり直すことができます。
    しかしながら、地縛霊化してしまった故人は肉体を持たないため、やり直すことができません。
    死後から、あなたがこの文章をお読みになっているこの瞬間もずっとです。

    私は学生時代にいじめられ、誰にも助けてもらえなかった過去があります。
    地縛霊たちは霊感がない人物には気づいてもらえません。
    気づいてもらっても、地縛霊を救える人物は稀有なため、見てみぬふりをされてしまいます。

    そんな地縛霊たちを本来の輪廻転生のサイクルに戻すには、ここまで読んでいただき、地縛霊の存在と、地縛霊に対する想いが湧いた、あなたの助けが必要です。

    私はあなたの相談に対し、できる限り対応したいと考えております。
    ぜひ、一度ご連絡を頂けたら幸甚でございます。
    リモートで行うため、何かを用意していただく必要はありません。

  • 先祖霊の奉納救霊祀りのご案内

    突然ですが、あなたのご先祖様は、無事に成仏していらっしゃいますか?

     

    自信を持ってYESと言えないあなたのご先祖様は、ひょっとしたら、肉体から離れる際に、この世になんらかの未練や執着があって地縛霊化しているかもしれません。

    あるいは、お葬式や法要をしっかり行なっているあなたは、自信を持ってYESと言えるでしょうか。

     

    誠に残念ながら、あの世とこの世合同会社の見解では、あなたのご先祖様の多くが成仏できていないと、お伝えせざるを得ないのが実情です。

    なぜでしょうか?

    そして、どうすればご先祖様にしっかり成仏していただけるのでしょうか?

     

    その理由と、ご先祖様にしっかり成仏していただく方法について、ご説明いたします。

     

    ◎あなたのご先祖様は、なぜ成仏できていないのか?

    《地縛霊とは》

    人は、臨終の際に魂が肉体を離れ、あの世へ通じる扉を通って成仏する/あの世に戻るのですが、この世に未練や執着があって決められた時間内に扉を通らなかった場合、あの世への扉が閉ざされてしまいます。しかも、一度閉じた扉は自力で開けることができないため、その魂はあの世に戻ることができず、地縛霊となってこの世に留まることになります。

     

    その後、あの世へ戻れなくなった魂は、どこへいくのでしょうか?

    あの世へ戻してくれそうな、頼りになる子孫にかかります。

    つまり、今これを読んでいるあなたのような子孫に、です。

    不幸にも、かかる子孫がいない地縛霊は、生前に縁があった土地にかかることになります。

     

    では、地縛霊化してしまうとどうなるのでしょうか?

    地縛霊には、死んでも死にきれない程にこの世に未練や執着があったのは言うまでもなく、しかも、その未練を抱えたまま、あの世に戻りたくても戻れず、苦しみ続けることとなります。

    それだけではありません。

    ご先祖様があの世に戻りたいと、救いを求めてあなたにすがることによって、以下の17つの霊障が、あなたに顕在化してしまいます

     

    ◎17つの霊障
    .財運
    .仕事運
    .精神
    .病気
    .事故/事件
    .家庭
    .親子(親・子との軋轢)
    .男女運(2/悪い(相性の合わない)人間と結婚するという男/女難 or 縁遠さ/同性愛)
    .子宝運(子供を持てないか、産んではならない子を産むことによって苦労する)
    10.伴侶との軋轢
    11.親族(主に伴侶の親族)との軋轢
    12.邪神1(相手の考えていることがわかる/暴力、諸事に支障をきたす)
    13.邪神2(第七感=近い未来がわかる。しかし、12.邪神1同様、霊障であるため、どうでもいい情報は得られたとしても、自分自身のことや人生の大事な分岐点で常に嘘の情報をつかみ、人生の方向性が徐々に本来の方向性からずれていく/暴力ではなく口による攻撃、人的な問題で諸事が前に進まず)
    14.人的トラブル
    15.痛み/危険な発作
    16.天啓/憑依
    17.その他

     

    これまでの人生を振り返って、あなたは上記のいずれかで大変な目にあったり、思い悩んでいることはありませんか?

    やるべきことをやり、向上心を持って日々自己研鑽に励んでいるにも関わらず、結果が伴わないことがあるとしたら、それはあなただけに原因があるのではなく、地縛霊化しているご先祖様の霊障かもしれません。

     

    繰り返しになりますが、ご先祖様はあなたを恨んだり、祟っているわけではありません。
    あなたに助けを求めてすがってきている結果、副次的に17つの霊障があなたに顕在化してしまっているだけなのです。

     

    そして、地縛霊化しているご先祖様の願いはただ一つ、“あの世に戻りたい”という思いだけです。

     

    ◎お寺の葬式、永代供養だけでは成仏しない理由

    そうは言っても、我が家は由緒あるお寺に任せてあるから大丈夫、と思っている方が多いと思います。

    たしかに、永代供養や先祖供養と言えば、神社仏閣に依頼するものとお考えの方が多いと思います。しかし、神社仏閣による永代供養や先祖供養では確実にご先祖様が成仏していただいているとは言えません。

    と申しますのは、そもそもブッダが出家を勧めた理由の一つに、霊的な能力は一代限りということがあります。

    現代の日本のように、世襲で寺を継いでいる僧侶のほとんどに、霊能力はありません
    いくら型通りのお葬式や法要を執り行ったところで、肝心の僧侶自身に霊的な能力がない限り、地縛霊化した霊を救う力はありせん

     

    仮に、お寺のお坊さんがしっかり先祖供養できているなら、お寺や墓地で幽霊が目撃されたり、墓地の近くの物件で怪奇現象が起こることがないはずです。

     

     

    信心深く、高額の代金を支払ってお葬式や法要を行なったあなたとしては、それだけの費用と時間をかけたのに、今もご先祖様が成仏できずに苦しんでいるとしたら、憤りを覚えるかもしれません。

     

    ご先祖様を成仏できない人物が、いったいなぜお葬式や法要、先祖供養を謳っているのでしょうか?

    その理由は、江戸時代の“檀家制度(寺請制度)”に端を発します。

     

    檀家制度”とは、庶民が縁組、旅行、移転、就職する際には僧侶が発行する証明書(寺請け状)の発行を義務づけたもので、今でいうところの戸籍係の任務を、幕府が寺に引き受けさせた制度です。庶民は僧侶の許可がなければ縁組や就職といった日々の重要な活動ができなくなってしまうだけではなく、現代では想像もつかないくらいの上下関係ができてしまいました。その結果、庶民は僧侶からの要求を受け入れざるを得なくなってしまいました。僧侶は好き放題できるようになったことで、儀式そのものの種類を増やしていき、檀家から様々な名目でお布施を受け取れるようにしていきました。現代でもよく広告・宣伝している先祖供養もふくめ、次々と儀式が拡大していったのはそういった経緯があります。

    ※詳しくは、(あの世とこの世合同会社が発行しているNOTE記載の)『新千夜一夜物語 第8話:生臭坊主と葬式仏教』をご参照ください。

     

    葬式と言えばお寺ですが、お寺の葬式や先祖供養は形式的なものであって、お亡くなりになった方を成仏できるから国に任されているわけではないのです。

    お付き合いなどがあり、法要や忌引きを突然止めることは難しいと思われます。

    慣習は慣習として、必要最低限やるべきことは続けていただき、同時に、ご先祖様が地縛霊化していないかを確認していただけたら幸いです

     

    また、ご先祖様だけでなく、あなたにとって大事なご友人や恋人、ペットも地縛霊化していることがあります。その魂たちは、あなたにかかっているとは限りませんが、今も助けを求めて苦しんでいるかもしれません。

    この文章を読んでどなたかのことが思い浮かんだとしたら、ひょっとしたら、その方は地縛霊化していて、あなたに救霊して欲しいとメッセージを送ってきているのかもしれません

     

    繰り返しになりますが、先祖霊は霊的に頼りになる子孫をしっかり見極め、かかっています。

    理由としては、仮にあなたが先祖霊を救霊しなかった場合、あなたにかかっている先祖霊は、あなたが亡くなるまで他の子孫にかかることはないため、あなたが生まれてからあの世に旅立つまでの何十年間も苦しみ続けるというリスクがあるからです。

     

    自分には関係ない、そんな役割はない、と思うかもしれません。

    ですが、故人に対して少なからず思うところがありましたら、地縛霊化しているかどうかの確認だけでもご依頼いただけたら幸いです。

     

     

    ◎ご先祖様に成仏していただくには?

    ここまで読んだあなたは、すぐにでもご先祖様に成仏していただきたい、と思ったことでしょう。

    では、どうしたらいいのでしょうか?

     

    ご先祖様に無事にあの世にお戻りいただくには、真に力を持った“霊能力者”に依頼することが必須となります。

    しかしながら、世の中には“霊能力者”と自称する人物が多く、誰に依頼すべきか、あなたには判断がつかないと思います。

     

    大日不可思議が提供しております“人物鑑定”では、対象の人物が“霊能力持ち”かを鑑定し、さらに、“霊能力持ち”である場合は9段階まで数値化しています。

    ここで重要なのは、9段階ある霊能力の中でも、本当の意味での先祖霊の神事ができるのは、上位1〜3段階に属する人物となります。

    そのような意味で、最上位の霊能力を持っている霊能力者集団である「大日不可思議」に神事を依頼する限り、間違いなく神事を執り行うことが可能となります。

     

    しかも、“霊能力”は、先述しましたように、修行によって得られるものではなく、一代限りの能力です。そのため、お坊さんや神主さんたちが修行をしたところで “霊能力”を得ることはできません

     

    ※もちろん、お坊さんや神主さんの中には上位に属する“霊能力持ち”の人物はいるかもしれませんが、非常に稀有であるため、そもそも出会うことが困難ですし、そのような能力を持った僧侶を特定することは、一般の方々には不可能です。

     

    では、それに満たない下位の霊能力者や、そもそも霊能力を持たない人物に依頼した場合、どうなるのでしょうか?

     

    それは、“除霊”になります。

     

    大日不可思議が執り行なっている“先祖霊の奉納救霊祀り”は、地縛霊化しているご先祖様にあの世にお戻りいただく”救霊”となりますが、“除霊”は地縛霊が今かかっている人や場所から強引にどこかへ移動させるだけで、根本的な解決とはなりません。

     

    “除霊”を受けたあなたは、ひょっとしたら、何らかの症状が軽くなるかもしれません。

    ですが、あの世に戻りたいと願い、あなたにすがってきていたご先祖様は、依然としてこの世のどこかで苦しんでいるのです。

     

    *本来であれば、魂は肉体を離れた後にあの世に戻り、この世の時間でいう28年間をあの世で過ごし、今世の振り返りと来世の課題を決めて再びこの世に産まれます。この輪廻転生を400回繰り返すのが、大日不可思議の教義の根幹の一つとなります。

    つまり、この世に留まっている間は魂磨きの修行が中断してしまうため、あの世の視点から考えても、望ましくない状況になっているのです。

     

    今のあなたにも、少なからず後悔している過去があると思います。

    生きている私たちはそれなりに人生をやり直すことができますが、お亡くなりになった方々は肉体がないため、この世でやり直すチャンスはありません。

    死してなお後悔の念を抱き、お亡くなりになった方々の中には1000年以上もこの世に留まり続けているご先祖様もいらっしゃいます

     

    そのようなご先祖の方々が、大日不可思議の“先祖霊の奉納救霊祀り”を通じて、無事にあの世にお戻りになり、さらにあなたが抱えている霊的な重荷が取り除かれ、本来歩むべき人生を体験し、悔いなく今世の使命を全うしていただけたら幸いです。

     

     

     

    なお、一般的な先祖供養では、儀式や御供物を通じて祭祀を行うことが多いですが、大日不可思議が執り行う“先祖霊の奉納救霊祀り”では、あなたに宗教的な物や飲食物等のご用意や、特定の場所への移動など、何らかのアクションを取っていただく必要はありません。

     

    また、先祖霊を救霊することにより、副次的に17の霊障が解消されますが、効果には個人差があることと、人生がうまくいったり、お金や社会的地位といった現世利益を確約するものではないこと、ご了承いただければと思います。

    ◎ご感想

    心身の健康が安定しました。
    先祖霊の奉納救霊祀りを受ける前は、年に1〜2回ペースで重い感染症等に罹患したり、救急搬送されるような体調不良に見舞われていました。
    大きな病院へ搬送されても内蔵の異常を見過ごされ、発見が遅れて重症化したこともあります。

    先祖霊の奉納救霊祀りを受けてから2年近く経ちますが、1度も大病にかかっていません。

    お水が美味しくなりました。
    お水に対する神事をして頂いてから、水道水の匂いや味が確実に変化しました。
    目に見えないものを信じないパートナーから浄水器をつけたの?と聞かれる程でした。
    異性関係の悩みが減りました。
    元から異性関係の悩みが多く、決して良い恋愛とは言えない恋愛が多かったです。満たされず、安心できない関係性ばかりでした。
    劇的な変化があった訳ではないですが、少しずつ時間と共に異性関係の悩みが減ったように感じます。(20代女性)

    パートナーの先祖霊の奉納救霊祀りの効果がだいぶ出てきているようで、
    グループホームの定員がMAXになったようです。
    昨年は人数がなかなか集まらなくて1日営業することが多かったのですが、
    今回はその必要がなく、
    自然に人が集まりました。(30代女性)

    先祖霊の奉納救霊祀りのお陰か、主人に出征の話が出たようです。
    長年悩んでいた職場での人間関係も改善され始め、主人も大変喜んでおります。
    (30代女性)

    なんだか最近、人との出会いが神がかっているかのように、
    素晴らしい方と知り合うことができています。

    新年早々、僕にとってとてもプラスになりそうな方に出会うことができました。
    これからその方とともに、自分のやりたかったことが達成できるよう、
    いろいろ試してみたいと思います。(20代男性)

    父親の先祖霊の奉納救霊祀りを依頼した日から、父の癇癪が一度もありません。
    さっそく効果が出ています。(20代女性)

    ピルの継続処方と一緒に、子宮頸癌とエコー検診を受けてきました。
    2年前、先祖霊の奉納救霊祀りを受ける前は左卵巣が腫れ、
    チョコレート嚢腫があったのに、今はとても綺麗で腫れも完治しました。(30代女性)

    約4年間毎日の悪夢に悩まされていましたが、先祖霊の奉納救霊祀りをお願いしてから、
    やっと朝まで眠ることができました!
    睡眠外来や精神科にも通いましたが、さほど効果がなく諦めていたので、本当に助かりました。
    自分が想像もし得ない内容の悪夢や、人為的な悪意を感じる悪夢(自分が苦しむポイントを押さえたような感じです)に苦しんでいる方がいらっしゃいましたら、心からお勧めします。(20代女性)

    一日過ごした実感だと、ちょっとしたミスでも落ち着いて対処できました。
    今までなら慌てたりマイナスに考えて落ち込んでいたと思います。
    頭の回転も良好でさっそく効果を実感しています。(20代女性)

    お陰様で毎日充実した日々を過ごしております。素晴らしい人たちと出会うことができ、縁が広がり、刺激を受けています。何より、ほとんどの人に嫌われません。むしろ好かれて嬉しいです。どうぞお体にお気をつけて、ますますのご活躍をお祈りしております。(40代女性)

    ご相談はこちらからお願い致します。

  • お盆をクリスマスのように楽しむ

    もうすぐお盆の時季ですね。

    • お盆でどんな用意をすればいいのか?
    • きちんと決まった用意をしなければならないのか?
    • ちゃんと用意しなければ、バチが当たるのではないか?

    そんなお悩みを抱えているあなたにお伝えしたいことがございます。

    お盆で用意すること

    私が思うに、お盆で用意することは、大きく分けて二つです。

    ①その日に家族が食べたい料理
    ②玄関や家の周りに着ける電飾

    なぜこの二つになるのか、説明していきます。

    ①その日に家族が食べたい料理

    お盆に限らず、故人へのお供物として料理を用意しますが、その理由はお盆という言葉にあります。

    柳田國男氏の書籍によりますと、
    お盆のという漢字は“瓫と書きます。

    この漢字には行器”(ホカイ)食べ物を入れて神霊に供える器という意味があります。

    そして、食べ物を供える対象である神霊には祖霊、すなわちあなたのご先祖さまの魂も含まれるようです。

    つまり、ご先祖さまに食物を供えるという習俗お盆には含まれているわけです。

    しかしながら、よく考えればわかるように、ご先祖さまや故人は肉体を持っていないため、食物を必要としません。

    ですから、わざわざご先祖さまのためにと、家族の分とは別に料理を用意する必要もありません。

    よく故人がお腹を空かせてしまうから、といった話を耳にしますが、肉体がない以上、空腹、胃が空っぽになるということがありません。

    仮に、故人が食べ物を必要としているなら、お供えした料理が減るはずです。

    では、食べ物を供える意味がないなら、ご先祖さまに何もしなくていいのでしょうか。

    お盆というイベントにおいて、せっかくなら、ご先祖さまのために何かしたい、ということでしたら、ご先祖さまを供養しようというそのお気持ちでじゅうぶんだと私は考えます。

    そうは言っても、気持ちだけでなく、ご先祖さまへの感謝の気持ちを示すために、何らかの行動をしたいという方もいらっしゃると思います。

    “故人がお供えした物の気を食べている”
    “あの世への子孫からのお供えによって、故人に対する審判の判断基準が変わる”

    という説もあるようですし。

    そんなあなたは、お盆の期間に用意した料理を味わって食べてください。

    一口食べて、料理が減るごとに、今、ご先祖さまと共に食事している。

    そう思い、目の前の料理をお供えしつつ、家族で食事を楽しみましょう

    きっと、ご先祖さまも、しんみりと暗い雰囲気で一緒に食事をするよりも、賑やかに、明るい雰囲気で食事をすることを望んでいることでしょう。

    ですから、クリスマスパーティーのように、あなたとご家族が楽しんで食べられる好物やご馳走を用意するのもいいかもしれませんね。

    たとえば、こんな風にするのもよろしいかもしれません😊

    <引用元:シャーマンキング>

    よく、ナスとキュウリを、牛と馬に見立てて用意するという話が出てきますが、私は気にしなくていいと思っています。

    というのも、お盆で元々備えられていた食材は、ナスとキュウリなどを四角く刻んだ“水の子”と呼ばれる料理でした。

    ナスとキュウリだった理由は、それらはお盆の時季の旬の食材で比較的多く採れたからではないかと私は仮説を立てます。

    今の時代は食べ物に恵まれ、旬を問わずに食材を選べます。

    ナスとキュウリにとらわれず、ご家族で食べたい料理を食べましょう。

    また、一説によりますと、ナスの牛とキュウリの馬は、農作業の際に牛や馬は貴重な労働力だったため、牛と馬を労い、感謝してナスとキュウリを見立てたそうです。

    この説が正しいなら、ナスの牛とキュウリの馬はご先祖さまのためではないこともお分かりかと思います。

    よって、ご先祖さまがナスの牛やキュウリの馬に乗るという話も、後の時代になってから創作されたものでしょう。

    よく、ご先祖さまが家に帰ってくる時は牛に乗ってのんびりと、一方、家からあの世に戻る時は馬で急いでと聞きます。

    なぜ、ご先祖さまを急いで帰らせるかというと、餓鬼などの良からぬ存在がご先祖さまと一緒に着いてくるからだそうです。

    日頃から施餓鬼をし、しかも確実に餓鬼たちがあの世に戻れているなら、心配する必要はありません。

    ですが、良からぬ存在に対して有効な手続きを行えていないから、そうした見えない存在に対して恐れを感じているのでしょう。

    余談ですが、クリスマスといえばチキンですが、元々は牛や豚を食べていたようです。

    ところが、アメリカ大陸に進出した当時のヨーロッパの人々は、現地で牛や豚を飼育することが難しかったようで、その代わりとして、アメリカ大陸に多くいた七面鳥の肉を代用したという説があります

    つまり、キリストの誕生日を祝うためのご馳走であれば、牛や豚に限らず、七面鳥でも良かったのでしょう。

    厳密な決まりではなく、臨機応変に変えても良さそうです。

    ですから、日本固有のイベントであるお盆に用意する料理も気にせず、クリスマスのようにご馳走や家族が食べたい料理を用意するのがよろしいかと思います。

    ②玄関やベランダに着ける電飾

    先に結論をお伝えしますと、これはなくてもいいです。

    というのも、大昔のようにわざわざ玄関の前に迎え火として火を焚かなくても、電気のおかげで現代ではほとんどの家は外灯も室内も明るく、家の場所がわかるからです。

    ちなみに、家の門口に火を焚くことをホーカイと呼ぶようで、①の行器(ホカイ)と音がほぼ同じです。

    ただし、どの家にも明かりがあり、ご先祖さまにとって他の家と区別がつかないのではないか?と心配する方には、他の家と区別するために、クリスマスのようにライトアップするとよろしいかと思います。

    そうは言っても、我が家は昔からの慣習通りに準備したいと考える方がいらっしゃるかもしれません。

    実際のところ、玄関の前に迎え火として置かれていた松明は1230年頃、鎌倉時代から、高灯籠になりました。

    同時に、その頃から、提灯や灯籠、墓参りの風習が始まったとも言われています。

    高灯籠とは、長い竿の先端に提灯を置いて灯す物で、少し形が変わりますが、お盆の時期には“灯籠流し”が開催されています。

    ちなみに、ネット通販でも買えますし、電気式です。

    つまり、時代と共にやり方や道具が変わっていますので、必ずしも松明を用意しなくてもよろしいかと思います。

    そうした形式にこだわることも大事ですが、より大事なことはお盆祭りをイベントとして楽しむことだと私は考えます。

    こちらの画像は、日本一の灯籠流しと言われている、“永平寺大灯籠流し”の画像です。

    この灯籠流しには、お盆の時期にやってきたご先祖さまを送り返したり、水死者や無縁仏を供養する意味があると言われています。

    言い換えると、迎え火に対する”送り火“としての役割があると思われます。

    余談ですが、大雑把に言って死者の魂を川に流す理由は、”ニライカナイ“と関係があると私は考えております。

    ”ニライカナイ“とは、海中や海の向こうにあの世があるという考え方です。

    川に灯篭を流すのは、いずれ川から海に、そしていずれは海の向こうに灯篭とともに死者の魂がたどり着くからと昔の人は考えていたのでしょう。

    川に流す理由として、他に考えられるのは、火葬ではなく風葬が主であった時代では、死体を川に捨てて放置していました。

    現代のインドでも、遺体をガンジス川に流す、水葬が行われているそうです。

    ひょっとしたら、川=死者が還る場所、というイメージがあったのかもしれません。

    地域によっては、迎え火と送り火をともに家の前に設置していたり、送り火は村人全員が海岸に行って火をつけたりと、やり方が異なります。

    この背景には、送り火が何らかの要因で村に火災を招いたため、安全のために海岸で行うようになったという説もあります。

    つまり、送り火の場所はどこでもいいと考えられるわけです。

    ちなみに、現代では、灯籠流しが環境汚染につながるという理由から、やめてしまった地域もあるようです。

    灯籠流しに、本当に死者の魂を供養する効果があるなら、灯籠流しをやめたことで何らかの不幸なできごとが起きたかもしれませんし、環境汚染を考慮した上でも断行すべきではないかと思われます。

    つまり、環境汚染という科学的な理由を優先してやめてしまう行為なら、そもそも灯籠流しにはそこまで霊的な効果があるとは言い難いと、私は考えました。

    それなら、灯篭を流さずに、お盆の時期に灯篭を家族で自作するか、購入して用意するのもよろしいでしょう。

    そうした理由も考慮して、多くの家庭にあると思われる、クリスマスツリーや、電飾をお盆でも使うことを推しました。

    クリスマスツリーや電飾を、年に一度だけでなく、お盆でも使って楽しんでみてはいかがでしょうか?

    もちろん、お盆=提灯(和風の明かり)だと認識している人が多いと思いますので、クリスマスツリーを出すのは室内だけにし、ベランダなどには、トナカイやサンタクロースといったクリスマスを想起させる物を外した電飾で明るくするのが無難でしょうか。

    ここまで読んだあなたは、お盆に対するハードルが下がり、さっそくお盆の準備に取り掛かろうと思ったことでしょう。

    残るは、いつお盆をするか、ですね。

    お盆の期間は諸説ありますが、一番早い始まりの日が7/1で、終わりの日が8/24のようです。

    この期間内でも、昔の太陰暦を意識するなら7/15現代の太陽暦を意識するなら今年は8/1315です。

    この三日間を表盆と呼ぶのに対し、8/24は裏盆と呼ばれています。

    7/18/24まで電飾を出すのは長過ぎる!と感じる方は、お好きな日数に短縮すればよろしいかと思います。

    世間に合わせるなら8/138/15(8/24)に。

    元々の由来に合わせるなら7/15がよろしいかと思います。

    お盆の由来

    なぜ、お盆は7月15日なのでしょうか。

    実は、お盆の由来は、日本の民族信仰と仏教という、二つの説があります。

    過去の日本には、1月と7月の初春と初秋の最初に祖霊が訪れてくるという民族信仰があります。

    ちなみに、旧暦の1/157/15も満月の夜になるそうです。

    そして、この“瓫は、食べ物を入れて神霊に供える器という意味を持つ、ホトキの言葉の一つです。

    この神霊には祖霊、すなわちあなたのご先祖さまの魂も含まれていますので、日本の民族信仰におけるお盆の目的は、“先祖供養”と言えるでしょう。

    また、お盆の盂蘭盆経(うらぼんきょう)”という仏教の経典のから来ているという説があります。

    そして、この盂蘭盆経に初秋の満月の日付(7/15)が書いてあり、日本の民族信仰と仏教の日付が重なっています。

    盂蘭盆経の内容は、ブッダの弟子の一人が、死してなお飢えて苦しんでいる彼の母親を助けようと、食べ物を捧げたというものです。

    彼の供養が功を奏したからか、彼の母親は無事に成仏することができ、彼はブッダに先祖に対して食べ物を供えることは、ブッダの弟子なら誰でもすべきかと問うたところ、YESと答えたそうです。

    この死後も飢えている人物に食べ物を備えて供養することを施餓鬼と言います。

    なお、ブッダは、

    “妻子も、父母も、財宝も穀物も、親族やそのほかあるゆる欲望までも、すべて捨てて、犀の角のようにただ独り歩め

    ブッダのことばースッタニパーターの第一 蛇の章の三:犀の角

    と述べていたようです。

    それなのに、親の供養を勧める旨の記載があることは矛盾していると私は感じました。

    ちなみに、盂蘭盆経は、56世紀に中国で成立した偽経であり、儒教の孝行倫理が影響を受けて創作されたという説があります。

    もちろん、親を大切にする教えは大事だと思いますが、盂蘭盆経がブッダの教えに沿っているとは言いがたいです。

    また、そもそも、この施餓鬼は時季を問わずに行われているため、お盆にやる必要はないものです。

    お盆の時期にお坊さんを呼んで読経をあげてもらう習慣があるようですが、お盆と仏教が関係ないと感じる理由があります。

    それは、盆棚の存在からわかります。

    盆棚とは、お盆の時期に先祖供養をするための棚で、仏壇とは別に、お盆の時期に作る物です。

    もともと自宅に仏壇があるなら、仏壇で一緒に供養すれば盆棚を作る必要はないと思います。

    さらに、先祖供養するのに盆棚が必要なら、盆棚を設置していないお盆以外の時期にお坊さんが仏壇に読経しても、先祖供養としての役割を果たしていると言えるのでしょうか。

    このことから、必ずしもお盆にお坊さんを呼ぶ必要はないことがわかります。

    さらに言うと、村に寺院が設置されていなかった昔は、村人が読経していたそうです。

    村人が読経していたということは、読経はお坊さんの専売特許ではなく、親族や家族が読経しても構わないのです。
    読経は練習すれば誰でも読めます。

    赤の他人であるお坊さんよりも、子孫に読経してもらった方が、ご先祖さまは喜んでくれると思います。

    お盆でわたしたちがすべきこと

    ここまで読んでくださったあなたは、お盆で準備することには厳密な決まりや効果がないことがおわかりかと思います。

    ただし、儀式的な行為に霊的な意味はなくとも、その行為を行おうとする目的があることはじゅうぶんに理解されていると思います。

    その目的とは、大きく分けて二つあります。

    ①先祖供養
    ②無縁仏・餓鬼に対する供養

    これらに共通して行うべきことは、“地縛霊の救霊”となります。

    人は死後、魂が肉体から離れた後に、あの世へ通じる扉を通ってあの世に戻り、この世の時間で28年間かけ、あの世で今世の振り返りと、来世の課題を設定し、再びこの世に転生するという説があります。

    しかしながら、この世に何らかの未練があり、あの世へ通じる扉を通らないでいると、その扉が閉じてしまいます。

    しかも、一度閉じたその扉は、自力で開けることができないそうです。

    そうなると、肉体から離れた魂はあの世へ戻れず、この世をさまよい続ける地縛霊と化します。

    地縛霊化したあなたのご先祖さまは、子孫であるあなたに救いを求めます。

    彼ら/彼女らは霊感があり、見えない存在に対する理解がある、霊的に頼りになる子孫を選んでいます。

    子孫がいない人物が地縛霊化した場合、どうなるのでしょうか。

    そうした地縛霊たちのことを、無縁仏・餓鬼として説明いたします。

    ちなみに、肉体を持たない霊は食べ物を必要としないことはさきほど触れましたので、地縛霊にとって共通している、唯一にして最大の願いが、“あの世に戻ること”です。

    先ほどの地縛霊の話で、霊的に頼りになる子孫に救いを求める、とお伝えしました。

    ただ、現代のように食べ物に恵まれ、平和な世の中ではなかった時代、たとえば戦国時代では、流行病で命を落としたり、餓死したり、戦で若くして亡くなったことで子孫がいなかった人物がいることは、想像に難くないと思います。

    こうした、子孫を持てなかった地縛霊は、救いを求める子孫がいないため、生前に縁があった“土地”にかかことになります。

    お盆では、自宅に帰ってくるご先祖さまと一緒に、餓鬼などのよからぬ存在がついて来るという説があります。

    そのためか、送り火を用意したり、きゅうりを馬に見立て、早く帰ってもらおうとするのは、餓鬼にも帰ってほしいという意図があったと思われます。

    実際、怪奇現象が起きる建物の土地には地縛霊がかかっていることが多く、救霊の神事を依頼した後は、怪奇現象が止まったとのお声がありました。

    昔の人々も怪奇現象を体験し、餓鬼・無縁仏である地縛霊からの被害を受けていたのかもしれません。

    では、ご先祖、無縁仏、餓鬼を問わず、地縛霊にあの世に戻っていただくにはどうしたらいいのでしょうか

    あの世へ通じる扉を開けられるのは、優れた霊能力を持つ人物だけです。

    その霊能力者/陰陽師の力を借りることで、地縛霊は死後からずっと続く長年の苦しみから解放されます。

    霊能力にはピンからキリまであり、地縛霊を確実にあの世に戻せるのは、偉人で言うと、ブッダやキリストや安倍晴明クラスの能力者です。

    また、霊能力の強さは生まれつき決まっており、修行などによって後天的に強くすることはできないという説があります。

    お墓で幽霊を見かけることが多いと耳にすることがあると思われます。

    修行によって霊能力を強くできるなら、修行したお坊さんが地縛霊をあの世に送れることから、お墓で幽霊をみかけることはないはずです。

    このことは、神社で怪奇現象が起こることも同様の理由でしょう。

    つまり、お坊さんや神主は修行をしているからと言って霊能力を持っているとはかぎりませんし、彼らの中から稀有な霊能力者を見つけることは至難と思われます。

    余談ですが、霊感がある人物は全人口の3割という説があります。

    霊感がない7割の人物は、たとえば、私が氣を送っても何も感じません。

    見えない存在は信じない、科学万能主義といった傾向を持つ人物が多いです。

    そうした7割の人物は、霊という存在を信じませんから、当然、ご先祖さまが地縛霊化して苦しんでいることを考えもしませんし、霊能力者/陰陽師に関わろうとしないか、何らかの縁があっても、まともに話を聞こうとしないことが多いでしょう。

    ですから、ここまで読んでくださったあなたは、霊などの見えない存在についてある程度の理解があり、ひょっとしたら霊感をお持ちかもしれません。

    ”出逢いは必然”。

    つまり、この”出逢い”には、人同士に限らず、このランディングページと、今こうして訪れているあなたとの”出逢い”も必然のようです。

    ひょっとしたら、地縛霊化しているあなたのご先祖さまが、あなたに救いを求めてこのランディングページに導いてくださったかもしれません。

    本当の意味で先祖供養をしたい、無縁仏や餓鬼にも供養したいとお考えの、心優しいあなたは、一度ご相談ください。

    そして、本当の意味でご先祖さまが救われているうえで、お盆の儀式をお祭りのように楽しんでいただけたら幸甚に存じます。

    ご先祖や地縛霊を供養したいと頭によぎったあなたは、ぜひ

    コチラからお問い合わせください。

  • 新千夜一夜物語 第62話:将棋とチェスの名人に共通する魂の属性

    新千夜一夜物語 第62話:将棋とチェスの名人に共通する魂の属性

    青年は思議していた。

    オリンピック以上のプロのスポーツ・芸能・芸術を生業にできる人物は、魂の属性が“2−3−5−5…2”に限られるというルールがあるなら、将棋やチェスといった、盤上での競技におけるプロの棋士にも、何らかの霊的な共通点があるだろうか。

    独りで考えても埒が明かないと思い、青年は陰陽師の元を尋ねるのだった。

    『先生、こんばんは。本日は将棋の棋士たちの魂の属性について教えていただきたいと思い、お邪魔いたしました』

    「あいわかった。そなたが気になった棋士の名前を教えてもらえるかの」

    『まずは、最年少記録や歴代一位の記録を持つ、藤井聡太と羽生善治についてお願いいたします』

    そう言い、青年は二人の略歴を口頭で伝える。

    《藤井聡太》
    2016年に史上最年少(14歳2か月)で四段昇段(プロ入り)を果たし、そのまま無敗で公式戦最多連勝記録(29連勝)を樹立した。その後、最年少一般棋士優勝・タイトル獲得、史上初の10代九段・二冠・三冠・四冠など多くの最年少記録を持っている。

    「どれ、みてみよう。少し待ちなさい」

    そう言い、陰陽師は、紙に鑑定結果を書き連ねていく。

    《羽生善治》
    ・1985年に中学生でプロ棋士となり、1989年、初タイトルとして竜王位を獲得。1996年2月14日、将棋界で初の全7タイトル(竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖)(当時のタイトル数は7)の独占を達成。
    ・2017年12月5日、第30期竜王戦で15期ぶりに竜王位を獲得し、通算7期の条件を満たして永世竜王の資格保持者となり、初の永世七冠(永世竜王・十九世名人・永世王位・名誉王座・永世棋王・永世王将・永世棋聖)を達成。さらに名誉NHK杯選手権者の称号を保持しており、合計8つの永世称号の保持も史上初。
    ・2018年度(2019年)の第68回大会で優勝し、同大会優勝回数を11回に更新の上、一般棋戦(タイトル戦以外のプロ公式戦)の通算優勝回数が大山康晴を超え史上最多の45回となった。
    ・通算優勝回数152回、公式戦優勝回数144回、タイトル獲得99期、タイトル戦登場136回、同一タイトル戦26回連続登場(王座)、同一タイトル獲得通算24期(王座)、一般棋戦優勝回数45回は歴代単独1位の記録である。また、非タイトル戦優勝回数53回、非公式戦優勝回数8回、最優秀棋士賞22回、獲得賞金・対局料ランキング首位23回も歴代1位である。

    陰陽師が書いた二枚の属性表を見比べ、青年は口を開く。

    『やはりと言いますか、二人の属性表の数字は共通点が多いですね。特に、この二人の転生回数が290回代ということで、以前、“9”という数字には例外/矛盾という意味を持ち、“世の変革者”、収束、まとめるなどの役割を持つ傾向があるとお聞きしました』

    そう言い、青年は紙にペンを走らせる。

    《転生回数の“十”の位と“一”の位の数字が持つ意味》
    9:大々山、例外/矛盾、世の変革者、収束、まとめる
    7:大山
    4:小山
    3:数奇な運命、爆発、拡散、アップダウンが激しいなど
    1:雑味がなく、本来持って生まれた能力を100%発揮しやすい

    陰陽師が無言でうなずくのを見、青年は言葉を続ける。

    『将棋では古くから脈々と定石が受け継がれており、日進月歩、多くの棋士たちが最善の一手を研究しています。そうした棋譜を収束してまとめた結果として、真剣勝負の最中に相手の考えを看破し、好手や妙手を閃くという意味では、転生回数の290回代は文系の中での“大々山”と考えれば納得できます』

    「そのように考えることもできるじゃろうが、何事も例外があることと、あくまで現時点での検証の結果であるため、今後の検証によっては解釈が変わる可能性があることを覚えておくように」

    陰陽師の言葉に対し、青年は真剣な表情で大きくうなずく。

    「その前提を踏まえた上で補足しておくと、転生回数の200回を境に文系と理系に分かれ、転生回数が200回以下と若い第三期と第四期の魂は理系の傾向が、200回を超える第一期と第二期の魂は文系の傾向があることは、以前にも説明した通りじゃ」

    そう言い、陰陽師は紙に解説を書いていく。

    <各期と輪廻転生回数>
    第一期/老年期……301~400回(61~80歳)
    第二期/円熟期……201~300回(41~60歳)
    第三期/青年期……101~200回(21~40歳)
    第四期/幼年期……1~100回(0~20歳)
    ※人生を80年と仮定した場合。

    手を止めた陰陽師が言葉を続ける。

    「して、棋士にもピンからキリまでいると思うが、今度はさきほどの二人のような名人級以外で、他に気になる棋士はいるかの?」

    陰陽師にそう問われた青年は、スマートフォンを手早く操作し、口を開く。

    『棋士であると同時に投資家としても知られている桐谷広人と、将棋ソフト不正使用疑惑騒動を起こした、三浦弘行はいかがでしょうか』

    そう言い、青年は二人の略歴を口頭で伝える。

    《桐谷広人》
    ・1975年に四段昇段を果たしプロ棋士となった。当時まだ珍しかった、研究派の棋士で「コンピューター桐谷」の異名をとった。
    ・観戦記なども手掛け、囲碁・将棋チャンネルの「桐谷広人の将棋講座」及び「名勝負の解説」では師匠・升田幸三の将棋の解説も務めた。
    ・2000年には現役勤続25年表彰を受けた。第55期順位戦でフリークラスに陥落、復帰できないまま10年が経過したため、2007年3月末に引退した。通算成績は327勝483敗。
    ・“財テク棋士”として著名になり、現在では、財テクに関する雑誌“ダイヤモンドZAi”や“日経マネー”にも、個人資産家として登場する。2006年時点で桐谷は、株式を約400銘柄、時価3億円分を保有し、そのうち1億円が優待銘柄という。
    ・株主優待を活用することで生活費はほとんど現金を使わない。また、将棋棋士としての戦術思考を投資の世界でも十分に発揮し、人並み以上の優れた記憶力で、手元に届いた数多くの商品券の使用期限を全て頭の中で把握している。
    ・なお、将棋棋士としても投資家としてもテレビ番組に出演しており、テレビCMにも出演している。
    ・タカラトミー「大車輪てつぼうくん」(2014年)
    ・「ヤマハミュージックジャパン“クラビノーバ”CVP-700シリーズ」『音楽を、もう一度。』(2015年)

    《三浦弘行》
    ・将棋ソフト不正使用疑惑騒動の発端は、三浦の対局中の離席(特に久保利明との対局で30分以上離席したと久保利明が勘違いした事)や指し手の傾向(特に渡辺明との対局で三浦が局後の感想戦で示したコンピュータ将棋風の指し手)などを怪しんだ一部の棋士の告発によって、三浦がスマートフォンを利用してコンピュータ将棋ソフトを対局中に不正使用したのではないかとの嫌疑がかけられたことである。
    ・一部の棋士による疑惑の告発、日本将棋連盟による三浦の出場停止処分とそれに伴う竜王戦挑戦者変更、第三者委員会の調査による疑惑の解消と三浦の名誉回復、連盟理事5名の引責辞任・解任、これを契機とするルール改定が騒動の主たる内容である。
    ・日本将棋連盟の聞き取り調査に対して三浦は疑惑を否定したものの、調査のために休場することとなり、最終的には休場届の未提出を理由として連盟から出場停止処分が下された。三浦は第29期竜王戦挑戦者に決定していたが、出場停止に伴い挑戦者が丸山忠久に交代するという異例の事態となった。

    陰陽師は小さくうなずき、無言で紙にペンを走らせる。

    合計4人分の属性表を見比べた青年は、何度もうなずいてから口を開く。

    『このお二人は、転生回数が第二期で十の位が“4”の“小山”の時期に相当する魂3:武士ですので、先ほどの二人との大きな違いは、転生回数にありそうですね』

    「どうやらそのようじゃな」

    青年は三浦弘行の属性表の一部に視線を向け、再び口を開く。

    『それにしても、実際の真偽はさておき、不正疑惑騒動が起きてしまった要因の一つに、三浦弘行の人運の“6”という低さが関係している可能性は考えられるのでしょうか』

    そう言い、青年は“6”が持つ傾向について、紙に書き出していく。

    6:「不幸(そのもの)」「不幸な選択」「不実」「攻撃性」「サド的気質」

    「一つの出来事には様々は要因が複雑に絡み合って生じていることから、その一点のみで判断することはできぬが、その可能性も否定できないじゃろうな」

    陰陽師の言葉に対し、青年はうなずいた後、口を開く。

    『最後に、“二歩の人”として有名な橋本崇載を鑑定していただけますでしょうか』

    「よかろう。少し待ちなさい」

    そう言い、陰陽師は鑑定結果を書き足していく。

    新たな属性表を眺めた青年は、首をかしげながら口を開く。

    『彼も転生回数が290回代ですので、藤井聡太や羽生善治のような名人になれる素質はあったように思われますが、彼の転生回数の一の位の数字が“1”である一方、名人と呼ばれる二人の転生回数の一の位は“4”ですので、この違いも関係していると考えられるのでしょうか』

    「人間は多面体であるため、転生回数に限らず、属性表の一部のみを見て判断してはならぬが、少なくとも、転生回数に限って言えば、そのように考えることもできるじゃろうな。して、橋本崇載の戦績や略歴はいかほどなのじゃ?」

    青年は再びスマートフォンを操作し、口を開く。

    《橋本崇載》
    ・1994年9月奨励会試験では、2位で入会。試験対局の成績は7勝2敗だったが、その2敗はいずれも反則負けだった。
    ・第24回(1998年後期)より三段リーグ入り。参加2期目の第25回では、暫定2位の成績(12勝4敗)で最終日を迎えたが、2連敗を喫し6位に終わった。
    ・2004年度のNHK杯テレビ将棋トーナメントに出場した際、金髪のパンチパーマという髪型に、紫色のワイシャツを着用しており、その奇抜な出で立ちが話題となった。そのトーナメントを勝ち進み迎えた羽生善治戦(2005年1月放送)におけるテレビ視聴率は、通常のそれと比べて3倍になったといわれている。
    ・2008年度の第49期王位戦でも予選から挑戦者決定リーグ入りし、タイトルホルダーの渡辺明竜王、A級在籍棋士の丸山忠久他を破り最上位者となり、挑戦者決定戦に出場したが羽生善治に敗れ初のタイトル挑戦には至らなかった。
    ・第34期棋王戦では予選を勝ち抜き本戦に出場。そこでも当時王位のタイトルを保持していた深浦康市に勝利するなど快進撃を続け、準決勝に進出したが、タイトル挑戦には至らなかった。
    ・2009年度、第50期王位戦挑戦者決定リーグでは、タイトルホルダーの久保利明棋王、A級在籍棋士の佐藤康光、三浦弘行、井上慶太を破り最上位者となり、2年連続挑戦者決定戦に進出したが木村一基に敗れ、またも初のタイトル挑戦には至らなかった。
    ・シード権を獲得して臨んだ第35期棋王戦では、2年連続で準決勝に進出。しかし準決勝でも敗者復活戦1回戦でも敗れ、またしてもタイトル挑戦には至らなかった。
    ・2014年度、第64回NHK杯戦でベスト4進出するも、準決勝で二歩の反則手を指して敗退した。“二歩の人“として話題になる。
    ・タイトル挑戦・棋戦優勝・将棋大勝受賞歴がないのに、順位戦A級に昇給したのは、彼が史上2人目である。

    「なるほど」

    青年は再び属性表を眺めた後、口を開く。

    『彼には、血脈先祖の霊障と天命運に“2:仕事”の相がかかっていますが、彼の戦績が転生回数に見合わない要因の一部になっていると考えられるのでしょうか?』

    そう言い、青年は“霊障”について、紙に書き足していく。

    ・霊脈先祖の霊障:今世の宿題に対して逆接な“重し”、すなわち、人生の方向性が今世の宿題と逆方向に働く
    ・血脈先祖の霊障:今世の宿題に対して順接、すなわち“無用な重し”となって顕在化する

    陰陽師は小さくうなずいた後、口を開く。

    「少なからず、“2:仕事”の相は関係している可能性が考えられよう」

    青年は視線を落として小さくため息をつき、口を開く。

    『“唯物論者”である彼には霊脈先祖の霊障がかかっていないことから、棋士の道に進むことは、今世の彼の課題から大きく外れているとは限らないものの、棋士という狭き門をクリアできたのに実力を発揮できないのは、個人的に残念に感じます』

    「ちなみに、今の彼はどうしておるのじゃ?」

    『ウェブ上の情報を見る限り、今は棋士を引退し、YouTuberになっているようです』

    「なるほど」

    『彼には霊障がかかったままですので、YouTuberに転身しても、本来の実力が発揮されないかもしれません。そう考えますと、彼と何かしらのご縁があって、神事を申し込んでいただき、霊障を解消して活躍していただきたいと願わずにはいられません』

    「その機会があればいいがのお」

    陰陽師の言葉に対し、青年は首肯した後、口を開く。

    『以上で僕が気になる棋士は終わりですが、属性表における棋士の共通点は、いくつかあるようですね』

    五人の属性表を見比べた後、青年は口を開いた。

    ・2−3武士
    ・基本的気質O Sと具体的性格ソフトの数字が共に“7(1)”
    ・欄外の枝番が“1”
    ・全体運が9
    ・ビジネス運が9
    ・同一指向性が85以上
    ・トンチンカン度が40以下
    ・頭の回転の早さが80以上
    ・物事の本質を見極める力が80以上
    ・自己顕示欲の数字が“2(5)”
    ・人運が7以下
    ・「自己中」度が70以上

    『記録保持者の二人と他の三人における、転生回数以外の違いとしては、頭1/2とインターフェイスがあります。前者たちは頭1―3でインターフェイスの一桁目の数字が“3”である一方、後者たちは、頭1−7や頭2、インターフェイスの一桁目の数字が“6〜7”です』

    陰陽師が無言でうなずいて続きを促しているのを確認し、青年は言葉を続ける。

    『つまり、あえて極端な言い方をしてしまうと、名人と呼ばれる強さを持つ人物には、性格や気質が温和だったり、落ち着いている傾向があるのでしょうか?』

    「対局中に頭に血が上ったり、気分にムラがあっては重要な局面で冷静な判断ができないという可能性を考慮すれば、その傾向があると考えられるじゃろうな」

    『なるほど。ちなみにですが、駒を用いるという意味では将棋と似ている、チェスの世界ランキング一位の人物、マグヌス・カールセンの鑑定もお願いできますでしょうか?』

    「もちろんじゃとも。どんな人物かの?」

    青年は口頭で、マグヌスのチェス歴を伝える。

    《マグヌス・カールセン》
    1999年にノルウェーの国内選手権に8歳7ヶ月で出場。
    2004年に当時史上3番目の若さである13歳4カ月でグランドマスターになった。
    2010年1月に初めて世界ランキング1位になった。(史上最年少、19歳32日)
    2013年11月22日、世界チェス選手権で世界王者となる。なお22歳11か月での王者はガルリ・カスパロフ(22歳6か月)に次ぐ史上第2位の若さであった。
    2014年5月のレーティングでは歴代最高記録となる2882をマークした。2019年8月にも2882をマークしている。

    陰陽師は紙に鑑定結果を書き足していく。

    全員の属性表を見比べた後、青年はやや目を見開きながら、口を開く。

    『彼もチェスにおいて、世界ランキング1位という最年少記録を持つものの、転生回数は290回代ではないのですね』

    そう言い、青年は棋士たちと彼の属性表の相違点を書き連ねていく。

    ・物事の本質を見極める力が40と低い
    ・トンチンカン度が85と高い
    ・同一指向性が60と低め
    ・大局的見地が60と低め

    『将棋もチェスも頭脳戦の極地のように思われますので、これだけ違いがあることが意外に感じますが、チェスでは“取った相手の駒を再利用できない”という、将棋とのルールの違いが関係している可能性が考えられるのでしょうか?』

    「その可能性はじゅうぶんに考えられるじゃろうな」

    『やはり、そうでしたか。ちなみに、将棋とチェスでは局面の数が異なると言われています』

    そう言い、青年はそれぞれのゲーム中に現れる局面の数を紙に書き出していく。

    オセロ:10の60乗
    チェス:10の120乗
    将棋:10の226乗
    囲碁:10の360乗

    『将棋よりもチェスの方が局面の数が少ないという点に限って考えれば、チェスにおいては、マグヌス・カールセンの属性が適している可能性は考えられるのでしょうか』

    「そのように考えることもできよう」

    『ちなみに、将棋界にはチェスファンが多く、羽生善治は国内トッププレイヤーとして活躍しているようで、2022年には藤井聡太もチェスの大会に参加する予定です。実際、彼らはチェスでも世界ランキングの上位に入れる素質はあるのでしょうか?』

    青年の問いに対し、陰陽師はそれぞれの適性(言い換えれば強さ)を紙に書き足していく。

    《チェスの適性(言い換えれば強さ)》
    マグヌス:100
    藤井聡太:90
    羽生善治:90

    《将棋の適性(言い換えれば強さ)》
    藤井聡太:100
    羽生善治:95
    マグヌス:60

    鑑定結果を見た青年は、納得顔でうなずきながら、口を開く。

    『“大は小を兼ねる”ではありませんが、やはり将棋の名人であるお二人もチェスの適性が高いようですね。その一方、マグヌス・カールセンはさすがの100点ではありますが、将棋の強さがだいぶ下がっていますので、彼の魂の属性と各スコアはチェス向けだということがわかります』

    「どうやらそのようじゃな」

    陰陽師の言葉に対し、青年はうなずいた後、口を開く。

    『ところで、棋士たちとマグヌス・カールセンに共通している項目の中で、次の二つが気になりましたが、どのような理由が考えられるのでしょうか?』

    そう言い、青年は紙に書かれた共通点の二つを丸で囲む。

    ・人運が7以下
    ・「自己中」度が70以上

    「その二つに関して説明すると、スポーツを含め、対戦型の勝負事をすることが今世の課題に含まれている人物は人運が低く、“自己中”度のスコアが高い傾向がある」

    『なるほど。“長所と短所は表裏一体”ではありませんが、一般的には望ましくないと思われるそれらのスコアが、勝負事においては活かされることもあると考えられるということでしょうか?』

    青年の問いに対し、陰陽師はうなずき、口を開く。

    「その通りじゃ。ただし、あくまで鑑定結果は、各々が転生前に自らに課してきた“今世の課題”を果たすためにベストな数字である。ゆえに、それぞれの数字を単独で注目して人物評価をすることは禁物じゃ。そのことをじゅうぶんに理解した上で己の傾向をじゅうぶんに理解し、目の前の出来事に真摯に取り組み、日々、魂磨きに励むことが肝要なのじゃよ」

    そう言い、陰陽師は壁時計に視線を向ける。
    それに気づいた青年も、スマートフォンで時間を確認する。

    『もうこんな時間でしたか。今日も遅くまでありがとうございます』

    そう言い、青年は席を立って深々と頭を下げた。

    「今日もご苦労じゃったな。気をつけて帰るのじゃぞ」

    陰陽師はいつもの笑みで手を振り、青年を見送った。

    帰路の途中、青年は藤井聡太と羽生善治とマグヌス・カールセンの属性表を見比べていた。

    日本では、どんな面においても満点に近い方が望ましい、という認識があるように思われる。

    言いかえれば、優秀な人物というのは、一部の例外をのぞき、全てのスコアが満点に近い人物なのだろう。

    そう考えると、マグヌス・カールセンよりも藤井聡太と羽生善治の方がこの世の基準でトータル的に考えれば優秀なのだろうが、チェスの適性(言い換えれば強さ)はマグヌス・カールセンの方が高い。

    つまり、優秀な人物を目指したり、優秀な人物ばかりを求めるのではなく、結局は各々が自分の傾向や適性を把握し、今世の課題を果たせる環境に身をおくこと、すなわち”適材適所”が重要なのかもしれない。

    過去の自分のように、己の傾向や適性よりも世間が求める優秀さを目指すあまり、疲弊してしまっている人は少なくないと思われる。

    そうした人々が神事を済ませてパフォーマンスが100%になり、自身の魂の属性をよく理解した上で、今世の課題を果たす方向に人生を舵取りし、悔いのない日々を過ごしてもらいたい。

    そのためにも、”天職”ランキングと”運気を下げずにもっとも稼げる職業”ランキングが自分にとって共に一位である、“啓蒙活動”に尽力しよう。

    そう、青年は思議したのだった。

    《合わせて読みたい》
    第23話:この世のルールと芸能界
    神事について

  • 新千夜一夜物語 第61話:ジョーカーと無敵の人

    新千夜一夜物語 第61話:ジョーカーと無敵の人

    青年は思議していた。

    2021年10月30日に、服部恭太氏が京王線の車内で70代の男性の右胸を刺して重傷を負わせ、さらに電車内で放火した件についてである。彼の犯行によって17人が重軽傷を負い、彼は殺人未遂として現行犯逮捕された。

    また、彼は映画“バットマン” に登場する悪役である“ジョーカー”に憧れて犯行に及んだとも述べていたことから、この事件は“ジョーカー事件”とも呼ばれているようだ。

     彼と“ジョーカー”には、霊的に何らかの共通点があるのだろうか。
    そして、こうした事件を起こす人物は“無敵の人”とも呼称されているが、“無敵の人”にも何らかの共通点があるのだろうか。

    独りで考えてもらちが開かないと思い、青年は陰陽師の元を訪れるのだった。

    『先生、こんばんは。本日は、ジョーカーと“無敵の人”について教えていただきたいと思い、お邪魔いたしました』

    「あまり聴き慣れない言葉じゃが、“無敵の人”とはどういった人物のことをさすのじゃ?」

    『“ひろゆき”氏による造語ではありますが、簡潔にお伝えしますと、無敵の人とは、“社会的に失うものが何も無いために犯罪を起こすことに何の躊躇もない人”のようです』

    「なるほど。して、ジョーカーとの共通点は?」

    《映画“JOKER”における、アーサー・フレックスのセリフ》
    “僕に失う物なんてなにもない。僕を傷つけるものなど、もう何もない。僕の人生は喜劇にすぎない。”

    『アーサーのセリフは劇中のものではありますが、似ていると言えば似ていると思われます。そのため、ジョーカーと“無敵の人”には、霊的にもなんらかの共通点があるのではないかと思った次第です』

    「そなたが知りたいことについてはわかった。して、具体的にどんな人物の鑑定をすればいいのじゃ」

    『まずは、ジョーカーとジョーカー事件を起こした服部恭太氏の鑑定をお願いします』

    「さっそくみてみよう。少し待ちなさい」

    そう言い、陰陽師は鑑定結果を紙に書き出していく。

    両者の属性表を見比べた後、青年は口を開く。

    『両者の属性は共通点が多いですね。ちなみにですが、服部氏はジョーカーに憧れたと述べていたようですが、魂の属性が近いことから、親和性を持っていると考えられるのでしょうか?』

    「その可能性は考えられるじゃろうな」

    陰陽師の言葉に対し、青年は小さくうなずき、口を開く。

    『ジョーカーは映画“バットマン”シリーズの最大の敵で、犯罪の首謀者として描かれています。属性表を見る限り、転生回数の十の位が“小山”である“4”の魂3:武将であり、しかも一の位が“雑味がなく、本来持って生まれた能力を100%発揮しやすい”傾向がある“1”であることを考慮すると、納得できます』

    「そなたの見解に付言するとすれば、 “バットマン”シリーズは回を重ねるごとに脚本家が変わることもある。その結果、魂の種類や転生回数などの大まかな部分は変わらぬものの、脚本家の演出によっては細部の数字は変わることがある。つまり、今回の鑑定結果は最新の映画である“JOKER”のものであることを覚えておくように」

    青年は小さくうなずき、口を開く。

    『かしこまりました。いずれにせよ、今回の属性表だけから判断しても、ジョーカーが“悪の権化”といった側面があると考えられるのでしょうか』

    「そうじゃな。他のシリーズのジョーカーの鑑定をしていないゆえ、一概には言えぬものの、そうした側面は間違いなくあると考えられる」

    陰陽師の言葉に対し、青年は小さくうなずいてから、再び属性表を見比べる。

    『ジョーカーはビジネス運と人運が、服部恭弥氏は人運が“1”ともっとも低い数値ですが、それぞれの運が非常に悪く、仕事と人間関係において数多のトラブルを体験することが今世の課題に含まれている傾向がある、と考えても問題ないのでしょうか?』

    そう言い、青年は総合運について紙に書き足していく。

     総合運が9点満点として、なおかつ9点の項目の運がある場合、その項目で苦労することは今世の宿題に含まれていない傾向がある。そして、8点の場合は、霊障とは関係なく“何らかの問題を抱える”ことになり、7点以下になってしまうと、“かなり大きな問題を抱える”結果となる傾向がある。また、全体運が1点下がる毎に、それ以外の項目は、全体運9点の場合と比べて、さらに1点ずつ下がる傾向がある

    「その傾向はあるじゃろうな。ちなみに、映画“JOKER”ではどんな不運な出来事が描かれておるのじゃ」

    『映画での演出ではありますが、次のようです』

    ・アーサーがピエロの格好で店の看板を持ちながらセールの宣伝をしていると、不良の若者たちに看板を奪われ、しかも暴行を受ける。後日、彼は派遣会社から看板を壊したことと、仕事を放棄したことを責められ、まともに話も聞いてもらえなかった。
    ・アーサーは同僚ランドルから護身用にと半ば強引に拳銃を受けとるが、その拳銃を小児病棟の慰問中に落としてしまい、上司からクビを宣告される。しかも、同僚ランドルは保身のために嘘を吐いた。
    ・アーサーが地下鉄に乗っていると、1人の女性が酔っ払ったスーツの男3人に絡まれていた。彼は見て見ぬふりをしようとするも発作が起きて笑いが止まらなくなり、気に障った3人から暴行を受けると、反射的に拳銃を取り出して全員を射殺してしまう。
    ・不運が続くアーサーの心のよりどころは、同じアパートに住むシングルマザーのソフィー・デュモン。彼はソフィーとは挨拶をする程度の関係で、度々ソフィーの後をつけ、その姿を眺めていた。地下鉄殺人の犯人を支持する市民の様子に彼は気分を上げ、ソフィーと仲を深める。しかし、実際は、彼はソフィーとの仲を深めることなどできておらず、これまで過ごした2人の日々は全て彼の妄想だった。
    ・ランドルはアーサーが地下鉄殺人の犯人であることに感づいており、拳銃の出所について証言の口裏合わせをするため来訪した。その際に、アーサーは隙をついてランドルをナイフで胸と目に突き刺し、頭を何度も壁に打ち付けるなどして惨殺する。
    ・アーサーは、自分が母親の恋人によって酷い虐待をされていたこと、虐待する恋人を母親が止めなかった理由が“虐待されても笑っているから”だったことを知る。全てに絶望した彼は、母親を殺害した。
    ・尊敬する大物芸人マレーと生放送で共演することになったものの、アーサーはまず地下鉄での証券マン3人の殺人の犯人であることを告白すると、続いて社会の不条理を主張し始めた。マレーとの口論の末、怒りに身を任せてマレーを射殺し、その場で逮捕されてしまう。

    読み上げた後、青年は眉間にしわを寄せながら言葉を続ける。

    『それにしても、これがノンフィクションだったら、壮絶な物語だと思います。映画として盛り上げるための脚本だと理解できるのですが…』

    「そうかもしれぬな。して、服部恭太氏にはどのような出来事があり、どのような動機で事件を起こしたのじゃ」

    陰陽師に問われた青年は、スマートフォンを操作し、口を開く。

    『まずは、事件前に彼の身に起きていた出来事です』

    ・4年前に恋人と別れたにもかかわらず、事件発生日もSNSのプロフィール画像に当時の恋人との写真を用いていた。
    ・2017年に漫画喫茶のシャワー室を2回盗撮した。
    ・3年以上務めたコールセンターの仕事では濡れ衣を着せられ、客とチャットでトラブルを起こす。その後、勤め先から部署の配置転換を提案されるが拒み、自主的に退職した。
    ・事件発生時は無職で、消費者金融からお金を借りて犯行の軍資金と生活費に充てていた。

    『今度は動機ですが、次のようです』

    ・人をやっつけるジョーカーに憧れていた。
    ・仕事で失敗して友人関係もうまくいかず死にたかった。
    ・自分では死ねないから人を殺して死刑になりたかった。2人以上殺せば死刑になれると思って事件を起こした。
    ・小田急線刺傷事件をまねた。

    「小田急刺傷事件をまねたとあるが、その事件はどういったものなのじゃ?」

    陰陽師の問いに対し、青年はスマートフォンを手早く操作し、口を開く。

    『ジョーカー事件の少し前、2021年8月6日に対馬悠介氏が牛刀を用いて小田急線の車内で乗客10人を斬りつける事件がありました。特に、標的にされた20代の女子大生は重傷を負っています』

    「なるほど」

    陰陽師のあいづちに対し、青年は言葉を続ける。

    『小田急線の事件では、対馬氏が刃物で切りつけた後、車内で放火しようとした点はジョーカー事件と同じです。ただ、着火剤として選ばれたサラダ油の引火点(着火するのに必要な最低温度)は250度らしく、彼はライターを使ったためにそこまで高温にすることはできず、火災には至りませんでした』

    「ちなみに、ジョーカー事件の加害者である服部氏は何を着火剤として用いたのじゃ」

    『対馬氏がサラダ油で失敗したことがWEB上に記載されており、そうした情報を知った服部氏は、可燃性の高いライターオイルを選び、小田急線の事件よりも被害が拡大したようです』

    「なるほど。ちなみに、小田急線刺傷事件の加害者は、どのような動機で犯行に及んだのかの」

    青年はスマートフォンを操作した後、口を開く。

    ・食料品店で万引きを行い、女性店員に通報された。店員を恨んだ容疑者は、その日のうちに殺害を決意したものの、食料品店が閉まる時間だったため、電車での無差別殺人に計画を変更した。
    ・以前サークルでばかにされ、出会い系でも断られるなどし、勝ち組の女や幸せそうなカップルを見ると殺したくなるようになった。
    ・“派手な感じをした勝ち組っぽい女性に見えた”という理由で、女子大生を狙った
    ・さらに大量殺人を企て、電車内にサラダ油を撒いてライターで火をつけようとしたが、燃えることはなかった。

    青年の言葉を聞いた陰陽師は、紙に属性表を書き足していく。

    新たに書き足された属性表を見た後、青年は口を開く。

    『彼の場合、ジョーカー事件の加害者と犯行の動機が異なり、女性への逆恨みや、そこから派生する攻撃性、八つ当たりという印象を受けます。また、属性表から判断するに、人運、恋愛運が共に“6”であり、“6”が持つ傾向である“不幸(そのもの)”、“不幸な選択”、“不実”、“攻撃性”、“サド的気質”の中でも、特に“攻撃性”も事件を起こした要因の一部となっている可能性があるのではないかと考えました』

    「その可能性はあるじゃろうな」

    『動機は異なれど、電車内で起きた事件として話を進めますと、対馬悠介氏が小田急刺傷事件を起こしたことで、この事件を模倣して服部恭太氏が京王線刺傷事件を起こし、さらにその事件を模倣し、2021年11月8日に三宅潔氏が九州新幹線にて放火未遂をしました』

    「ちなみに、三宅氏の犯行の動機は似たようなものかの?」

    『ネットで調べる限り、当時の彼は生活保護であり、経済的に困窮していたことを主な理由とした自殺目的のようです』

    「なるほど。動機はそれぞれ一致してはいないものの、一つの事件をきっかけに、それと似たような事件が続いている可能性が考えられるようじゃな」

    そう言い、陰陽師は紙に属性表を書き足していく。

    全員の属性表が明らかになったことで、青年は四つの属性表を見比べた後、口を開く。

    『アーサー・フレックス(ジョーカー)と服部恭太氏の属性表は近いものの、他の2名は細部が異なる印象を受けます。とは言え、四名の共通点はそれなりに挙げられそうです』

    そう言い、さらに青年が4名の共通点を読み上げた後、陰陽師は口を開く。

    「そなたが挙げた共通点の中で、次の項目の数が多くなるにつれて、世間でいうところの“犯罪者”となる可能性が高くなると考えられる」

    そう言い、陰陽師が口頭で伝えた項目を、青年は紙に書き留めていく。

    《この世の基準における共通点》
    ・恋人がおらず、仕事がなくて経済的に困窮している。

    《属性表における共通点》
    1:頭2で、二桁目の枝番が“3”以上(1〜3)
    2:“自己中”度が80以上
    3:三桁目の枝番のほとんどが7か9
    4:仁が50以下
    5:慈愛が35以下
    6:攻撃性の項目の上段の数字が“2”
    7:インターフェイスの一桁目と二桁目の数字が共に“6”(攻撃性が高い)
    8:人運が“6”以下
    9:ビジネス運が“6”以下

    青年は紙に書かれた共通点を見た後、口を開く。

    『頭2の人物には、“我”が強く、物事を自分の利害関係で判断する傾向があり、二桁目の枝番は、“1”に近いほど頭1/2の傾向が顕著になるとお聞きしました。4人とも、頭2で二桁目の枝番が“3”以上ですので、頭2の傾向がかなり強いと思われます』

    そう言い、青年は、頭1と2の傾向を紙に書き記していく

    頭1:農耕/遊牧民族の末裔。世のため・人のためを地で行動する傾向がある
    頭2:狩猟民族の末裔。“我”が強く、物事を自分の利害関係で判断する傾向がある

    手を止めた後、青年は言葉を続ける。

    『また、2:“自己中”度の高さが頭2の傾向に輪を掛けていると思われますが、加えて、3の条件によって“この世の法律や社会規範”から逸脱した言動を取る傾向があると考えられるため、各々が犯罪に手を染めようという結論に至る傾向があったと考えられます』

    「そのように考えることもできるかもしれぬな」

    『事件を起こそうと思い至っても、場合によっては考え直す機会もあったかもしれませんが、4から7の特徴によって、思いとどまることなく、実際に犯行に及んでしまった可能性が考えられるのでしょうか』

    「人間は多面体で一つの出来事においても様々な要因が複雑に絡んでいることから、一概には言えぬものの、そうした可能性も考えられるじゃろうな」

    陰陽師の言葉に対し、青年は小さくうなずき、口を開く。

    『8と9に関しては、“恋人がおらず、仕事がなくて経済的に困窮している”という、この世の基準における共通点に通ずるところがあると思います。ただし、8と9の数値が低いがゆえに今世ではそうした境遇に陥ってしまったと考えられます』

    「そなたの考えに対して付言しておくと、対馬悠介氏について言及した際に“6”が持つ傾向である“不幸(そのもの)”、“不幸な選択”、“不実”、“攻撃性”、“サド的気質”と説明していたと思うが、そうした数字が持つ傾向については、あくまで現時点での見解であり、今後、より多くの人物の鑑定とその人生を照らし合わせて統計を取っていくことで、変わる可能性があることを覚えておくようにの」

    陰陽師の言葉に対し、青年は大きくうなずいた後、口を開く。

    『かしこまりました。ここまでのお話をまとめますと、世間的には、“無敵の人”が誕生する原因は社会にあるという声もあります。確かに、今回取り上げた人物達に、恋人・友人がおらず、仕事もお金もないことの要因に、コロナ禍もあってか、昨今の社会情勢の影響もあったかもしれません』

    青年の言葉に対し、陰陽師は黙って続きを促す。

    『しかしながら、今世の宿題に対し、逆接方向に顕在化する、霊脈の先祖霊の霊障がかかっていないことと、欄外の枝番が持つ傾向と、ビジネス運、人運、恋愛運が低いことなどを考慮すれば、各々が“無敵の人”の条件を満たしたのは、社会に原因があるのではなく、それぞれの今世の課題を果たすため、という可能性が考えられるのでしょうか』

    「その可能性はあるかもしれぬな。そして、各々があえてそうした不運な境遇を体験することを今世の課題として決め、この世に転生すると決めたことは、この世が“修行の場”であり、他の多くの新興宗教がうたう、“地上天国”を目指す場ではないという一つの根拠になりうるのじゃ」

    そう言い、陰陽師は壁時計に視線を向ける。

    それに気づいた青年も、スマートフォンで時間を確認する。

    『もうこんな時間でしたか。今日も遅くまでありがとうございます』

    そう言い、青年は席を立って深々と頭を下げた。

    「今日もご苦労じゃったな。気をつけて帰るのじゃぞ」

    陰陽師はいつもの笑みで手を振り、青年を見送った。

    帰路の途中、青年は今回取り上げた事件について反芻していた。

    彼らの犯行に対して、この世の基準で批判、非難することは容易い。

    だが、彼らは各々の今世の課題を果たしているに過ぎず、さらに言えば、例えば、欄外の枝番に“1”を持つ、“この世の法律や社会規範”を準ずる人々からすれば、彼らの言動は批判や非難の対象になることは当然のように思われるが、欄外の枝番に“9”を持つ人々からすれば、その逆もまた然りなのかもしれない。

    結局のところ、この世は“修行の場”であり、各々が今世の課題を果たすことが重要であるので、直接関わることがない人物の価値観や言動について批判や非難をするよりも、なぜ自分は赤の他人に対して批判や非難をしようと思ったのかを考え、自分の今世の課題を果たす糧にしていく方が、“魂磨き”の観点で考えれば適しているのではないか。

    今回取り上げた加害者たちの言動を知り、世間の大勢の目に触れる形で今世の課題を果たしている彼らと比べて、自分は今世の課題を果たせているのだろうか。
    自分の人生という映画の主演を演じきれているのだろうか。
    この世の基準に囚われて、今世の課題と関係ないことに命を費やしていないだろうか。
    その答えはきっと、自分がこの肉体を離れる時にわかるのかもしれない。

    少なくとも、今は霊的な要因によって無用な苦労をしている人々に神事を済ませることの重要性を伝え、一人でも多くの人々が今世の課題を果たせるよう、尽力していこう。

    そう、青年は思議したのだった。

    《合わせて読みたい》
    ・第19話:2018年東海道新幹線殺傷事件と魂の属性

  • 新千夜一夜物語 第60話:問題を起こす都・市議会議員の魂の属性と適性

    新千夜一夜物語 第60話:問題を起こす都・市議会議員の魂の属性と適性

    青年は思議していた。

    都・市議会議員の中で、問題行動を起こしている人物がいる件についてである。

    元東京都議会議員である木下富美子さんは、自動車運転死傷処罰法違反(無免許過失運転致傷)と道路交通法違反(報告義務違反)を。
    臼杵市議会議員である若林純一さんは、鼻マスクで議会に参加し、市議会のルール違反を。
    志木市議会議員である与儀大介さんは、議会の無断欠席を。

    地方の市政を担う立場であるにもかかわらず、こうした問題を起こす3名には、何らかの共通点があるのだろうか。

    独りで考えてもらちが明かないと思い、青年は陰陽師の元を尋ねるのだった。

    『先生、こんばんは。本日は問題行動を起こしている都・市議会議員について教えていただきたいと思い、お邪魔いたしました』
    「そのような議員に何人か心当たりがあるが、そなたが気になった人物を、具体的に教えてもらえるかの」
    青年が挙げた人物の名前を聞いた陰陽師は、紙に属性表を書き連ねていく。

    三人の属性表を見比べた後、青年は言った。

    『全員の共通点として、全員の人運が“7”と低いことと、血脈の霊障に“14:人的トラブル”と“17:天啓/憑依”の相がかかっていることが挙げられます。ただし、それらはあくまで複雑に絡み合う要因の一部に過ぎないと思いますが」

    陰陽師がだまってうなずくのを見、青年は言葉を続ける。

    『まずは木下富美子元都議についてですが、彼女は自動車運転死傷処罰法違反(無免許過失運転致傷)と道路交通法違反(報告義務違反)を起こしたことが、辞職勧告となる主なきっかけとして取り上げられています』

    そう言い、青年はスマートフォンを見ながら内容を説明する。

    2021年7月2日、東京都議選期間中に板橋区高島平3丁目の“高島平二丁目交差点”で車をバックさせて衝突事故を起こしていた。しかも、免許停止期間中の無免許状態であった。
    7月4日、都議会板橋区選挙区より再選。
    7月6日、都民ファーストの会から正式に除名された。その後、木下富美子さんは一人会派である“SDGs東京”を立ち上げる。
    7月23日の臨時会にて、全会一致で辞職勧告決議案が決議された。
    9月28日、都議会定例会にて全会一致で二度目の辞職勧告決議案が決議された。これに対し、木下富美子さんは、ホームページ上で議員継続を表明。
    10月13日、体調不良を理由に“召喚状”には応じず議会を欠席。
    11月22日、都議会議員を辞職。

    『ウェブ上の情報を見る限り、無免許運転は今回に限らず、通算7回もしていたようですね。さらに、彼女を取り巻く騒動は、その事故で終わらず、彼女は当選後に一度も公の場に姿を見せなかったにもかかわらず、議員報酬を全額受け取っていたようです』

    「彼女に対する、世間の声はどうだったのじゃ」

    『都議会局や都選挙管理委員会に“辞職すべきだ”“給与が出るのはけしからん”など430件以上の抗議が寄せられていたようですね。それを受けてかはわかりませんが、議員報酬をNPO法人などの団体に寄付し、政務活動費である合計150万円は都に返還し、今後は政務活動費を請求しない方針を示しました』

    「なるほど」

    『ただ、給与を寄付したと判断できる資料の提出がないようで、実際のところは不明ではないかと』

    「ちなみに、彼女は世論だけでなく他の議員からも辞職を求められていたものの、辞職するまでにそれなりに時間を要していたようじゃが、どういった心情だったのかの」

    青年はスマートフォンを操作した後、答える。

    辞職を求める声があるのは承知している。批判を受ける一方で続けてほしいという声があるのも事実

    『とのことですが、彼女は“自己中”度が80と高く、“トンチンカン度”も85と非常に高いことから、こうした発言も含め、自己中心的で常識外れと言っても過言ではない、一連の問題行動を取ってしまった可能性が考えられます』

    「特に、“トンチンカン度”が高い人物は、世間一般の常識を正確に理解することや、他者がどのように考えているかを理解することが難しい傾向を持つため、その可能性は少なからずあるかもしれぬな」

    陰陽師の言葉に青年はうなずき、口を開く。

    『今度は臼杵市議会議員である若林純一さんについてですが、彼は市議会でのマスクの着用をめぐる騒動を起こした結果、2021年9月30日に市議会にて辞職勧告決議が可決されました。決議文の内容としては』

    青年はスマートフォンを操作した後、再び口を開く。

    2021年8月末、中学校周辺や駅でマスクを着用せずに新型コロナウイルスのワクチンの子供への接種停止を求めるチラシを配布。その結果、臼杵市の議会に市民から抗議が寄せられる。
    9月7日、議長発言によりマスク着用が強制であるルールを知る。鼻マスクであることを二度注意された際、挙手して発言を求めたが、黙殺される。その後に最後通告を受け、午後は欠席。
    9月16日、ノーマスクで出席。退席命令を受けるが理由が不明瞭だと主張し、居座る。
    9月21日、鼻マスクで出席。挙手で発言を求めるが、鼻までマスクをしていないので発言は許されないと注意され、退席。
    9月30日、最初は鼻が隠れるようにマスクを着用していたが、自席に着席すると鼻を出した。議長から鼻を隠すように求められたが無視したため、退席を命じられる。
    彼が退席した後に、マスクの適正着用を求める議長や委員長に従わないとして、議員としての規範意識が欠如していると指摘し、辞職勧告決議案が可決された

    「して、辞職勧告を受けた彼は、どう応えたのじゃ」

    『表現の自由を侵害しているとして、彼は臼杵市と市議会に対してマスク着用義務や議会内の発言禁止処分の取り消しおよび、100万円の損害賠償などを求めて提訴したようです』

    若林純一氏の属性表を再び見、青年は言葉を続ける。

    『マスクの着用を拒否している点だけに着目すれば、以前お聞きした(※第42話:マスク拒否おじさんと魂の属性)、4−4(転生回数期が第四期の魂4)の男性に近い魂の属性を持っているのではないかと思いました。まさか、“魂2:貴族”の魂を持つ人物だったとは』

    驚きを隠せない様子の青年を横目に、陰陽師は湯呑みに注がれた茶を一口飲む。

    「ちなみに、彼が鼻マスクを続けている理由についてはわかるかの」

    『また、新型コロナウイルスが発生した当初、マスクは飛沫を防ぐための“咳エチケット”だったのですが、やがて、未着用は悪いことだと世間の風潮が変わったと思われます。そうした風潮を踏まえた上で、彼は“マスクを着用するか否か”ではなく、“マスクを強要すること”への問題定義として鼻マスクを続けているようです』

    「なるほど。“魂2:貴族”が持つ傾向の一つに、自分の信条を行動によって世に信を問うという気質がある。その顕れとして、鼻マスクを続けていると言えるかもしれんな」

    陰陽師の言葉を聞いた青年は、若林純一市議の属性表を再び見た。

    『彼の信条と魂2が持つ傾向については理解できます。ただ、彼の魂の性質親近性の数字は、上段が“4”ですから、“7”を持つ人物に比べて“優しさ”や“穏やかさ”を持つ傾向があると考えられるため、市議会という公的な場で違反行動を取って問題を起こすような人物には思えないのですが…』

    「そなたの考えに付言するとすれば、下段が“5”であるため、“優しさ”や“穏やかさ”の傾向を根本に持ちながらも、“7”を持つ人物の傾向に寄っていると考えられる。さらもって具体的に言えば、上段に“7”、下段に“1”の数字を持つ人物の傾向と似ていると言えるかもしれぬ」

    青年はしばらく黙考し、やがて口を開く。

    『なるほど。魂の性質親近性が7(1)の人物は明確に自己主張をする傾向があると認識していましたが、その傾向に似ていると考えれば、彼が辞職勧告を受けるまで度重なる注意をされても鼻マスクをし続けていることに納得できます』

    「そのように捉えることもできよう。して、辞職勧告を受けた彼は、今後の議会における振る舞いについて、どのように応えておるのじゃ」

    青年はスマートフォンを操作し、答える。

    そういう風に思われているのは理解しました。これからも市民のために粉骨砕身で頑張る所存です。

    『と述べていますが、鼻マスクについては言及していないようですので、辞職勧告ではなく、強制的に辞職させられるといった、よほどの圧力がかからない限り、彼は鼻マスクを続けるかもしれませんね』

    苦笑を浮かべながら言う青年に対し、陰陽師は小さくうなずいて口を開く。

    「その可能性もじゅうぶんに考えられるじゃろうな。それにじゃ、ワシが見る限り、彼は家庭教育に関する見識が深いようじゃから、他の道に進むことも選択肢の一つかもしれぬ」

    青年はスマートフォンを操作し、口を開く。

    『そう言えば、彼は臼杵市役所の教育民生委員会に所属しているようですから、先生の見立ての通りかもしれませんね』

    民生委員は、厚生労働大臣から委嘱され、それぞれの地域において、常に住民の立場に立って相談に応じ、必要な援助を行い、社会福祉の増進に努める方々であり、「児童委員」を兼ねています。
    児童委員は、地域の子どもたちが元気に安心して暮らせるように、子どもたちを見守り、子育ての不安や妊娠中の心配ごとなどの相談・支援等を行います。また、一部の児童委員は児童に関することを専門的に担当する「主任児童委員」の指名を受けています。”

    厚生労働省ウェブサイト

    青年は一枚の属性表を手に取り、再び口を開く。

    『最後は志木市の与儀大介議員についてですが、2021年2月19日に埼玉県志木市議会が彼に対して“猛省を促す決議”を多数決で可決しました』

    「猛省を促すとは、いったい彼は何をしたのじゃ」

    2020年9月30日の朝霞地区一部事務組合議会を無断欠席
    2021年2月15日の市議会代表者会議と議運を欠席

    『ちなみにですが、後者の会議を欠席した理由は商談だったようです』

    そう言い、青年はスマートフォンを見ながら文章を読み上げる。

    (商談は)企業誘致につながる話だった。(議運などが)志木市のためになる動きを飛ばしてでも参加しなければならない重要な会議かと言われると、そうではないと判断した。

    『とのことですので、前者の会議を無断欠席したことも考慮すれば、彼にとって、公務の優先順位はあまり高くない印象を受けます』

    青年は彼の属性を再び眺め、腕を組んでから言葉を続ける。

    『ただ、彼の物事の本質を見極める力や大局的見地の数値が高く、トンチンカン度と“自己中”度の数値が低めであることを考慮すると、本来は、議会を欠席するような傾向を持つ人物ではないと考えられますが』

    「ふむ。それにしても、なにゆえ彼は志木市議会議員に出馬したのじゃ」

    『ウェブ上の情報を見る限り、矢内東紀さん、通称えらいてんちょうさん(頭2、2−3武士)が“しょぼい政党”を立ち上げて政治活動を始めた際に、与儀大介さんがえらいてんちょうさんから立候補して欲しいと声をかけられたことがきっかけだったようです』

    「なるほど。彼の本懐ではなかったようじゃな」

    陰陽師の言葉に対し、青年はうなずき、口を開く。

    『どうやら、そのようです。実際、彼はSNS上で、“僕には政治思想や実現したいことなどなかったのですが、えらてんさんとやっていたらおもろい景色を見せてくれるんだろうなぁ”と述べています』

    青年はスマートフォンを手早く操作し、言葉を続ける。

    『ところが、彼が当選した後、えらいてんちょうさんが体調を崩し、しかも復帰の目処が立たなかったようですので、えらいてんちょうさんが見せてくれたであろうおもろい景色を見ることが叶わなくなってしまいました。それで、市議会議員としてのモチベーションが大きく下がってしまったと思われます』

    「彼が政治に参加した動機や彼の適性を考えれば、その通りかもしれんな。ワシが見る限り、彼には世界的な見識があり、世界を相手に飛び回る方向性の方が適しているようじゃ。また、彼の適性・今後の人生の方向性の一つとして、不特定多数の人に“娯楽の場”を提供することが挙げられる」

    『なるほど。ちなみに、彼にとって、具体的にどのような職業が適していると考えられるのでしょうか』

    陰陽師は小刻みに指を動かした後、口を開く。

    「大きく分けて二つが考えられる。一つ目は、自分の理想を追いかけ、NPOを立ち上げて世界的な環境問題に取り組むなど、世間的にクリーンな“清く正しく美しく”を地で行く方向性じゃ」

    陰陽師の言葉を聞いた青年は、しばらく黙考した後、口を開く。

    『彼の欄外の枝番の数字はほぼ“1”ですので、“この世の法律や社会規範”に準じた傾向があると考えられるため、納得できます。ただ、その内容ですと、若林純一さんではありませんが、“魂2:貴族”の人物に適している方向性のように思われますが』

    「そこで、二つ目の話じゃ。先ほど説明した、不特定多数の人に“娯楽の場”を提供することを基にした事業が二つ目となり、飲食店やクラブや風俗店の経営、あるいはIT関連にも彼は適しているようじゃな」

    青年は手を打ち、口を開く。

    『なるほど。エステサロンやバーなどの経営もしているようですので、納得できます。また、彼が“魂3:武士”であることも踏まえれば、議会に出席するよりも、彼が考える志木市のメリットのために商談を優先したということも、わからなくもないです」

    「まあ、その可能性もありえるじゃろうな」

    青年は再び3人の属性表を見比べ、口を開く。

    『以前、我が国の与党議員となりえる魂の属性についてお聞きしましたが(※第31話:東京都知事選2020と魂の属性②)、都・市議に適した魂の属性にも、何らかの傾向があるのでしょうか』

    そう言い、青年は紙にペンを走らせる。

    与党側の多く、首相の魂の属性:1(4)−1、2(4)−3
    野党側の多くの議員の魂の属性:2(3)―3、2(7)−4

    「現時点での仮説としては、基本的にはその傾向に沿っていると思われる。ただし、県議会議員、市議会議員、町・区議会議員と規模が縮小するにつれて、その傾向から離れ、曖昧になっていく可能性も考えられる」

    『なるほど。今回の3名ですと、与儀大介さんが2(3)―3に該当していますが、3名それぞれの都・市議会議員としての適性を鑑定することはできるのでしょうか』

    「どれ、みてみよう。少し待ちなさい」

    青年が固唾を飲んで見守る中、陰陽師は指を小刻みに動かした後、結果を紙に書き記していく。

    与儀大介 :75
    木下富美子:60
    若林純一 :35

    青年はやや目を見開きながら口を開く。

    『与儀さんのスコアが3名の中で1位であることは予想していましたが、若林さんよりも木下さんの方がだいぶ適性があるようですね。ただ、先ほど先生からお聞きした若林さんの適性を考えれば、納得できますが』

    「人間は多面体であり、それぞれの今世の課題が異なるゆえ、魂の種類や属性だけで適性を判断できるわけではないということじゃな」

    陰陽師の言葉に対し、青年は真剣な表情でうなずいた後、口を開く。

    『それにしても、適性に関しては90点(S)以上が望ましいとのことだったと記憶していますが、三人ともその水準を下回っているようですね』

    「出逢いは必然であることから、その三人が政界に進出したことは、本人たちにとっては言うまでもなく、その三人と関わった人々にとっても何らかの学びを得られたじゃろうから、適性のスコアだけで判断をしないようにの」

    陰陽師の言葉に対し、青年は大きくうなずく。

    『そうですね。都・市議での経験が、それぞれにとって適した道に進んだ時に活かされる可能性もあるでしょうし。ただ、与儀さんは血脈先祖の霊障と天命運に“2:仕事”の相がかかっていますので、市議の任期を終えた後の仕事においても、無用な重しがあると思われますが』

    眉間にシワを寄せながらそう言う青年に対し、陰陽師はいつもの笑みで声をかける。

    「一つ補足しておくと、与儀大介氏と若林純一氏の転生回数の一の位の数字は共に“1”じゃ」

    『そう言えば、転生回数の一の位の数字にも、それぞれ傾向があるのでしたね。僕の見立てでは、木下富美子さんの転生回数の一の位の数字は、“数奇な運命を歩む”、“拡散、爆発、拡散、アップダウンが激しい”傾向がある“3”ではないかと思いましたが』

    青年の言葉に対し、陰陽師は小さくうなずいた後、口を開く。

    「そなたの言う通りじゃ。話を戻すが、“1”の数字が持つ意味とは、“雑味がなく、本来持って生まれた能力を100%発揮しやすい”傾向があると思われるが、現時点では確認・検証中ではある」

    『なるほど。与儀さんと若林さんが今後どのような方向性に進むにせよ、本来持って生まれた能力を100%発揮しやすい傾向を持っているなら、現在のパフォーマンスはお二人とも23%しか発揮されていませんので、なおさら、各種神事を済ませてパフォーマンスを100%にし、今世の課題を果たしていただきたいところです』

    「時が満ち、そなたと何らかの縁があればあるいは…」

    そう言い、陰陽師は壁時計に視線を向ける。
    それに気づいた青年も、スマートフォンで時間を確認する。

    『もうこんな時間でしたか。今日も遅くまでありがとうございます』

    そう言い、青年は席を立って深々と頭を下げた。

    「今日もご苦労じゃったな。気をつけて帰るのじゃぞ」

    陰陽師はいつもの笑みで手を振り、青年を見送った。

    帰路の途中、青年は都・市議会議員の適性について考えていた。
    若林純一さんは2010年の市議選において、与儀大介さんは今回の市議選において、無投票で当選していたようだ。

    国を変えることは難しくても、都・市議としての適性が90点以上である人物が、無投票で当選できそうな地域で出馬すれば当選しやすくなるだろう。
    そして、適性を持つ市議が増えることで、小さい規模からでも少しずつ社会に変化をもたらすことができるのかもしれない。

    今回の自分の寿命が尽きる頃には実現しないだろうが、遠い未来に何度か転生を繰り返したら、適材適所ではないが、より多くの人が天職に就き、魂磨きに励む時代を見られるかもしれない。
    そのためにも、今世の自分は、一人でも多くの人にこの世とあの世の仕組みについて伝えていこう。

    そう、青年は思議したのだった。

    《合わせて読みたい》
    第42話:マスク拒否おじさんと魂の属性
    第31話:東京都知事選2020と魂の属性②

  • 新千夜一夜物語 第59話:殺人犯が服役中に数学に目覚めた話

    新千夜一夜物語 第59話:殺人犯が服役中に数学に目覚めた話

    青年は思議していた。

    ワシントン州シアトル近郊の刑務所で服役中のクリストファー・ヘイブンズ氏が、大昔の数学の問題を解いたことについてである。

    その問題は、“幾何学の父”と称される古代エジプトのギリシャ系数学者、エウクレイデス(ユークリッド)が頭を悩ませた“連分数”であり、現在では暗号技術などに使われる、非常に重要な理論だという。

    殺人罪で服役中にもかかわらず、世界初の理論を発見した彼は、どのような魂の属性なのだろうか。

    一人で考えてもらちが開かないと思い、青年は陰陽師の元を尋ねるのだった。

    『先生、こんばんは。本日は殺人罪で服役中の数学者について教えていただきたいと思い、お邪魔いたしました』

    「殺人犯でありながら数学者でもある人物とな。具体的に、どういった人物かを教えてもらえるかの?」

    青年はスマートフォンを操作し、ネットの記事をかいつまんで陰陽師に伝える。

    『クリストファー・ヘイブンズ氏は、高校を中退した後に麻薬に手を出したあげく、殺人を犯してしまい、2011年に25年の実刑判決を受けており、現在もワシントン州の刑務所に服役しています。現在40歳である彼には、刑期がまだ15年も残っています』

    「話を聞く限り、服役してから10年も経っているようじゃが、その間、彼はどのようにして数学を学んだのじゃ?」

    青年は再びスマートフォンを操作し、口を開く。

    『彼と数学との出逢いに関する記述はありませんが、刑務所の中で数学を学び始めてから、彼は独学で高等数学の基礎を終えたようです。その後、基礎では物足りなかった彼は、とある出版社に手紙を出し、“Annals of Mathematics”という数学誌を求めました。その数学誌を求めると同時に、彼は刑務所内で数学について話し合える仲間がいないと嘆いていたことも伝えていたようです』

    「して、その手紙を発送したことで、どんな縁が繋がったのじゃ」

    『すると、この手紙を受け取ったMathematica Science Publisherの編集者のパートナーの父親が、なんとトリノ大学の数学者ウンベルト・チェルッティ教授だったようです。手紙を読んだ教授は、手紙を持ってきた娘のためもあってか、クリストファー氏に数学の問題を与えてみたようです』

    「それで、クリストファー氏はその問題を見事解いてみせたと」

    陰陽師の言葉に対し、青年はうなずき、口を開く。

    『チェルッティ教授の課題をクリアしたクリストファー氏は、今度は教授が取り組もうとしていた大昔の数学の問題に挑戦しないかと誘われ、その後に世界初の理論を発見したとのことです』

    「なるほど。ちなみに、彼が解いた問題とはどのようなものなのじゃ」

    青年はスマートフォンを操作し、苦笑を浮かべながら口を開く。

    『数学に明るくないので真っ当な説明ができませんが、“連分数”に関する理論のようです。しかも、この問題は、古代ギリシャの数学者エウクレイデス(ユークリウッド)が頭を悩ませていたほどだそうです』

    そう言い、青年は連分数の説明を読み上げる。

    ”連分数とは分母に更に分数が含まれているような分数のことを指す。分子が全て 1 である場合には特に単純連分数または正則連分数ということがある。単に連分数といった場合、正則連分数を指す場合が多い。具体的には次のような形である。

    連分数SS

    ここで a0 は整数、それ以外の an は正の整数である。正則連分数は、最大公約数を求めるユークリウッドの互除法から自然に生じるものであり、古くからペル方程式の解法にも利用された。”

    「して、この理論は世間でどのような形で活用されておるのじゃ」

    『例えば、現代の暗号技術などにも応用され、金融や軍事通信といった分野で重要な役割を果たしているそうです』

    陰陽師は湯呑みに注がれた茶を一口のみ、口を開く。

    「なるほど。殺人を犯しながらも、そのように世界初の理論を発見したクリストファー氏の魂の属性について知りたいということじゃったな」
    無言でうなずく青年を見やり、陰陽師は紙に鑑定結果を書き記していく。

    クリストファー・ヘイブンズSS
    ウンベルト・チェルッティSS

    両者の属性表を見比べ、青年は口を開く。

    『二人とも数学の研究に携われるという素質から、転生回数が第三期で十の位が“9”、すなわち190回代で理系の“大々山”に該当する“魂3:武士”ではないかと予想していましたが、やはり』

    「何事も例外があるゆえ、あくまで傾向に過ぎないという前提で補足すると、転生回数の200回を境に文系と理系に分かれ、転生回数が200回以下と若い第三期と第四期の魂は理系の傾向が、200回を超える第一期と第二期の魂は文系の傾向があることを覚えておるかの」

    青年が黙って首肯するのを見やり、陰陽師は紙に解説を書き足していく。

    <各期と輪廻転生回数>
    第一期/老年期……301~400回(61~80歳)
    第二期/円熟期……201~300回(41~60歳)
    第三期/青年期……101~200回(21~40歳)
    第四期/幼年期……1~100回(0~20歳)
    ※人生を80年と仮定した場合。

    『両者の魂は3(9)―3と同じであり、クリストファー氏よりもチェルッティ教授の方が数学を研究している時間が長いと考えられることから、今回の“連分数”の理論を解く可能性があったのは教授の方だと思いましたが、なぜ、クリストファー氏は世界初の理論を発見できたのでしょうか?』

    「今後も検証が必要であることから、あくまで現時点で確認できている範囲での回答になるが、一の位の数字によって、同じ190回代でも傾向が変わる可能性が考えられる」

    『なるほど。ちなみに、両者はそれぞれ何回なのでしょうか?』

    やや前のめりになる青年を片手で制し、陰陽師は指を小刻みに動かす。

    「クリストファー氏が“193”回でチェルッティ教授は“197”回じゃな」

    そう言い、陰陽師は属性表に数字を書き足す。

    『以前、“3”という数字は“数奇な運命”を歩む傾向があるとお聞きしましたが、彼の経歴はまさに数奇な運命と言っても過言ではないと思われます』

    「そなたの言葉に付言するとすれば、“3”には爆発、拡散、アップダウンが激しいなどの傾向があり、さらに言うと、数学者としての役割に限って言えば、193回の転生回数を持つ人物には、研究する役割を持つ傾向があると仮説を立てておる。よって、彼は研究の末に世界初の理論を発見できた可能性が考えられる」

    『なるほど。ちなみに、彼が“連分数”の理論を解いた背景には、チェルッティ教授の協力が不可欠だったと思いますが、197回であるチェルッティ教授にはどのような役割があると仮説を立てていらっしゃるのでしょうか?』

    「197回の転生回数を持つ教授には、主に理論などを教える教授としての役割を、研究においては“座長”としての役割を持つ傾向があり、何人かの研究を自分に取りまとめて一つの方向性に収束していく傾向があると仮説を立てておる」

    『その仮説を基に考えますと、クリストファー氏は服役中であり、まだ博士号などの肩書きがないことから、彼が解決した“連分数”の理論をチェルッティ教授が預かり、世間に公表するという一連の流れは、魂の属性からみても妥当な役割分担なのかもしれませんね』

    「そのように考えることもできよう。ただし、その考えはあくまで現時点での仮説に基づいた話であって、今後、様々な人物を鑑定していくなかで変わることがあることを覚えておくようにの」

    『あくまで仮説に過ぎないということ、理解しました。ところで、エウクレイデスの魂の属性も3(9)―3武士ではないかと予想しましたが、いかがでしょうか?』

    陰陽師は青年にうなずいて見せ、鑑定結果を紙に書き足していく。

    エウクレイディスSS

    エウクレイデスの属性表を見た青年は、首をかしげながら問うた。

    『やはり、3(9)―3武士でしたか。ただ、一つ気になったのが、今回話題に上がった数学者は、三人ともトンチンカン度が高いようですが、この項目は学問の研究の適性の有無にはあまり関係がないのでしょうか?』

    青年の問いに対し、陰陽師は小さくうなずいて答える。

    「簡潔に言えば、トンチンカン度は精神的なバランスが取れている人物かどうかを表す指標と考えるとわかりやすいかの」

    『精神的なバランスでしょうか』

    「うむ。例えば、この数値が低い人物は精神的なバランスが取れている傾向があることから、社会や組織の中でもより多くの人間と協力することができる。一方、この数値が高くなるにつれ、精神的なバランスが乱れやすく、他人が考えていることや、世の中の常識を正確に理解することが難しくなっていく傾向がある」

    『つまり、三人の数学者たちは、他人とチームを組んだり協力することが得意ではなく、独りか、なるべく少人数で研究する方が向いているということでしょうか』

    「そのように考えることもできる。今回のクリストファー氏のように、突出した発見をするような研究者や学者などは、“トンチンカン度”の数値がそれなりに高いからこそ、偉業を成し遂げられると捉えることもできる」

    『なるほど』

    青年はうなずき、再び三人の属性表を見比べた後に、口を開く。

    『ちなみに、三人の数学者の中でクリストファー氏だけが、“物事の本質を正しく見極める力”が40と低めですが、字面だけで判断すれば、この数値が低めの彼が世界初の理論を発見できたことは珍しいのではないかと思いました』

    「いや、そうではない。属性表における“物事の本質を正しく見極める力”も“トンチンカン度”と同様、学問とは直接関係はなく、例を挙げるとすれば、人が交流する際に生じる心の“機微”や、相手が発した言葉の“本質”を的確に捉える力を表していると言えよう」

    青年は小さく唸ってから口を開く。

    『“物事の本質を正しく見極める力”には、相手の発言の言葉だけに反応するのではなく、その“意図”を汲み取ったり、心情を察する力も含まれているのでしょうか。例えば、“トンチンカン度”が理論や他者の思考に対する理解度とすれば、“物事の本質を見極める力”は他者の心や感情に対する理解度といったように』

    「“物事の本質を見極める力”について付言するとすれば、人間と猿の大きな違いの一つに言語の有無があり、泣き声によって表現されていた感情だけでなく、言語によって組織や共同体での共通認識となる、“人工的な価値観”も人間は構築できるようになった。言い換えれば、そうした“暗黙の了解”を理解する力も含まれているとも言えよう」

    『なるほど。他に気になったことは、もしも彼が高校を中退せずに大学に進学し、その過程か大学在学中に数学と出逢っていたら、数学の才能がもっと早く開花していたのではないかと思います。その一方で、彼にかかっている霊障に“5:事故/事件”の相がないことと、人運が“3”とかなり低いことと、欄外の枝番に“1”と“9”が混在していますので、殺人を犯して刑務所に入り、そこで数学に目覚めることも、彼の今世の課題としては必要だったのかもしれませんね』

    「彼に殺害された人物とその家族の心中を思えば残念ではあるが、この世の出来事には様々な要因が複雑に絡み合っていることから、断言することはできぬが、そう考えることもできるかもしれぬな」

    『なるほど』

    「また、彼が欄外の枝番に“1”と“9”を持っていることに関して付言するとすれば、霊的にも、潜在的な今世の性格としても“ジギルとハイド”ではないが、世間一般にいうところの善人と悪人という二面性を併せ持つ傾向があると仮説を立てることもできよう」

    陰陽師の言葉を聞いた青年は、納得顔でうなずいて言った。

    『クリストファー氏の経歴を見て思ったのは、ゲーテが言うように、“光が多いところでは、影も強くなる”ではありませんが、麻薬に手を出し、殺人を犯してしまったことが世間での影だとすれば、数学は世間における光の領域といったところでしょうか』

    「彼に限って言えば、そのように捉えることもできるかもしれぬな。“9”という数字には“3”と同様に例外/矛盾という意味を持つものの、“9”が収束、まとめるなどの役割を持つことから、“3”とは別の傾向があるという仮説を立てておる」

    陰陽師の言葉を聞いた青年は、しばらく黙考し、やがて口を開く。

    『確か、“9”には“世の変革者”という傾向があるとお聞きしたことがありますが、彼は今回の“連分数”の理論の発見で終わらず、今後も数学界の先駆者として活躍していける可能性はあるのでしょうか』

    「ひょっとしたら、その可能性もあるじゃろうな」

    『実際、彼は現在、郵送で学位を取得できるアダムズ州立大学で準学士号の取得を目指しているそうです。他にも、刑務所内で数学クラブなるものを結成しており、メンバーの中には、円周率の小数点461桁まで暗唱してみせた人物もいたようです。そう言う意味では、彼は隠れた才能を発掘していると言うべきか、後進の育成や囚人の更生の一助も含めて行なっているようです』

    「ふむ。数学クラブを結成したことで、刑務所内で数学について話し合える仲間がいないと嘆いていた彼にとっての、念願が叶ったようじゃな」

    『どうやらそのようですね。ただ、彼の人運が“3”とかなり低いことと、欄外の枝番の“9”の数字の特徴を持つことは余生もずっと変わらないことから、数学クラブにおいてか、あるいは数学の研究をしていく中で何らかの人間関係にまつわるトラブルが生じ、さすがに今度は殺人とまではいかないと思いますが、問題を起こすのではないかと、個人的には危惧しています』

    「今後の彼の人生において、そなたが言うようなことが起こる可能性が無きにしも非ずであるが、そうした人間関係におけるトラブルもまた、彼にとっての今世の課題に必要な出来事であるのじゃろうな」

    そう言い、陰陽師は壁時計に視線を向ける。
    それに気づいた青年も、スマートフォンで時間を確認する。

    『もうこんな時間でしたか。今日も遅くまでありがとうございます』

    そう言い、青年は席を立って深々と頭を下げた。

    「今日もご苦労じゃったな。気をつけて帰るのじゃぞ」

    陰陽師はいつもの笑みで手を振り、青年を見送った。

    帰路の途中、青年は自らの属性表とビジネス鑑定の結果を眺めていた。

    転生回数:233回
    トンチンカン度:80
    物事の本質を見極める力:40

    《ビジネス鑑定》
    経営者:AA
    経営陣:A
    従業員:BB
    自営業:SS

    これ以外の他の数字も見る限り、どうやら自分には他者とアライアンスを組むよりも、自分が苦手な分野を外部発注し、自分は自営業の立場で得意分野に専念する方が良さそうだ。
    あるいは、今後、自分の事業が大きくなって経営者の立場にならざるを得ないことがあったとしても、ごく少人数で回す方が適しているのかもしれない。

    いずれにせよ、万が一自分とアライアンスを組んでくれる人物や社員となってくれる人物が現れたとしたら、そうした貴重な人々と丁重に関わっていけたらと思う。

    鑑定結果の様々な項目の数字によって、この世の生きやすさが変わるかも知れず、時には落胆することもあるかも知れない。だが、鑑定結果の傾向を基にある程度の人生の方向性を把握できるのであれば、自分の傾向に合った生き方を選び、同時に今世の課題を果たせたらと思う。

    とは言え、転生回数が233回と、十の位も一の位も“3”であることから、数奇な運命、爆発、拡散、アップダウンが激しいなど、客観的に見ればかなり破天荒な人生だと自覚しているのもまた事実である。

    青年は苦笑を浮かべ、ため息をつくのであった。

  • 新千夜一夜物語 第58話:VTuberとフェミニスト

    新千夜一夜物語 第58話:VTuberとフェミニスト

    青年は思議していた。

    2021年7月16日から、千葉県警が公開していた交通安全の啓発動画に出演していたVTuber 、“戸定梨香”に対し、同年8月26日に全国フェミニスト議員連盟の代表である増田薫さんが“性的対象物”として描写されていると主張し、動画の削除を要請した件についてである。

    この要請に対し、千葉県警は、子ども向けの動画として製作したものの、本来の目的と異なる意図が伝わることを懸念し、同年9月10日に当該動画を削除した。

    動画が削除されたことに対し、“戸定梨香”をプロデュースする板倉節子さんは、“戸定梨香”の製作陣は全て女性であり、“性的対象物”として描写していないと主張したものの、結果的に、秋以降の千葉県警との共同企画も白紙になってしまった。

    “戸定梨香”が“性的対象物”として描写されているか否かについて、女性同士で意見が割れているが、異なる見解を持つ二人は、それぞれどのような魂の属性なのだろうか?
    また、今回の騒動を経て、社会にどのような変化が起きていると考えられるのだろうか?

    独りで考えてもらちが明かないと思い、青年は陰陽師の元を訪れるのだった。

    『先生、こんばんは。本日は千葉県警の交通安全の啓発動画に出演していたVTuberが、“性的対象物”として描写されているという理由で削除されてしまった件について教えていただきたいと思い、お邪魔いたしました』

    「質問に答える前に聞いておきたいのじゃが、VTuberとはどういったものなのかの?」

    陰陽師の問いに対し、青年はスマートフォンを操作し、口を開く。

    Virtual YouTuber(バーチャル ユーチューバー)の略称。
    アニメやCGで作ったキャラクターを動かしてYoutuberのように動画を配信する人。ビジネスの世界などで活用が広がっている。

    「VTuberがいかようなものかについては理解した。ところで、動画を用いて何らかの情報を発信するのであれば、本人が出演すればいいものを、なにゆえキャラクターを用いるのじゃ?」

    『“戸定梨香”の場合、松戸市出身の女性が、自分のなりたい姿としてセーラー服に似た衣装などをデザインし、Youtubeでの声も自分で担当しているとのことですので、自分の理想の姿やなりたい自分を模したキャラクターになりきって発信できることが、理由の一つかもしれません』

    「なるほど。ワシにはなじみがない分野ではあるが、千葉県警が“戸定梨香”を採用した理由についてはわかるかの?」

    『千葉県警は、若い世代に興味をもってもらうために、松戸市の魅力を発信するなど地域に根ざした活動を行なっている芸能プロダクションから“ご当地VTuber戸定梨香”による広報啓発活動の提案を受け、採用したようです』

    「して、その“戸定梨香”は、動画の削除を要請されるような、性的対象物として描写された容姿なのかの?」

    陰陽師の言葉に対し、青年は首を傾げながら口を開く。

    『“戸定梨香”に関し、僕は性的だとは全く思いませんが、全国フェミニスト議員連盟は次のように主張しています』

    セーラー服のような上衣で、丈はきわめて短く、腹やへそを露出しています。体を動かす度に大きな胸が揺れます。下衣は極端なミニスカートで、女子中高生であることを印象づけたうえで、性的対象物として描写し、かつ強調しています。公共機関である警察署が、女児を性的対象とするようなアニメキャラクターを採用することは絶対にあってはならない。

    『これに対し、“戸定梨香”をプロデュースしている、株式会社Art Stone Entertainmentの代表取締役の板倉節子さんは女性で、製作陣も全員女性とのことですし、性的な対象物として描写つもりも、強調したつもりもないと述べています』

    「女性が制作している以上、性的対象物として描かれたとは言い難いと思われるが、他の動画においても、性的対象物としてクレームが入っているのかの?」

    『いえ、板倉さんが言うには、“戸定梨香”は2020年4月から松戸市を応援する動画に出演していたようですが、これまでに一度もクレームはなかったとのことです。実際、千葉県警が“戸定梨香”を採用する際も、松戸警察署の男性職員及び女性職員が参画して、“戸定梨香”の過去の出演映像等を確認していましたので、千葉県警としても問題ないと判断したようです』

    「なるほど。他に、板倉さんがどういった主張をしているか、わかるかの?」

    陰陽師にそう問われた青年は、大きく頷いてから、口を開く。

    ・服装や体型を理由に“性的対象物だ”とレッテルを貼り、公共の場から追い出そうとする全国フェミニスト議員連盟の活動は、本来、フェミニズムが擁護すべき、女性の多数な在り方と自由を称揚する立場と全く矛盾する。
    ・いろんな意見があるのは当然だと思うが、議論がなければ同じことが続いてしまうので削除されて終わりにはしたくない。私やタレントの気持ちはどうなるのでしょうか。今後地域を盛り上げるPRに関わることができるのか不安です。作品を作る皆さんの気持ち、努力を見た目で判断しないでください。それこそが女性蔑視なのではないでしょうか。動画の制作に関わった私も女性です。表現をする上での女性の権利は一体何なのか。

    「なるほど。そうした経緯を踏まえて、そなたは二人の魂の属性について知りたいということかな?」

    『おっしゃる通りです』

    「ちなみに、そなたの見立てではどのように考える?」

    陰陽師にそう問われた青年は、しばらく黙考し、やがて口を開く。

    『“戸定梨香”に対して性的対象物だと主張し、動画の削除まで要請した増田さんは、頭2の2−4(転生回数期が第二期の魂4:一般庶民)であるのに対し、板倉さんは、頭1の2−3(転生回数期が第二期の魂3:武士・武将)ではないかと思います』

    「それではみてみよう。少し待ちなさい」

    そう言い、陰陽師は紙に二人の鑑定結果を書き記していく。

    増田薫SS
    板倉節子SS

    二人の属性表を見比べた後、青年は口を開く。

    『どうやら、増田薫さんは頭2の2−4で、板倉さんは頭1の2(4)−3武士のようですね。この二人に限って今回の件について話を進めていくと、偏狭な正義感を持ち、大局的見地に欠けた主張を行う前者と、大局的見地に基づいた主張を行う後者とで二分していると思われます』

    そう言った後、青年は増田薫の経歴を紙に書き記していく。

    1965年11月東京都江戸川区生まれ
    武蔵野美術短期大学デザイン科卒業
    都立亀戸職業訓練校 建築製図科卒業
    都内の建築設計事務所勤務
    1998年 松戸市に転入
    蔵のギャラリー・喫茶「結花」スタッフ
    2002〜2003年 松戸市矢切小学校PTA
    2011年〜 放射能から子どもを守りたいと願う母おやたちと活動
    2012〜2014年 生命保険会社勤務
    現松戸市市議会議員

    「その二人に限って言えば、そうと言えるかも知れぬが、今回の件に対し、ネット上での反応はどうなっておるのじゃ?」

    『この件に対し、インターネット上では、動画の削除の要請に対する反対署名が6万5,000件以上も集まっていますし、千葉県警のホームページからは動画を削除されたものの、株式会社Art Stone Entertainmentは独自に当該動画を公開しているようで、動画に対する反応は賛意がほとんどで、否定的な意見は1割あるかないか、とのことです』

    青年の言葉を聞いた陰陽師は、小さく頷いてから、口を開く。

    「なるほど。ちなみに、反対署名を始めた人物についてはわかるかの?」

    陰陽師にそう問われた青年は、スマートフォンを操作した後、口を開く。

    『どうやら、大田区議員である荻野稔氏のようです。彼自身もVTuberとして活動していますし、増田薫さんと同じ地方議会議員としての立場ではありますが、彼女とは対に当たる言動を取っています』

    青年の言葉を聞いた陰陽師は、指を小刻みに動かした後、口を開く。

    「ふむ。彼は頭1(4−1)、2(3)―3武士のようじゃな。そなたが調べた情報のみで判断するとすれば、ネット上の声も加わり、頭1の魂3側の意見の方が主流のように見えるが、増田薫さんが要請した通りに動画が削除された結果を鑑みるに、彼女の思惑通りに事が進んだようじゃな」

    陰陽師の言葉を聞いた青年は、眉間にシワを寄せながら、口を開く。

    『今回、動画の削除を要請されたことがきっかけで、千葉県警と“戸定梨香”との秋以降の共同企画は白紙になってしまったようで、“戸定梨香”の製作陣の仕事が減ってしまいました。同時に、“戸定梨香”を採用することで千葉県警が得られたであろう、宣伝効果もそれなりに失われてしまったと思われます』

    「ワシにはよくわからぬが、VTuberというのは、そこまで宣伝効果があるのかの?」

    陰陽師にそう問われた青年は、スマートフォンを操作し、口を開く。

    『ネットの情報を見る限り、VTuberは地方自治体における町おこしへの活用も始まっており、2018年には茨城県が茨ひより氏を自治体公認VTuberとするなど、地方の魅力を全国に発信するための新しい媒体として期待されているようです』

    「なるほど」

    『せっかく千葉県警が交通安全を啓蒙するためにVTuberを採用したのですから、美大卒でそれなりにクリエイティヴに理解があると思われる増田薫さんも、感情的に動画の削除を要請して終わりにするのではなく、動画の視聴者が不快感を覚えぬよう、“戸定梨香”の容姿のどこをどう具体的に改善すればいいのかといった提案をし、秋以降の動画の内容に活かすこともできたのではないかと思います』

    「そなたは“魂3:武士”ゆえ、そのような考えを持つのじゃろうが、大局的見地に欠け、偏狭な正義感を持つ2−4の増田さんには、そのような発想を持つことは難しいかもしれぬな」

    『そうなのですね。ただ、よくよく考えてみたら、公共機関である千葉県警が採用するキャラクターとしては、あのキャラクターでなくてもいいとは思わなくもないですし、動画の削除の要請に賛同した少数派の人々の主義・主張には賛成しかねるものの、彼女なりの感じ方をなるべく尊重できたらとは思いますが』

    「そのように歩み寄ることは時には必要ではあるものの、魂4の声ばかり取り入れた結果、現代の生きづらい世の中になっていることを、理解しておるかな?」

    陰陽師にそう問われた青年は、しばらく黙考した後、口を開く。

    『インターネットの出現によって、参加意識が高い“魂4:一般庶民”が発言権を得たことで、大局的見地が欠けた偏狭な正義感に基づいた価値観が浸透し始めたことだと記憶していますが、今回の件に限って言えば、どのような変化があったのでしょうか?』

    「例えば、昨今では問題視されている、セクハラやパワハラなどは、昭和(1)の時代では“風潮”のようなもので、平成と令和(共に2)のように騒がれるものではなかった」

    『当時はセクハラやパワハラが“風潮”として受け入れられていたということは、昨今の価値観とは大きく異なると思われますが、それらに対する認識において、昨今とはどのように異なっていたのでしょうか?』

    「例えば、会社の男性上司が部下である女性社員に対し、“(体型が)少し丸くなったのでは”といった主旨の発言をしたとしよう。その意図するところは、当時の女性社員は早めに素敵な男性を見つけて寿退社することがほとんどだったという背景を踏まえており、女性社員が意中の男性とよりよく交際できるように、といった上司なりの気遣いもあったと思われる」

    『そのような背景があったのでしたら、そうした上司の発言に悪意があるとは言い難いですし、上司の発言の意図をくめたであろう、魂1〜3の人物にとっては、自戒のきっかけになりそうです。しかしながら、魂4の人物にとってはそうではなかったと?』

    青年の問いに対し、陰陽師は小さく頷いた後、口を開く。

    「魂4の人物の中にはそうした上司の発言に対し、良い思いを抱かなかった人物は少なくなかったと思われる。もっとも、そなたが言うように、魂1〜3全員がそうした上司の発言に対して寛容ではなかったと思われるがの」

    『なるほど』

    「セクハラに関して付言しておくと、例えば、望ましい容姿の男性に言い寄られることは快く、生理的に受け付けられない男性から同様の行為をされることは不快に感じ、許せないという、同じ行為であっても、受け手の好み、すなわち当事者間の主観的な問題であることはわかるかの」

    陰陽師の言葉に対し、青年は納得顔でうなずいた後、答える。

    『ところが、ネットの出現によって魂4の声が多数を占めた結果、魂1〜3の人々がそうした魂4の声が世間の価値観のスタンダードだと勘違いしてしまった。その結果、0or100ではありませんが、女性が不快に感じる男性からの言動をセクハラとみなし、さらにセクハラを禁止して撲滅しようとする価値観が、世の中の主流になってきたわけですね』

    「その可能性が考えられる。しかしながら、**ハラスメントの問題は当事者同士の主観の相違、つまりはお互いの価値観に対する相互の“不寛容さ”の問題に過ぎないと思われるため、当事者同士の主観に基づいた基準がそのまま世間の基準となることが、本当に適しているかどうかは断言できぬがの」

    陰陽師の答えを聞いた青年は、しばらく黙考した後、やがて口を開く。

    『何事にも例外があると先生がおっしゃるように、一つの基準がどんな場合においても当てはまるとは限りませんからね。僕にとって気掛かりなことは、魂4の声が主流となった世論の変化によって、セクハラやパワハラにとどまらず、カスタマーハラスメントやワクチンハラスメントといった言葉が現れているように、平成以降の世の中の言動に対する制限が増え、ますます生きづらい世の中になっていく傾向があるのではないかということです』

    「現状のままでは、今後もその傾向に進みつつあると思われる」

    陰陽師の言葉を聞いた青年は、腕を組み、思案顔で口を開く。

    『ちなみにですが、魂1~3の人物がSNS上で大局的見地に基づいた発言を積極的に行うことによって、いずれ、魂1〜3の価値観が魂4の人々にも伝わり、ネット上の声の内容やが変わり、世論に変化が生じる可能性はあるのでしょうか?』

    「その可能性は無きにしもあらず、じゃな。以前も伝えたように、魂の種類はそれぞれの役割と容量で異なっている。そして、魂1〜3と魂4の間には魂の容量に大きな差があるため、残念ながら、魂1〜3の意見は魂4の人物には伝わらない可能性が非常に高い」

    そう言い、陰陽師は魂の種類とそれぞれの容量について、紙に書き記していく。

    《魂の種類とそれぞれの容量》
    魂1:僧侶/王侯(スーパーコンピューター)
    魂2:貴族(汎用コンピューター)
    魂3:武士・武将(パーソナルコンピューター)
    魂4:一般庶民(ガラ携並)

    眉間にシワを寄せ、小さくため息をついてから、青年は口を開く。

    『ということは、今回の件のように、個人の主観であり、彼女たちの“不寛容さ”に基づいていると言えなくもない少数意見であっても、“言ったもの勝ち”といった風潮が続いていく可能性が考えられるのでしょうか?』

    「少なくとも、現状はそのような風潮であり、魂4の価値観が主流になっていることは紛れもない事実のように思われる。しかしながら、魂1〜3の発言が増えることによって、やがて魂4の価値観とのすり合わせが生じる可能性も無きにしも非ず、じゃ」

    『なるほど。ネット上では魂1〜3にとっては多勢に無勢ですので、魂1〜3の価値観を主流にすることは難しいものの、魂4側の価値観も含めてお互いの価値観を認めつつ、お互いにとって望ましい妥協点に落ち着くことができるなら、それはそれで理想的な状態と言えるのでしょうか?』

    『実現するかどうかは別として、その状態も一つの可能性ではあると思う。いずれにせよ、令和革命の影響によって、これまでの“等質性”から“多様性”に回帰していく世の中で、お互いの個性を尊重しあえる人物が増えることが望ましいのかもしれぬな」

    そう言い、陰陽師は壁時計に視線を向ける。
    それに気づいた青年も、スマートフォンで時間を確認する。

    『もうこんな時間でしたか。今日も遅くまでありがとうございます』

    そう言い、青年は席を立って深々と頭を下げた。

    「今日もご苦労じゃったな。気をつけて帰るのじゃぞ」

    陰陽師はいつもの笑みで手を振り、青年を見送った。

    帰路の途中、青年は“戸定梨香”の動画を再び視聴していた。

    等質性から多様性の世の中にシフトしているということは、それだけ“個性”も重要になってくるのかもしれない。
    もしそうであるならば、今までのような、受け身で右に倣えといった価値観に捉われず、また、魂磨きに適しているか否かを主軸に、自らが活躍できる環境に身を置くことも必要になってくるだろう。

    昨今でも、集団の中には、自分たちと異質な存在を排除しようとする人々がいるだろうし、そうした中で他人と異なる言動を取ることは勇気が要るかもしれない。
    だが、魂の種類によってそれぞれの理屈や思いがあるように、社会的な肩書きやこれまでの人生の背景だけで目の前の人物の価値観や言動が決まることはないだろう。

    よって、一方的に目の前の人物をこうだと決めつけることは避け、目の前の人物がどんなことに何を考え、何を感じているかをお互いに把握することは、重要なことのように思われる。
    そして、そうした他人とのやり取りを経ることで、他人と違うことを恐れず、他人と異なる自らの個性を受け入れられたら、自らの個性を尊重することができ、同様に、他者にも他者が尊重している個性があることを理解すれば、他者の個性も受け入れやすくなるのかもしれない。

    可能性の一つとして、今世の課題を果たすことと個性を発揮することに、多少なりとも関係があるのであれば、各種神事を済ませて霊的な無用な重しを解消することによって、より多くの人々が、本来の人生を歩んでもらえたら嬉しく思う。

    そう、青年は思議したのであった。

    《合わせて読みたい》
    新千夜一夜物語 第13話:衆愚政治とインターネット
    新千夜一夜物語 第46話:誹謗中傷を書き込む人の魂の属性

  • 新千夜一夜物語 第57話:ヒカルと宮迫と牛宮城

    新千夜一夜物語 第57話:ヒカルと宮迫と牛宮城

    青年は思議していた。

    2021年10月1日にオープンする予定だった、ヒカルと宮迫が共同経営する焼肉店“牛宮城”が無期限延期状態になっていることについてである。

    今後、“牛宮城”はどうなっていくのか?
    今回の件に、何らかの霊障が関係しているのだろうか?
    また、ヒカルと宮迫の魂の属性と、二人の相性はどうなのか?

    独りで考えてもらちが明かないと思い、青年は陰陽師の元を訪れるのだった。

    『先生、こんばんは。本日は、ヒカルさんと宮迫博之さんが共同経営する焼肉店が、無期限延期状態になっていることについて教えていただきたいと思い、お邪魔いたしました』

    「先日、話題になっていた件じゃな。まずは、二人が焼肉店を共同経営することになった経緯を教えてもらえるかの?」

    陰陽師にそう問われた青年は、スマートフォンの画面を見ながら、口を開く。

    ・2021年2月11日に、宮迫が“焼肉屋の開業資金として1億円を貸して欲しい”とドッキリ企画でヒカルにお願いしたところ、ヒカルがあっさりと承諾し、ドッキリだったはずが本当に焼肉店を共同経営する運びことになった。
    ・その後、肉のスペシャリスト・森田隼人氏による手引きのもと、店舗で提供するブランド牛“ヒカサコ牛”の選定を行う動画を公開するなど、焼肉屋の核となる牛肉の品質に関して万全の準備を整える。
    ・2021年9月28日に、ヒカルと宮迫がオープンを間近に控えた牛宮城の最終確認をすべく来店したところ、試食したヒカルが大激怒。
    ・牛宮城のオープンは無期限延期状態となり、いいクオリティのものができないと判断したら、ヒカルは撤退も考えているという。

    経緯を説明した後、青年はスマートフォンを卓上に置き、再び口を開く。

    『ネットの情報を見る限り、“牛宮城”の店内の冷蔵庫が稼働していなかったために、牛肉を冷凍保存せざるをえなかったようで、冷凍保存したことによって質が落ちてしまった牛肉を試食で提供したことが、主な要因と思われますが、他にも問題があったようです』

    「なるほど。なにゆえ、オープンまで、そうした問題に気づかなかったのかの?」

    『広報を担当していたヒカルさんはほとんどお店には関与しておらず、試食の前から自分も店内を確認していればよかったと言っています。一方、宮迫さんは、店内とメニューを担当していたにも関わらず、彼が全幅の信頼を置く調理人に任せていたようで、調理人に非はなく、自らに責任があると公言しています』

    青年の言葉を聞いた陰陽師は、紙に鑑定結果を書き記してから、口を開く。

    宮迫博之SS

    青年が属性表を見終える頃に、陰陽師が口を開く。

    「話を聞く限り、冷蔵庫が稼働していなかったことに加えて、宮迫氏が仕事に対して真摯に向き合わなかったことも主な要因の一つと考えられる。というのも、ワシが見る限り、“牛宮城”を任されていた調理担当料理人の腕はあまりよくないようじゃし、冷蔵庫などの管理も、その人物に一任せずに宮迫氏も確認しておれば、最悪の事態を免れていたかもしれぬからじゃ」

    陰陽師の言葉を聞いた青年は、目を見張りながら口を開く。

    『なるほど。そうした人選をしてしまったことも含め、宮迫さんの人運が“3”とかなり低いことが、少なからず関係あるのでしょうか?』

    「人間は多面体であり、一概に回答することはできぬが、あえて人運の“3”を基に言及するとすれば、9点を満点とする数字の序列として、“人運が悪い”、そして“マゾ的気質”が今世で起きる傾向の基本にあることから、宮迫氏が自発的/能動的/積極的に行動したというよりも、周囲の人/雰囲気/情勢に流された結果、問題に巻き込まれた/問題を引き起こした、という可能性がある」

    『なるほど。宮迫さんにはそうした人間関係におけるトラブルから学びを得ることが今世の課題に含まれていると思われますが、彼にかかっている血脈先祖の霊障と天命運に“2:仕事”と“14:人的トラブル”の相の影響がなければ、今回のようにオープン直前ではなく、もう少し早めに、仮に撤退するにしても損失がまだ少なく済ませられた可能性も考えられるのでしょうか?』

    「仮定の話に対しては断言できぬが、今世の宿題に対して“順接”、すなわち無用な重しとして顕在化する傾向がある、血脈先祖の霊障の影響を考えれば、その可能性も無きにしも非ず、といったところじゃな。ワシが見たところ、血脈先祖の霊障に“2:仕事”と“14:人的トラブル”の相は、ヒカル氏にもかかっているようじゃからの」

    そう言い、陰陽師は紙に鑑定結果を書き足していく。

    前田圭太SS

    新たな属性表に目を通した青年は、目を見張りながら口を開く。

    『ヒカルさんは、魂の属性3:霊媒体質ですので、血脈先祖の霊障だけでなく、今世の宿題に対して“逆接方向”、すなわち今世の宿題とは直接関係のない要素/方向性が含まれて顕在化する傾向がある、霊脈先祖の霊障もかかっていますが、そんな状態であっても、YouTuberだけでなく、歌手やアパレルなどの実業家としても活躍しているのはさすがだと思います』

    「そのような経歴を持つヒカル氏ではあるが、1億円を出資したものの、今回の件が起きてしまったが、両者の関係に何らかの変化はあったのかの?」

    陰陽師にそう問われた青年は、小さく首を振ってから口を開く。

    『ヒカルさんいわく、二人の仲は悪くなっておらず、ヒカルさんは宮迫さんに対してマイナスな感情を抱いていないと述べていますので、これからも何らかの形でコラボするのではないかと予想しています』

    「ふむ」

    そう言い、浮かぬ顔で湯呑みの茶を飲む陰陽師に対し、青年は怪訝な表情で尋ねる。

    『ひょっとして、二人の相性はあまりよくないのでしょうか?』

    青年の問いに答える代わりに、陰陽師は紙に鑑定結果を書き足す。

    《ヒカルからみて/宮迫博之からみて》
    プライベート S /BB
    ビジネス BB/BB

    『先生の見立てでは、お互いからみてS(90点)以上なら推奨とお聞きしましたので、望ましい結果ではなさそうですね』

    青年の言葉を聞いた陰陽師は、小さく頷いてから、口を開く。

    「二人が今後、どのような選択をするかは自由ではあるが、ヒカル氏からみれば早晩袂を分かった方がいいとワシは思う」

    『ヒカルさんからみれば、という意味では、宮迫さんが“雨上がり決死隊”を解散する際に、あたかもヒカルさんが“雨上がり”の解散を決定づけたような印象を与える発言をしたようですので、今回の焼肉騒動の前にも、ヒカルさんは宮迫さんにトラブルに巻き込まれたと言えそうです』

    「宮迫氏に巻き込まれた、という意味では、彼が2019年に吉本興業から契約を解消されたことで、“雨上がり”のコンビとして活躍できなくなった蛍原徹氏も似たようなものかもしれぬ」

    そう言い、陰陽師は紙に鑑定結果を書き足していく。

    《蛍原徹からみて/宮迫博之からみて》
    プライベート B/BB
    ビジネス AA/A

    陰陽師が新たに書き足した鑑定結果を見た後に、口を開く。

    『二人の相性を見る限り、コンビを解消してよかったと言えなくもないですが、“雨上がり”を結成した1989年から2021年と、30年かけて積み上げてきたものが、相方の不祥事によって解散されたことは、蛍原さんにとっては、断腸の思いだったのではないかと思います』

    「そうかもしれぬな」

    『ただ、蛍原さんの人運の数字が“3”であることを考慮すると、宮迫さんに原因があるとは言え、“雨上がり”の解散を体験することは、今世の蛍原さんの課題を果たすために必要だった可能性があるのでしょうか?』

    「その可能性は少なからずあるじゃろうな。ちなみに、蛍原氏は“2−3−5−5…2”の魂の属性を持つ一方、宮迫氏の魂の属性は彼とは異なるが、芸能界において、それぞれの活動状況はわかるかの?」

    陰陽師にそう問われた青年は、スマートフォンを操作した後、口を開く。

    『蛍原さんは、テレビではバラエティだけでなくドラマや映画でも俳優として多数出演していますし、特にスキャンダルや傷病はなく、“雨上がり”が解散した後は、ピン芸人や司会者として活動していますので、彼の魂の属性に適した活動を継続しているようです』

    青年の言葉に対し、陰陽師が黙って頷き、続きを促しているのを確認し、青年は言葉を続ける。

    『一方、宮迫さんは、2012年12月6日に早期胃癌を理由に休養した過去や、先ほど先生が触れた2019年6月24日の闇営業騒動により芸能活動を自粛し、同年7月19日に吉本から契約を解消されたことは、“排除命令”に抵触した可能性があるのではないかと思われます』

    「宮迫氏の魂の属性は3(9)―3武士であることから、その可能性は考えられるが、蛍原氏とは別で、彼単体での活動はどうなっておるのじゃ?」

    陰陽師にそう問われた青年は、再びスマートフォンを操作した後、口を開く。

    『芸能活動以外ですと、2021年6月19日に宮迫さんが立ち上げた服飾ブランド“ZILVER”にて、株式会社ロコンドと共同で作成したメンズ(各種セットアップ)・レディース(ワンピース)・スポーツサンダルをロコンドの通販で販売開始しています。YouTuberとしては、チャンネル登録者数が141万人ですが、最近は公開している動画に対し、良い評価よりも悪い評価の方が多いようです』

    「なるほど。服飾の事業に関しては何とも言えぬが、YouTubeに関しては、改善の余地があるかもしれぬの」

    陰陽師の言葉を聞いた青年は、小さく頷いた後、口を開く。

    『そうですね。ただ、ネットの情報を見る限り、宮迫さんにとって、ヒカルさんは唯一の協力者とも噂されていますので、ヒカルさんとの関係が切れてしまったら、宮迫さんは後がない状況になりそうです』

    表情を曇らせながらそう言う青年に対し、陰陽師はいつもの笑みで口を開く。

    「いつも言っているように、 “出逢いは必然”であることから、宮迫氏とヒカル氏の双方にとって、二人が関わることがお互いの今世の課題を果たすために必要である可能性が考えられるし、お互いが学ぶべきことが終わったら、縁がなくなる可能性もある」

    『ただ、ヒカルさんとの縁がなくなった結果、宮迫さんに新たな出逢いが生まれ、新たな活動やビジネスで成功する可能性も考えられますよね?』

    「もちろんじゃとも。そうは言っても、その後も宮迫氏が人との縁に恵まれず、人間関係での失敗を繰り返す可能性もあるものの、それはそれで、彼の今世の課題に含まれている可能性があることから、彼にとっては必要な体験でもあるのじゃよ』

    陰陽師の言葉を聞いた青年は、小さくため息を吐いてから、再び口を開く。

    『宮迫さんの今後は前途多難だと僕には思われますが、転生回数が190回代で“大々山”にである彼には、各神事を申し込んでいただき、大難を小難にして本来のパフォーマンスを発揮していただけたらと願うばかりです』

    「宮迫氏がそなたを通じて、あるいは何らかの縁によってワシと出逢うかどうかも“出逢いは必然”と言えるじゃろうな」

    『なるほど。今後、幸運にもどこかで宮迫さんとご縁がありましたら、話してみようと思います』

    「“未来は不確定”であるゆえ、そなたと彼に縁があるかどうかについてはあえて言及せぬが、そなたの活動範囲がさらに広がり、時が満ちればひょっとするかもしれぬの」

    そう言い、陰陽師は壁時計に視線を向ける。
    それに気づいた青年も、スマートフォンで時間を確認する。

    『もうこんな時間でしたか。今日も遅くまでありがとうございます』

    そう言い、青年は席を立って深々と頭を下げた。

    「今日もご苦労じゃったな。気をつけて帰るのじゃぞ」

    陰陽師はいつもの笑みで手を振り、青年を見送った。

    帰路の途中、青年は長らく関わっていない、過去の知人と連絡を取っていた。

    今、こうして陰陽師の先生とご縁があるのは、いくつもの転機と、その背後でご縁を繋いてくれた人々のおかげである。

    会社を辞める背中を押してくれた人物。占いを教えてくれた人物。
    初めて氣を体感させてくれた人物。営業について教えてくれた人物。
    ボランティアとMLMについて教えてくれた人物。除霊について教えてくれた人物。
    周囲から馬鹿馬鹿しいと思われることでも、全力で取り組むことを教えてくれた人物。
    夢や宇宙やスピリチュアルについて教えてくれた人物。
    口先ばかりで実践が伴わないと、人の信頼を失うことを教えてくれた人物。

    今となっては連絡先がわからない人物がいるが、返信してくれた人々は、今も前向きに自分の道を歩んでいるようだ。

    もちろん、マイナスばかりで関わらない方がよかった人物も中にはいるが、そうした人々は、先生の鑑定結果ではNGと出た人物と縁を続けるとどんな損失を被るかを、身をもって体験させてくれた人々でもあり、そう言った意味では、“出逢いは必然”なのだろう。

    自分は、これからも多くの人々とご縁があるだろうが、恩が縁を運んでくれていたようにも感じられる。
    だから、今後も、過去に縁があった人々も含め、恩を仇で返すことなく、自分から縁を切ることなく関わっていこう。

    そう、青年は思議するのだった。

    《合わせて読みたい》
    ・2−3−5−5…2について:新千夜一夜物語 第23話:この世のルールと芸能界

  • 新千夜一夜物語 第56話:梅澤愛優香とはんつ遠藤の騒動

    新千夜一夜物語 第56話:梅澤愛優香とはんつ遠藤の騒動

    青年は思議していた。

    2021年9月24日に、元バイトAKBの梅澤愛優香さんが、彼女が経営するラーメン店から、ラーメン評論家を出禁にすることを表明した件についてである。
    その理由として、彼女の店を訪れたラーメン評論家の8割が、彼女のお店にとってマイナスでしかなかったと主張しており、彼らからは、セクハラやマウンティングに相当する言動が多かったことも言及している。

    さらに、彼女は27日にフードジャーナリストであるはんつ遠藤さんとの会食時のやり取りをツイッターで公開し、この件は同日に放送された、“グッド!モーニング”(テレビ朝日系)でも取り上げられた。

    多くのラーメン評論家の中でも、なぜ彼とのやりとりが取り上げられたのか?
    また、ラーメン評論家との縁を断った梅澤さんのお店は、今後どうなるのだろうか?

    独りで考えてもらちが明かないと思い、青年は陰陽師の元を訪れるのだった。

    『先生、こんばんは。今日は元アイドルの女性が経営するラーメン店から、ラーメン評論家が出禁になった件について教えていただきたいと思い、お邪魔いたしました』

    「少し前に話題になった件じゃな。して、その件に関し、どういったことを知りたいのじゃ?」

    『梅澤愛優香さんとはんつ遠藤さんの魂の属性と、今回の騒動が起きた要因と、そして今後の梅澤さんのラーメン店はどうなっていくのかを教えていただきたいです』

    「そなたの質問前に答える前に、どういった経緯があったのか教えてもらえるかの?」

    陰陽師にそう問われた青年は、スマートフォンを操作し、やがて口を開く。

    『以前、梅澤さんは、フードジャーナリストであるはんつ遠藤さんと会食した際に、“顔は写さないから身体だけ撮らせて”と要望され、しかも許可なく撮影されたことがあったようで、この件に関し、彼女はセクハラ被害に遭ったとしてツイッターで告白しました』

    「なるほど。その発言に対し、はんつ遠藤氏はなんと?」

    『彼は、会食のきっかけは梅澤さんがはんつ遠藤さんに会いたいということで、彼女の写真を撮っていいと思っていた上に、当時はお酒を飲んで泥酔していたために覚えていなかったようです。ちなみに、当日に撮った写真は使用していないとのことですが、その一件があって以来、梅澤さんは、彼に連絡をしないようにしていたところ、友人限定とは言え、読者が3200人いるはんつ遠藤さんのFacebook上で、梅澤さんが中傷されたと感じるような投稿をされたと、二次的な被害を訴えています』

    「その内容についてはわかるのかな?」

    陰陽師にそう問われた青年は、小さく頷いてから、口を開く。

    『その内容としては、梅澤さんのラーメン店が内装業者に工事代金を支払わなかったというものですが、この投稿は2020年4月のものでして、実際には2019年の6月には支払いが完了していたとのことですので、事実無根の投稿と思われます』

    「なるほど」

    『こうした梅澤さんの一連の発信に対し、28日未明にはんつ遠藤さんは自らのブログにて、自身が当事者であると名乗り出たが、しっかりと謝罪しなかったことが、梅澤さんのさらなる反感を買い、火に油を注ぐ事態となっています』

    「なるほど。梅澤さんのお店からラーメン評論家が出禁になった経緯についてはわかった。では、その二人の鑑定をするとしよう」

    そう言い、陰陽師は紙に属性表を書き連ねていく。

    梅澤愛優香SS
    はんつ遠藤SS

    二人の属性表を見た後、青年は口を開く。

    『今回の騒動と関係があると思われる、属性表におけるお二人の共通点として、人運が“7”で低いことと、血脈の霊障と天命運に“14:人的トラブル”の相がかかっていることと、血脈の精神疾患の14:予知・口撃衝動/諸事に支障(人)があります』

    「そなたが挙げた共通点の中の、人運について補足しておくと、あくまで顕在化しやすい傾向であると念頭においた上で説明するが、総合運が9点満点として、なおかつ9点の項目の運がある場合、その項目で苦労することは今世の宿題に含まれていない傾向がある。そして、8点の場合は、霊障とは関係なく“何らかの問題を抱える”ことになり、7点以下になってしまうと、“かなり大きな問題を抱える”結果となる。また、総合運が1点下がる毎に、それ以外の項目は、総合運9点の場合と比べて、さらに1点ずつ下がることになる」

    陰陽師の説明に対し、青年は小さく頷いてから口を開く。

    『いつも先生がおっしゃるように、人間は“多面体”ですので、必ずしも全員に当てはまるとは限らないということでしたね』

    「そういうことじゃ」

    『人運の数字が“7”であること今回の騒動は、二人にとって、今世の課題を果たすために必要な出来事として生じた可能性があると思われますが、血脈の霊障によって今世の宿題に対して順接、すなわち無用な“重し”として顕在化したことが要因の一部となって、今回の件のように世間に知れ渡った可能性も考えられるのでしょうか?』

    「要因の一部、という意味では、その可能性も考えられる。さて、血脈の霊障の話が出てきたことから、もう一つの霊障、霊脈の先祖霊の霊障について説明すると、“霊脈先祖の霊障は、“逆説方向”、すなわち今世の宿題とは直接関係のない要素/方向性が含まれて顕在化する傾向があることも、覚えておくようにの」

    陰陽師の言葉に対し、青年は頷いてから、再び口を開く。

    『他に、霊的な観点からこの件が起きた要因は考えられるのでしょうか?』

    「もちろん。ただし、この件が起きた要因は無限に挙げられるため、一概に語ることはできぬ。よって、あくまで要因の一部という意味では、そなたが言ったように、人運の低さと血脈先祖の霊障の可能性が考えられる」

    陰陽師の言葉を聞いた青年は、納得顔で頷いた後、口を開く。

    『以前お聞きした限りでは、霊脈先祖の霊障の影響で“霊媒体質”の人物に顕在化している精神疾患は、現代医学では原因も症状も明確に診断されていないものがある一方で、血脈の精神疾患は、現代医学で診断される精神疾患とほぼ同義である場合が多いとのことでしたが、当人同士のクローズドな場での話し合いではなく、ウェブ上の文章による二人の応酬は、血脈の精神疾患14:予知・口撃衝動/諸事に支障(人)の影響もあるのでしょうか?』

    「もちろん、それが全ての要因とは言えぬが、そのうちの何分の一かはと言う意味では、その可能性も考えられる」

    『他には、インターフェイスの全ての数字が“4”であることも共通していますが、三桁目の数字の“4”にはどのような傾向が顕在化する可能性が考えられるのでしょうか?』

    「インターフェイスは“人当たり”を表す項目であり、両者は一桁目と二桁目の数字が“4”であることから、どちらかと言えば“人当たりが良い”傾向にあるが、三桁目の数字に“4”があることによって、その人当たりの良さの程度に応じた言動によって、対人関係において人生を根底から揺るがす“厄災”といった傾向の人生を歩む可能性がある」

    『なるほど。今回の騒動の影響で、現在、“はんつ遠藤の全国ご当地ラーメンリレー”の名称が2021年9月30日に彼の名前が削除され、“全国ご当地ラーメンリレー”に変更された他、日本航空(JAL)が運営する観光ウェブマガジン・OnTrip JALも9月28日、はんつ遠藤さんの連載を非公開にしているようです。フードジャーナリストである彼にとって、こうした対応をされることは、ある意味人生を根底から揺るがす“厄災”の序章とも言えそうです』

    「なるほど。いつも言っているように、人間は多面体であることから、インターフェイスの三桁目の数字のみで判断することはできぬが、数多くある要因の一つ、という意味では、そなたの言うことに一理あるかも知れぬ。ちなみに、梅澤さんには今回の件とは別に、何らかのトラブルはあったのかの?」

    陰陽師にそう問われた青年は、スマートフォンを操作した後、口を開く。

    『2021年秋に梅澤さんは新店の出店計画を立てていたようですが、50代の男性から麺の材料の業者に対して、“あの店には反社会的勢力がついている”などのメッセージを送られた結果、その業者からの材料の納入が取りやめとなり、新店の出店計画を見直さざるを得なくなったようです』

    「その件に対し、梅澤さんはどう対応したのかな?」

    『梅澤さんはメッセージを送った男性に対し、慰謝料および業務妨害による損害賠償を求め、同年9月8日、横浜地裁に裁判を起こしています。また、営業損害についても請求する予定で、警察へ被害届も出しているようです』

    「なるほど」

    『それにしても気になることがあるのですが』

    「なんじゃな?」

    『梅澤さんのラーメン店には、はんつ遠藤さん以外にも、複数のラーメン評論家が訪れており、中には初対面にも関わらず、断りもなく肩に腕を回してきて彼女と写真を撮ろうとした人物もいたようで、セクハラという意味ではこちらの人物の方が該当しそうなものですが、その中でも、はんつ遠藤さんが主に取り上げられた、何らかの霊的な要因が考えられるのでしょうか?』

    「出逢いは必然であることから、梅澤さんとはんつ遠藤氏は何らかの縁があって今回の騒動の役者となったことは、そなたも理解していると思うが、実は、二人は霊的な“近親憎悪”の関係であることが、複数いるラーメン評論家の中でも、はんつ遠藤氏が選ばれてしまった要因の一つになった可能性が考えられる」

    陰陽師の言葉を聞いた青年は、二人の属性表を見比べた後、口を開く。

    『霊的な“近親憎悪”の関係ですか。“近親”という言葉から考えるに、二人の魂の属性には、共通点がそれなりに多くあるということでしょうか?』

    「いや、そうではない。あくまで今回の騒動がこの二人を主軸に起きた要因の一つとして、両者の間に何らかの特別な関係があるか否かをみた結果、わかったことに過ぎぬ」

    青年の言葉に対し、陰陽師は小さく頷いた後、口を開く。

    『ということは、属性表の数字から判断できる内容ではないということですね』

    「そういうことじゃ。二人の共通点について付言するとすれば、二人の魂の属性は料理研究家やフードジャーナリストに多く見られる2(4)―3、すなわち転生回数が240回代の魂3:武士・武将であり、セオリー通りであれば、ラーメンという共通の料理において、何らかのコラボレーションができると考えることもできるが、霊的な“近親憎悪”であるこの二人に限って言えば、二人が同じ道を歩むことはないじゃろうな」

    陰陽師の言葉を聞いた青年は、再び両者の属性表を見比べた後、口を開く。

    『なるほど。以前、料理人の魂の属性のほとんどが2(7)―3、すなわち転生回数が270回代で魂3:武士・武将の人物とお聞きしましたが、梅澤さんの魂の属性が2(4)―3という点のみに注目すれば、彼女は料理研究家としての適性もあると思われますので、今までのように彼女が厨房に立つよりは、2(7)−3の人物に厨房を任せ、彼女はレシピ開発や経営といった裏方に回り、店舗数を増やす方向性も、可能性としてはありえるのでしょうか?』

    青年の問いに対し、陰陽師は湯呑みに注がれた茶を一口飲んでから、口を開く。

    「転生回数と魂の種類のみに着目すれば、その可能性はありえるが、彼女に限って言えば、頭2−7−7の、三桁目の“7”には、“物事を途中で放り投げる。挫折する”といった特徴が顕在化する可能性がある、という点を考慮すると、今の職業がいつまで保つかという問題も出てくるのじゃよ」

    陰陽師の言葉を聞いた青年は、腕を組んで眉間にシワを寄せながら、口を開く。

    『なるほど。確かに、彼女の魂の属性は、“2−3−5−5…2”(※第23話:この世のルールと芸能界参照)ですから、バイトAKBに所属できたことに納得できますし、あのままアイドルや芸能界の道を歩むこともできたと思いますが、頭の三桁目の“7”の特徴を考慮すると、ひょっとすると、また別の道を歩む可能性もゼロではないと』

    「まあ、そういうことじゃ。我々は死後、肉体を離れた後に地縛霊化しなかった場合、あの世で28年間、前世の振り返りをすると同時に、次の人生で果たすべき宿題を設定して再びこの世に転生してくることは、覚えておるな?」

    『はい。総合運の数字を例に挙げれば、今世の人生で体験することは、大まかに把握できると思います』

    青年の言葉に対し、陰陽師は小さく頷いてから、口を開く。

    「さらに付言するとすれば、我々の人生は、左右に決して越えられない壁が立っている、100メートルくらいの幅の道を歩いているようなもので、その道の中でどう歩くかは本人の自由じゃが、本人にとって適していない選択肢を取ることによって、道の真ん中から徐々にずれてしまうことがある」

    『なるほど。以前、先生から関わってはいけないと鑑定された人物と、その後も縁を持ち続けた結果、僕のお金も時間もなくなっていき、今思えば、僕がやるべきでないことをやらされていたと思います。そうした現象は、例えるなら、壁にぶつかってしまい、前に進みにくくなってしまっていたのだと思われます』

    青年はそう言うと、当時のことを思い出してか、苦笑を浮かべる。
    そんな青年に対し、陰陽師はいつもの笑みのまま、口を開く。

    「その時々にどのような選択をするかは、我々一人一人の意思に委ねられており、地球上にいるおよそ77億人の選択によって未来が変わっていく。よって、未来は不確定であることは、いつも言っている通りじゃ」

    『なるほど。例えば、梅澤さんは“2−3―5−5…2”の魂の属性を持っているからと言って、プロのスポーツ・芸能・芸術の世界で生きることが運命づけられているわけではなく、アイドル活動に尽力する時期があれば、ラーメン店の店主として心血を注ぐ時期もあり、ひょっとしたら、また別の道を歩むことになれば、今度はその道で精進する可能性もありえると』

    青年の言葉に対し、陰陽師は小さく頷いてから、口を開く。

    「その可能性も考えられる。大事なことは、自分の人生はこうだと決めつけることなく、また、望んだ結果を得ようと未来を意識して行動するのでもなく、その瞬間瞬間の出来事に対し、真摯に取り組むことじゃ」

    そう言い、陰陽師は壁時計に視線を向ける。
    それに気づいた青年も、スマートフォンで時間を確認する。

    『もうこんな時間でしたか。今日も遅くまでありがとうございます』

    そう言い、青年は席を立って深々と頭を下げた。

    「今日もご苦労じゃったな。気をつけて帰るのじゃぞ」

    陰陽師はいつもの笑みで手を振り、青年を見送った。

    帰路の途中、青年は自らの金運の“7”について考えていた。

    自分は幼少期から、お金で困ったことはほとんどなく、経済的にはとても恵まれていたと思う。
    元々物欲が乏しかったからか、新卒で就職した会社に勤めていた頃は、お金に困ることはなく、むしろ意図的に無駄遣いしても1年間で七桁の貯金をしていた。

    だが、自営業になってからは、高額な情報商材を購入したり、投資詐欺ややりがい搾取によって、時間はなくなる反面、借金が膨れ上がっていた。
    特に、ご神事を受ける前の半年は最悪な時期で、無一文になったことが何度かあったと思う。

    仮に自分の金運の数字の“7”に“挫折する”傾向が含まれているとすれば、当時の状況に納得がいくし、その結果、お金の重要さが身に染みてわかり、必要なこと・物だけにお金を使えるようになった。
    自分は出家を目指していないため、物欲をなくす必要はないが、少なくとも、目先のお金や物欲に左右されにくくなり、今世の課題を果たすために必要なことに対してお金を使うようになれたことは、非常に大きな学びだったと思う。

    それに、”2:仕事”の相がかかっていた影響もあってか、生きる目的が特になかった当時の自分にとっては、借金を返すことが生きる目的の一つになり、当時は命を断とうとした理由であった借金に生かされているという、皮肉な結果となっているように感じられる。

    よって、信じていた人に裏切られ、大金を失った事実は変わらず、高い授業料ではあったが、今の自分が在るのは彼らのお陰だと考えられるため、感謝している。
    今後も彼らと関わる可能性はほぼないだろうが、もしまたご縁があった時は、彼らが彼らの今世の課題を果たせるよう、お互いの運気が下がらない範囲で力になろう。

    そう、青年は思議したのだった。

    《参考》
    ◯魂の種類について:新千夜一夜物語 第4話:魂の種類と仕事
    ◯2−3−5−5…2について:新千夜一夜物語 第23話:この世のルールと芸能界